他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163913926

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めた、
    これはすごい、

    共感という概念ってなに?
    わかったつもりでいた
    シンパシーとエンパシー



    自分は自分自身を生ききることが
    できるからこそ
    他人の靴もはける

    金子文子の話読みたい

    『他者と関わる手段は、会話であること』と
    みかこさんは言っている
    この映画も見に行った。
    PRISON CERCL
    https://chupki.jpn.org/archives/8383


    他者の靴をを履くということは
    自分自身が何者であるか知ることにつながるなと
    思った。


  • つい本屋で買ってしまったものの、惹かれるところが少なくサッと流し読み。以下、第一論点を得ただけでもよかった。

    ○女はエンパシー能力でリーダーシップを発揮できる。やんわりと人を率い、信望を得る。男がエンパシーを示すと、弱く見えて不利になる!

    ○女らしい外見は、おそらく女性の世界におけるマウンティングのツール

    ○勝つことをやめて、聞くことを始めよ。

    ○ブルシットワーカー

    ○互いに個人として交わすことのできる会話の欠如もまた、個人性の喪失につながる。

  • <目次>
    はじめに
    第1章  外して、広げる
    第2章  溶かして、変える
    第3章  経済にエンパシーを
    第4章  彼女にはエンパシーがなかった
    第5章  囚われず、手離さない
    第6章  それは深いのか、浅いのか
    第7章  煩わせ、繋がる
    第8章  速いエンパシー、遅いエンパシー
    第9章  人間を人間化せよ
    第10章  エンパシーを「闇落ち」させないために
    第11章  足元に緑色のブランケットを敷く
    あとがき

    <内容>
    『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のブレイディみかこさんが、この本の中から話題となった、「エンパシー」を追求した本。もともとアナーキストの発想なので、その視点が多く入っているが、ものすごく本を読んでいる人なのだがと実感。心理学者や教育者、哲学者の本が次々と引用される。ものによっては論破もされる。言いたいことは、「エンパシー」の本質。「エモーショナル・エンパシー」ではなく、「コグニティブ・エンパシー(その人物がどう感じているかを含んだ他者の考えについて、より全面的で正確な知識を持つこと」「どちらかというとスキルのようなもの」。つまり、能力で後天的に身につけられるもの。これを身につけることで、他社の痛みも感じつつ、それに全面的に共感はせず(してしまうと、相手がサイコパシーなどだったら誘導されてしまうし、ストックフォルム症候群にもなりうるから)、自分の意思をしっかりと持ちつつ、吾相手を重んじだり、お互いの共通項を作ったりしていくこと。そして、それこそが「民主主義」の根幹なのかもしれない。ということは、教育界で伝えることで(教えることではない)、学んでもらいたいことなのではないだろうか?著者はこれを、「他者の靴を履く」と表現をしている。人間は難しい生き物なのだが、以前読んだ『HUMAN KIND』を含んで考えると、今後の世界を考え、変えていく示唆になるのではないか?

  • エンパシーは『他者の感情や経験などを理解する能力』と定義され、シンパシー(感情や理解など)と区別されている。他者の靴を履くときも、自己を失わず行う。そして理解できなかったとしてもそれを考慮に入れる穏当さが重要だと締めくくられている。言葉だけが先に広がってしまった『多様性』への向き合い方を教えてくれるような内容だった。


  • 20210907

    「僕もイエロー..」と同じようにノンフィクション小説のようなライトなものと予想していたが、少し固めな印象。
    「エンパシー」という概念には、さまざまな観点があることが最大の気づき。

    特に印象に残ったのは、「他者の靴を履ける人は、他者にも自分の靴を履かせる人」という考え方。
    自分の弱さとか見せずに1人でやれるまでやるスタンスを貫いてきたけど、もっと肩の力を抜いてオープンスタンスになることが第一歩かな。

    「互いを煩わすことを悪いこととする社会は、表層的には他者のことを慮っているように見えても、実は誰とも関らず1人で生きていく人の集団だ」

    迷惑かけてはいけないっていう考え方そのものが、
    1人の檻に自分を閉じ込めてる自虐行為だし、
    相手との空間的な繋がりも絶ってしまい、
    共感、共助から遠のく行為なんだな、と納得。

  • クスクス笑いながら、なぜか深く考えさせられる。そんなブレイディさんの著作とは随分と趣が異なっていた。
    本書は「エンパシー」がテーマ。カタカナになっているだけに適当な日本語がなく、それ故に使う人によって定義も曖昧で、わかったような、でも説明してみろ、と言われると、うまく言葉がでない。
    他人の立場に立って考える。それも無条件ではなく、自己の軸を持ちながらバランスのとれた視点でその立場に立って見る、ということだろうか。でもこれは難しい。ブレイディさんは「エンパシーは能力」だと言うから、精進が必要だ。

  • 最近読んだ何冊かのビジネス書より、仕事の面でも暮らしの面でもはるかに気づきのある内容でした。

    著者のこれまでのエッセー・コラム的な書籍とは全く毛色の違う、ややカタい本です。面食らう方もいるかもしれません。

    ただ「エンパシー=他人を理解する能力」の重要性をよく知ることができました。
    いまコロナによって暴かれたりより深刻化している様々な問題の、克服のきっかけにもなるかもしれません。

    政治や社会運動、福祉に関心がある人はもちろん。
    たとえば、人事関係の仕事やマネジメント職、チームでイノベーション創出に取り組む人、世の中のインサイトをとらえたいマーケティング関係者、企画関係の仕事…など、あらゆる人のヒントになります。
    (同僚にリコメンドしました。)

  • 「エンパシー」というものについて、様々な議論があるんですね。知りませんでした。そのせいか自分には難しくてなかなか頭に入ってきませんでした。この分野の識者の引用も多くちょっとしんどかったです。アナーキー、自立、溶けていくようで失わない?やはり難しい。これまでの著者の売れた作品とは違うので注意。私はこれまでのアネクドート的なストーリー・文章の方が好みです。

  • 『エンパシー』なんて考えたことがなかった。
    だけど意味を知ると、自分にとって無関係でないことが分かる。
    エンパシー=他者の感情や経験を理解する能力。
    他者と共生するうえで欠かせない能力だと思った。
    だけど自身を振り返ってみて、はたと気づいた。
    私は自分の靴を履いたまま、他者の靴を履いていたんだなあと。
    求められるのは共感でなく理解。
    簡単そうに見えて難しい。

  • 想像してた続編とは違い面食らった感と共に読みにくさを感じた←これは自分の責任

    読むタイミングが違ったかも。また改めてしっかり読みたいと思わせてくれる1冊。

    なので今回は☆はあえてつけず

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著者プロフィール

ブレイディ みかこ:ライター、コラムニスト。1965年福岡市生まれ。音楽好きが高じて渡英、96年からブライトン在住。著書に『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』『ジンセイハ、オンガクデアル──LIFE IS MUSIC』『オンガクハ、セイジデアル──MUSIC IS POLITICS』(ちくま文庫)、『いまモリッシーを聴くということ』(Pヴァイン)、『子どもたちの階級闘争』(みすず書房)、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮文庫)、『他者の靴を履く』(文藝春秋)、『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)、『リスペクト――R・E・S・P・E・C・T』(筑摩書房)など多数。

「2023年 『ワイルドサイドをほっつき歩け』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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