勉強の哲学 来たるべきバカのために

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905365

感想・レビュー・書評

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  • オビに「思想界をリードする気鋭の哲学者による本格的勉強論」とあるのだけど。

    「本格的」な勉強論とは……一体?

    勉強するということを比喩から始めて、哲学的に捉えているのは、なんとなく分かる。
    その場の空気に同調している、そんな自分を客観視して、なんで同調しちゃってるの?ってツッコミを入れられる批判的な自分を作っていく。
    それこそ、その空気を作り出している人に、モノに、テーマに、世界に……。
    あらゆる角度から切り込んで、ズブズブと深めていくことは、傍目に見ると気持ち悪いことかもしれないけど、それが勉強だ、と言っている?
    んー。まあ捉え方はズレてるかも。

    言葉の記号化、決断の意味。
    哲学的に面白い部分と、紹介する本の多彩な引用を読んで、筆者の中身にはものすごく面白い世界が詰まっているだろうに、と思った。

    でも、この本の対象の見えなさと、比喩の軽さと、ページの空白の多さに、「ちゃんと理解しよう」という気持ちが削がれ続けて結論に至ってしまった。
    タイトルは面白いけれど、中高生にはある意味で難解だと思う。
    そして、社会人を対象にしているのなら、実践編をもう少し広く書いて欲しい。

    ある境界を越えて、苦しんだ後にふっと楽しめるバカになっていた、それは勉強の魅力だと思う。

  • 単行本の方を読んだ。勉強への取り組み方などフランスの哲学をもとに専門的な内容も含めて記されていたが、よく理解出来なかった。自分の一生の仕事になる専門分野の勉強法ということであれば参考になると思う。

  • この本の根幹である第2章以外は理解できた。

    以下、印象に残った箇所。

    12
    人は、「深くは」勉強しなくても生きていけます。

    21
    人生においては、ときに、紆余曲折を経てたどりついたある局面が、「完成した」局面のようになることがある、と僕は思っています。
    →台湾から帰って来てからこれまでの自分、、

    そうなったら、微調整しながら、大きくは生き方を変えずに長くやっていきたい人もいるでしょう。
    →まさに!!この状態を心地よく思ってたからこその、停滞感を感じていたかもしれない。

    30
    その場にいながら距離をとることを考える必要がある。

    32
    言語を使えている、すなわち「自分に言語がインストールされている」のもまた、他者に乗っ取られているということなのです。
    →最近、AI翻訳の台頭などで語学を学ぶモチベーションが若干低下していたが、そもそも新しい思考法を手に入れるという上では、外国語の習得はむしろ近道であると感じた。
    英語と中国語と日本語を話せるからこそのアイディアとなれば、質と価値も上がりそうだ。

    33
    辞典とは、人々が言葉をどう使ってきたのかの「歴史書」なのです。
    →まさに

    43
    本書を読むことは、フランス現代思想をちょっと勉強することになっています。

    66
    勉強においてもいったん、知性と同時にキモさかまついてしまう「増量期」を経て、その後、キモさを減らす「減量期」に入るというわけです。
    →大学1〜2年(増量期)、3〜4年(減量期)※私の場合。


    168
    勉強とは、まず、小賢しく口ばっかりになることです。僕は確信をもってそう言いたい。

    178
    勉強の順序としては、複数の入門書→教科書→基本書、となります。

    180
    バイヤールによれば、読書において本質的なのは、本の位置づけを把握することです。

    192
    自分の実感に引きつけないで読む、というのは、あるテクストを「テクスト内在的」に読むことである。それは、テクストの構造=設定における概念の機能を捉えることである。

    199
    勉強を続けるというのは、そのように「出典」-文献の名前とページ数、さらに出版年など-を明記した読書ノートをつけ続けることです。

  • 内容は冗長に感じたけどその分わかりやすかった。勉強についてこういう考え方もあるんだな、という感じ。
    哲学書的なものを初めて読んだが、あまり合わなかったかな。自分が所謂理系だからか、こういうノリがよくわかってないという事なんだろう。

  • 思考整理の方法と、その目的が哲学的背景から記述されている。アウトライナーのアプリは使ってみたい。

  • 難しく書きすぎな印象。ターゲットとした読者が現代思想界隈ならいいけど、一般向けには難しすぎではないか。バイヤールを引用したあたりの記述、読書で重要なのは、本の位置づけを知ること、ブックマップをつくることと記載しているあたりが、最も印象に残った。これは読書に限らず、色々な活動において言えることで、俯瞰的な視点を持つことの重要性ともいえる。

  • 東大・京大で一番読まれている(発売当時)らしいが、よくわからない。「勉強」とは何かについて書かれているのだが、単なる言い換え、比喩、言葉遊びに見える。同じような主張なら平野啓一郎さんとか、外山滋比古さんの著書の方がよほどわわかりやすいと思うが。

  • 全四章構成される。。三章までは、勉強に対しての作者なりの哲学的な考えについて書かれている。私個人、勉強法をこの本から学ぼうとするために選んだために、為になるのは第四章のみであり、あとは流し読み。。正直他の章を読まなくても第四章は理解できるので、勉強について哲学的な見解を求めている人以外は読まなくても損ではない

  • 170825読了

著者プロフィール

1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他

「2019年 『談 no.115』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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