昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

著者 : 宇江佐真理

• 文藝春秋 (2014年9月29日発売)

作品紹介・あらすじ

伊三次が直面する、息子や弟子の転機

不破龍之進ときいとの間に長男が生まれ、伊三次一家も祝いのムードに包まれる。一方、絵師としての才能に疑問を感じ始めた伊与太は、当代一の絵師、葛飾北斎のもとを訪れる。

感想・レビュー・書評

[hito-kotoさんの感想 · 2022年11月4日]

　宇江佐真理「昨日のまこと、今日のうそ」、髪結い伊三次捕物余話№13、2014.9発行。主要登場人物は、伊三次家、不破家、その関係者13名。今回は伊三次の弟子の九兵衛と大店・魚佐の娘おてんの祝言が「華」。三省院鶴子のもとで過ごす不破茜に松前良昌の訃報が。絵師の修行に悩む伊与太に葛飾北斎、お栄の励ましの言葉が。

[honｎo-遊民さんの感想 · 2014年12月31日]

安定したシリーズ第１３弾。
安心して読み進められる。
伊三次・お文と、彼らを取り巻く周囲の人々の何気ない日常が続いていたが、「空蝉」で久しぶりに捕物劇に遭遇したような。

[gjmdaさんの感想 · 2019年4月30日]

2019/04/30
平成最後の読書。
人間の弱さをみた後半二本。
後味悪いし。
花紺青が好き。
自分は自分

[瑠璃花＠紫苑さんの感想 · 2018年7月7日]

どうしても感想は思い出せないのだが…
タイトルを見て、大人ってのは、苦いな…と
今思う。そういう一冊だったのだろう。

[kitanoさんの感想 · 2016年4月29日]

弟子の九兵衛も意地がある
見込まれているし惚れられてもいる、勿論それは九兵衛も同じことだが、貧乏暮らし故にこだわりで金持ちの実家に生活費を無心される未来が情けなくて・・・

[ほんやだワンさんの感想 · 2016年1月12日]

シリーズの、ついにラス前。
宇江佐センセの訃報を知り、とるものもとりあえず単行本で入手。いつもは文庫化を待つのですが。

物語の視点も、主人公目線のみならず、脇役チョイ役含め自由自在の妙味。
まさに円熟の筆運びでアリマス。
それだけに、あと１巻で終了となってしまうのがなんとも惜しい。
三代目（某ダンスが上手な男性グループではない）の活躍も見たかったし。

[fattycatloverさんの感想 · 2015年10月1日]

不破茜に側室になってほしかった訳ではないのだが、
お仕えしていた松前藩の後継ぎが亡くなられたのは、
残念だった。
茜のことを姉のように慕っていたのかと思いきや、
好きだったとは。

九兵衛と魚佐の娘がようやく祝言を挙げて良かった。

内与力が内通していた「空蝉」と、
大火事の最中の殺しが発覚する「汝、言うなかれ」が
捕り物話として面白かった。

[黒い☆安息日さんの感想 · 2015年9月25日]

安定のシリーズ。マンネリっちゃマンネリだし、最早主人公は伊佐治だけでなくなって、タイトル通りに捕物「余話」なんだけど、何作もかけてシリーズとしての味をしっかり沁みこませてきたから土台がブレてない。

だから少々なもんを放り込んでも味にブレがこないのが素晴らしい。絵師の世界のリアル登場人物がいっぱい登場しようが、正岡子規の俳句が止めに使われようが、伊佐治のシリーズとして確立しているってのは、スゴいと思う。

宇江佐先生闘病中とか…しっかり養生して、このシリーズをまた世に送り出してくださいませ

[fyukawaさんの感想 · 2015年2月4日]

捕物話より、それぞれのことが増えましたね。若様が悲し過ぎるわ。

[Hankacho(評価せず感想のみ)さんの感想 · 2015年1月18日]

L 髪結い伊三次捕物余話

いなみと友之進
九兵衛とおてん
茜と若様
伊与太 九兵衛の祝言
龍之進
夫の罪を知ったおとよ

こんなところ。
茜はこれで自由になれるんだろうか。
九兵衛の将来を見据えて話す伊三次がいい。
伊与太は絵師を続けることができるのか。
お文さん、活躍なし…。

著者プロフィール

１９４９年函館生まれ。９５年、「幻の声」で第７５回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。２０００年に『深川恋物語』で第２１回吉川英治文学新人賞、翌０１年には『余寒の雪』で第７回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。１５年１１月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」