- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163908717
感想・レビュー・書評
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ガリレオシリーズは短編集と長編で趣きがだいぶ異なる。
前者はワン・トリックから無理やり小説を構成している感があって、はっきりいって面白くない。
後者はまったく異なり、大胆なトリック、ガリレオと刑事たちの掛け合い、登場人物の感情の揺れなどを経て、物語は悲しい結末に収束していく。
この小説では中盤までのトリックは、確かに大胆ではあるが読み進めるうちにだいたい分かるし、どんでん返しで違う結末になるだろうというフラグに思えた。
そしてそのとおりになる。さらにその先があったが、今ひとつ読後感が良くない。それは、はっきりいってストーリーが凡庸だからだと思う。
ほかの小説家の作品なら及第点だが、ガリレオシリーズ長編版としては物足りなく、残念。
それとも、怜悧な頭脳で快刀乱麻の推理をみせるこれまでとは路線を変え、人情派湯川学を描く話だったのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
めちゃおもしろい!はんぱない、、
推理がすごいし、推理が一筋縄じゃなくて最後の最後までわからないのが面白かった。2つの事件が繋がってる複雑さだけじゃなくてそこに絡んでくる人間関係も複雑すぎてすごい、、! -
ミステリー
【ガリレオ9】
年一度の盛大なパレードの日に変死体が発見される。被害者は以前殺人容疑を黙秘によって無罪判決を得た男性。再び別の事件で黙秘を続け不起訴となっている最中の出来事だった。
殺害方法は不明、動機を持つ者には不自然なまでの完璧なアリバイがあり、草薙刑事は湯川に助言を求める。
司法の限界に対し救われぬ遺族たち。
湯川のあたたかい事件解明の手腕が心に残る作品。 -
どうしようもない気持ち、でもそれを同じ方法で返したら、一緒になっちゃうよ。
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ご存知東野作品です。やっと読みました。
常識を超える長期的な背景と人間関係がおりなす
ドラマが際立っています。
従来の東野作品にも長期的背景のストーリーは
ありました。これを縦軸とするなら、これも別
の作品にもありましたが、過去の事件が一見
無関係のように見えて複雑に絡み合う部分が
横軸といったところでしょうか。
この縦軸と横軸の接点が物語にキモ、といった
ところです。 -
二つの殺人容疑から黙秘を守ることで無罪を勝ち取った男。その後も被害者家族へ挑発を繰り返すなど絵に描いたような悪人でしたが、ある日死体で発見されます。どちらの捜査も起訴まで持ち込めなかった草薙刑事は複雑な思いで、内海とともに、第二の殺人の被害者近親者たちのところへ訪れます、今度は容疑者として…。しかし、すべての容疑者にはアリバイ、これは殺人なのか?事故なのか?捜査は難航していきます。その時、被害者の両親が営む食堂へ湯川教授がふらりとあらわれます…。東野圭吾の本は電子書籍では販売されないので、今回も本屋で遭遇「おっ!新刊!」「おおっ!ガリレオ復活!!」ととても幸せな気分になってしまいました。はぁ、至福の時間。あっという間に読み終えてしました。やはりガリレオシリーズになると気合の入り方が違います。久しぶりの快作!