美しい距離

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904818

感想・レビュー・書評

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  • 病に冒されていく妻とそれを見つめる夫の美しい距離。

  • 逝ってしまった

  • 2017/12/19

    「墓の前で手を合わせると、尊敬語も謙譲語も出てくるようになった。出会ってから急速に近づいて、敬語を使わなくなり、ざっくばらんな言葉で会話し始めたとき、妻との間が縮まったように感じられて嬉しかった。でも、関係が遠くなるのも乙なものだ。」
    読み始めてすぐ主人公の頭の中にすうっと入っていくような感覚に。
    わたしも夫や子どもが逝ってしまったら敬語で話すのかな。

  • 2016.11月。
    『かわいい夫』や連載エッセイ、ツイッターはみてるけど、小説は初めて。でも小説もナオコーラさんそのものだった。社会の中でいつのまにか身についてしまった表面的な薄っぺらいもの。ナオコーラさんにはそれがない。自分を守るためだったり、惰性だったり、楽をするためだったり、そんなものが何重にも巻きついてしまった。日々考えることをしないと、自分の足で立たないとこうなるんだな。こわっ。突然剥がれ落ちてくれるわけでもなく、へばりついてまとわりついてしまったこの垢のようなものは、毎日の努力でなんとか減らしていくしかないんだろうけど、ちゃんと立ち止まって考えて生きていこうと思う。できたら死ぬまで。

  • 取材帰り、あっという間に読み終えた。男のことなのに、ここまでよく書けるよな。結末はわかってたけど、グイグイ引き込まれた。自分はここまでできるか。

  • 【愛情ゆたかな物語】

    主人公の妻はまだ40代にして、ガンになってしまう。主人公は介護休暇をとり、仕事の量をへらして看病にあたっている。余命は聞いていないが、そんなに長くはないことは主治医の言葉から伝わってくる。

    妻はサンドイッチのお店を経営していて、ときどき常連のお客さんや仕事仲間が病院に顔を出してくれる。

    入院している中、出来ないことが増えていく妻に何をしてあげればいいのか。看病で負担になってないように、気を使わせないようにどんな言葉をかけてあげればいいのか。また、一緒に看病している妻の母に対してどれだけ配慮すればいいのか。

    日々の葛藤や、妻への愛情、だんだん増えてくる周りの人たちへ苛立ちなど、どれも素直な気持ちが書かれている。でも淡々と表現されているので、重いテーマだけど読んでいて辛くない。

    きっと相手をなくすのはとても辛いことだけど、妻の看病を喜びと感じられるのはうらやましい。そういう人間関係を築けるといいな。

  • 大切なあなたとの距離は自分自身との距離でもある。

  • ”距離”はやっぱり夫さんと彼女の間のかな。じゃあ”美しい”と思ってるのは誰なんだろう?夫さん?作者さん?

    なんか読み終わったらタイトルについてつらつらと考えてしまった。

  • 『母ではなくて親になる』読み終わりすぐにもっと知りたくなった『美しい距離』

  • 2017.8.19
    末期癌の妻を看病する夫。日常の、心の小さな小さな動きを丁寧に書いている。穏やかで冷静で、それこそが美しい距離なんだと思った。
    私が病に伏したら、夫に読んでほしい。

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山崎ナオコーラの作品

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