- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163913926
感想・レビュー・書評
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話題作「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の解説のような位置付けですが、この本だけ読んでも楽しめると思います。他者の靴を履く=自分ではない人の立場を想像することがなぜ重要なのか、考えましょう。
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エンパシーには、エモーショナルエンパシーと、コグニティブエンパシーがあり、他者と共同していくために必要なのはコグニティブエンパシーであること、先天的な性質であるエモーショナルエンパシーと違って、それは後天的に学び、学習していくことのできる技術であることが、平易な語り口で、様々な切り口から描かれています。
アナキズム思想については私自身が人に話せるほどにはよくわかっていなかったことも、分かりやすく説明されていました。たくさん文献も紹介されていて、とても勉強になり、紹介されていた本の中から読んでみたい本のリストが増えました。
私自身、元々エモーショナルエンパシーの方の性質を持って生まれているので、それとアナキズムがどう関係するのか興味が出て手に取った本でした。
コグニティブエンパシーの方は、他者と関わって生きる誰もが、意識しているかしていないかに関わらず、多かれ少なかれ使っている能力だと思います。それほどまでに他者は遠く、人は一人一人異なっている。毎日小さな、時には大きな???を感じながら、永遠に完全には理解し得ない他者を理解する試みを続け、日々を営んでいく。同時に自分のことも大切しながら。時にはそれは楽しいワクワクするような作業であり、時にはできれば考えたくもないようなウンザリする作業でもあります。でもウンザリするような時にも、他者の靴を履く、ことはやる必要のあることなのだということが、この本では説明されています。
誰もが自然とやっていることでありながらも、自分の人生を豊かにするためにも、人の集まりである社会が成熟したものになるためにも、こういった本で学び、コグニティブエンパシーの大切さを一人一人が意識化することはとても大切だと思います。ブレイディみかこさん、大切なお仕事されていますね! -
とても興味深かった。経済の話は難しかったが、自助と自立の違い、感情の読み書き能力、利他的と利己的、エンパシーによる罪悪感(申し訳ないという気持ち?)、感情労働、エンパシーの搾取、などなど、知らなかったことや意識していなかったことがたくさん詰まっていた。
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自分の人生をハッピーに送りたいという利己的な欲望が人を利他的にさせる、とかアナーキーとエンパシーについてとか面白いところもある
ぼくはイエローでホワイトてちょっとブルーが全て百点満点のとんでも本だったので期待値が上がってたのかも
しかしイエローでホワイトでちょっとブルーはこの人のこの思索と地続きなんだなということは納得できた -
背ラベル:141.6-ブ
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意見の異なる相手を理解する知的能力「エンパシー」をめぐる思索の旅。“負債道徳”からジェンダーロールまで、現代社会の様々な思い込みを解き放つ。『文學界』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40283889 -
かなり難しい本だった。自分自身を良く生きるためにエンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)とは何かを深く考えると総括してみた。それを他者の靴を履くと表現し、他者との会話において自分のアイデンティティを証明し、自分の外側(社会)で何が起きてるか知ろうとし。
以下の最後の一文を備忘として時間をかけて理解していきたい。
「理解できないことがあっても、どのみちそれを考慮に入れなくてはいけない、ということを受け入れること」 -
副読本として、少し難しいが考えることが大事なこと。
別に相手の立場に立って考えた上でそうなんかって思うこともできれば、なおさら無理ってなることもある。
ただ、その立場(自分とは違う)ということを認識して考えることは大事。
この方の息子さんの考え方が好きだな。