祐介

著者 :
  • 文藝春秋
2.92
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本棚登録 : 1320
感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904788

作品紹介・あらすじ

「俺は、俺を殴ってやろうと思ったけれど、どう殴っていいのかがわからない。」スーパーでアルバイトをしながら、いつの日かスポットライトを浴びる夢を見る売れないバンドマン。ライブをしても客は数名、メンバーの結束もバラバラ。恋をした相手はピンサロ嬢。どうでもいいセックスや些細な暴力。逆走の果てにみつけた物は……。人気ロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観による、「祐介」が「世界観」になるまでを描いた渾身の初小説。たったひとりのあなたを救う物語。著者プロフィール・尾崎世界観(おざき・せかいかん)一九八四年、東京生まれ。二〇〇一年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル、ギター。多くの人から言われる「世界観が」という曖昧な評価に疑問を感じ、自ら尾崎世界観と名乗るようになる。一二年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビューし、日本武道館公演を行うなど、シーンを牽引する存在に。男女それぞれの視点で描かれる日常と恋愛、押韻などの言葉遊び、そして比喩表現を用いた文学的な歌詞は、高く評価され、独自の輝きを放っている。

感想・レビュー・書評

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  • 2020年4月10日読了。冴えないバンドマン祐介のあきらめとあがきの日常。クリープハイプのボーカル尾崎世界観による小説。音楽を始めた頃に抱いていた夢・希望が擦り切れてどん底を漂うバンドマンのやるせない感じを硬質にねちっこく書き込む文体には彼の歌同様なかなか惹かれるものがある。主人公がやけに女性にモテるのはバンドマンあるある?フィクション?著者ならでは?ラスト、大イベントを設定するとか何らかのカタルシスをもたらす展開になっていたらもっと一般ウケというか読みやすい小説になったろうに、観念的な終わり方でお茶を濁した?ような感があるのは残念。

  • 比喩が長くて独特で面白いなあと思ったり、状況説明が不充分なので展開が把握できずにモヤモヤしたり。

    下品な表現に眉をしかめることもあったが、これもこの人の味なんだろうと思う。

    ATM操作の描写「憎しみを込めて強く挿入するが、機械のペースでゆっくりと吸い込まれてゆく。」ってとこが、凄く自分にあるあるで良かった。

    曲でも本でも、「羅列」って言葉が好きだなあこの人。
    起承転結ってものはこの本には無く。でも、読み終わった後も、味が長続きする未来のガムみたいにまだ噛んでいたい気もした。

  • 祐介のことを私は好きじゃない

  • クリープハイプ全曲本当に大好きなので曲の感じがそのまま文章になっていてとても好きだった。クリープハイプのファンじゃない人から見たら比喩的な表現ばかりの暗い小説だなと思うかもしれないが、ファンからすれば大好きな曲と物語が繋がった気がして興奮した。
    ぜひ、クリープハイプの曲を聴いてファンになってからまた読んでみてほしい。
    クズな感じが最高。

  • グロいところもあるけど、面白かった
    爽快感

  • 2018.6.30
    図書館

    クリープのボーカルの自伝小説。クリープの曲も尾崎世界観も好き。
    ご本人は「自伝ではない」と言っているそうだけど、このタイトルでその主張は無理がある。ほぼ自伝として読んだ。
    文章は比喩&比喩。主人公だけでなく、周りの人たちも比喩&比喩。
    ゲスい下ネタを文学的に書いているところが又吉の文と似ている。重い雰囲気も相まって、全体的にも火花に似ているなあという印象。又吉絶賛なわけだね。
    自伝として読んだから、ところどころに出てくるフィクション感満載な登場人物に違和感。(Tシャツ交換の少年)

    内容は、主人公が世間に怒り、陰湿に小さく反撃しながら夢を追う話。
    特に報われることなく、リアルな成功していない人の生活が描かれている。
    主人公の、世間への怒りや不満にとても共感できた。納得いかないよね、全てに。
    けれども、反撃する行動力が私にはないところだった。反撃できたらすっきりするだろうなあとビビりな私は日々思っていたけれど、反撃によって面倒なことになっていたりしたから、そうかと。
    その人に反撃できただけでもいいのかもしれないけれど。怒りの落としどころってむずかしいなあと思う。
    結局、弱者に反撃はできないのか。
    将来への不安、現状への不満などがよく出ていて、考えさせられた。

    ただ、全体的に下ネタ、グロネタが多くて好きではない。
    ご本人がいまや大成功者であるから、まだ希望を以って読めた。
    音楽をあきらめなかったことがすごい。

  • 途中で書くのに飽きちゃったのかな、出来の悪い香港映画みたいだな、と思った。
    26ページまでは面白かったのに。

  • 自分は元バンドマンで共感できるところもあったけど、小説としては好きじゃなかった。
    クリープハイプは好きだし曲も歌詞も好きだけど、自分にはまだ難しかった
    後10年後にもう一度読んでみる

  • ずっとずっと昔から、この人のかくことばが好き、というよりもたぶん、その表現にこの言い回しをするんだ、とかこの言葉を選ぶんだっていう感性みたいな感覚的なところが全部全部好きなの

    この本が出る時スケジュール帳に“祐介”とだけ書いていたら友達に男の子との約束だと思われていたのを、ちょっと思い出した、だけ

  • クリープが好きなので手に取りました。個人的には好みの文体ではなかったが、主人公祐介のどうしようもなく救えない感じや決していい意味ではなくで達観してるところが気持ち悪くて良かった。
    瞳ちゃんイノチミジカシコイセヨオトメ

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著者プロフィール

1984年、東京都生まれ。ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル、ギターを担当。作家としても活動し、これまでに小説『祐介』、日記エッセイ『苦汁100%』『苦汁200%』(いずれも文藝春秋)、『犬も食わない』千早茜との共著(新潮社)を上梓。

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