沈黙のパレード

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 6807
感想 : 717
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908717

感想・レビュー・書評

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  • ガリレオシリーズは短編集と長編で趣きがだいぶ異なる。

    前者はワン・トリックから無理やり小説を構成している感があって、はっきりいって面白くない。
    後者はまったく異なり、大胆なトリック、ガリレオと刑事たちの掛け合い、登場人物の感情の揺れなどを経て、物語は悲しい結末に収束していく。

    この小説では中盤までのトリックは、確かに大胆ではあるが読み進めるうちにだいたい分かるし、どんでん返しで違う結末になるだろうというフラグに思えた。

    そしてそのとおりになる。さらにその先があったが、今ひとつ読後感が良くない。それは、はっきりいってストーリーが凡庸だからだと思う。

    ほかの小説家の作品なら及第点だが、ガリレオシリーズ長編版としては物足りなく、残念。

    それとも、怜悧な頭脳で快刀乱麻の推理をみせるこれまでとは路線を変え、人情派湯川学を描く話だったのだろうか。

  • ガリレオシリーズの第9作目。ちょっと甘口採点かも知れないけど、大好きな「容疑者Xの献身」絡みのエピソードがあって猛烈に感動したので、かなり甘めだとは思いますが星5つ。

    最近の東野圭吾さんは当たり外れが大きくなりましたし、今、マイブームの伊坂幸太郎さんに比べると人間描写に深みが無いですし心に響くようなフレーズも特に無いです。でも、本作はガリレオシリーズのファンであれば確実に満足のいく作品なんじゃないかな~☆ガリレオシリーズのファン限定ではありますがおススメ♪

  • めちゃおもしろい!はんぱない、、
    推理がすごいし、推理が一筋縄じゃなくて最後の最後までわからないのが面白かった。2つの事件が繋がってる複雑さだけじゃなくてそこに絡んでくる人間関係も複雑すぎてすごい、、!

  • 久しぶりに東野圭吾の長編ミステリーをちゃんと読んだ。ストーリーが厚い厚い。伏線最後まで拾い切るまでが遠足です。
    それにしても、いずれにしても。
    留美は、恨まれると思う・・・。

  • ミステリー

    【ガリレオ9】
    年一度の盛大なパレードの日に変死体が発見される。被害者は以前殺人容疑を黙秘によって無罪判決を得た男性。再び別の事件で黙秘を続け不起訴となっている最中の出来事だった。

    殺害方法は不明、動機を持つ者には不自然なまでの完璧なアリバイがあり、草薙刑事は湯川に助言を求める。

    司法の限界に対し救われぬ遺族たち。
    湯川のあたたかい事件解明の手腕が心に残る作品。

  • どうしようもない気持ち、でもそれを同じ方法で返したら、一緒になっちゃうよ。

  • 1度目に裁けなかった事で、多くの悲劇が起きてしまう。こんな犯人の為に大勢が暗闇に導かれてしまったのが、不条理で、遣る瀬無い気持ち。
    主要人物達が一気に歳を重ねたのにも、作品の物悲しさを増長しているように感じました。

  • ご存知東野作品です。やっと読みました。

    常識を超える長期的な背景と人間関係がおりなす
    ドラマが際立っています。

    従来の東野作品にも長期的背景のストーリーは
    ありました。これを縦軸とするなら、これも別
    の作品にもありましたが、過去の事件が一見
    無関係のように見えて複雑に絡み合う部分が
    横軸といったところでしょうか。

    この縦軸と横軸の接点が物語にキモ、といった
    ところです。

  • 二つの殺人容疑から黙秘を守ることで無罪を勝ち取った男。その後も被害者家族へ挑発を繰り返すなど絵に描いたような悪人でしたが、ある日死体で発見されます。どちらの捜査も起訴まで持ち込めなかった草薙刑事は複雑な思いで、内海とともに、第二の殺人の被害者近親者たちのところへ訪れます、今度は容疑者として…。しかし、すべての容疑者にはアリバイ、これは殺人なのか?事故なのか?捜査は難航していきます。その時、被害者の両親が営む食堂へ湯川教授がふらりとあらわれます…。東野圭吾の本は電子書籍では販売されないので、今回も本屋で遭遇「おっ!新刊!」「おおっ!ガリレオ復活!!」ととても幸せな気分になってしまいました。はぁ、至福の時間。あっという間に読み終えてしました。やはりガリレオシリーズになると気合の入り方が違います。久しぶりの快作!

  • 読み始めて、最近筆者の著書を遠ざけていたえぐみや匂いを濃厚に感じて、最後まで読めるか心配になったけど、どうやら最後まで読み切った。ミステリランキングでも評価されていて、図書館で相当待ったので、よかった。えぐみは別として、この話はトリックではなく、二段三段構えの真相がポイント。湯川教授は神に近づいてきたね。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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