- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163914367
作品紹介・あらすじ
1871(明治4)年の『西国立志篇』から2016(平成28)年の『コンビニ人間』まで――ベストセラーになった42冊の本を通して、日本の近現代史が見えてくる。佐藤優流、最強の教養本!
感想・レビュー・書評
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博覧強記の知識モンスター佐藤優氏の書籍紹介ブック。
本書で紹介されている42冊中既読は9冊だった。
まだまだ読書量が足りないと自覚…
佐藤氏の村上春樹氏に対する書評は意外に新鮮だった。
感銘を受けた戦艦武蔵(吉村昭著)が紹介されているのはなんだか嬉しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〈優れた作品は複数の読み解きが可能だ〉
と言う佐藤優さんによる書評。
ざっと見渡したところ、最近これを含め
4冊の「読書に関する本」を出している佐藤さんです。
一般のいろいろな皆さんによる感想を楽しんでいる私ですが、
佐藤優さんの書評を読むと「同じ本を読んでも、個人の経験によってこんなに違うんだ」と心底思わされます。
たとえば『コンビニ人間』『蹴りたい背中』『火花』を読んだ私は「ふーん。芥川賞ってこんな」と思いました。
佐藤さんは次のように書いています。
『コンビニ人間』
猛毒をそのまま提示して評価は読者に委ねるというアプローチも認められてよい。『コンビニ人間』は、人間が持つ猛毒をあえて薬に変えることをせずに提示した優れた文学作品と思う。
『蹴りたい背中』
綿矢りさ氏はロシアの文豪ドストエフスキーの系譜に位置づけられる作家であると筆者は認識している。それは、綿矢氏が悪の問題を正面から取り扱っているからだ。
『火花』
十以上の小説になる物語が埋め込まれている。人間の喜び、悲しみ、優越感、狡さなど、あらゆる感情を、又吉氏は、芥川龍之介や太宰治に連なる正統的な近代日本文学の表現を踏襲し、書いている。『火花』の特徴は、マイノリティーとマジョリティーの視座が交替して、人間を立体的に描いているところにある。
理解できないことも多々ありましたが、
佐藤優さんの書評はやっぱり面白いと思いました。
こんな平凡で単純な感想しか書けず、申し訳ないです。 -
「真の教養が身につく本」「生きる知恵が身につく本」「物語の大きな力」の三部で42冊のベストセラーを紹介する本。
読んでいる本については、こんなにコンパクトに本の内容を紹介出来るんだなぁという感心と、佐藤さんの捉え方がとても面白い。
かなり長期に連載されていたもの?を一冊にまとめたとあって、何度も同じ身の上話が繰り返されるのは、なんというか、それほどの体験だったと思えばいいのか、どうしても引っかかってしまうけれど。
以下は、自分の今後読みたいリストのために第三部だけを抜粋。
コンビニ人間
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
蹴りたい背中
豚の報い
不毛地帯
毎日が日曜日
塩狩峠
さらばモスクワ愚連隊
万延元年のフットボール
ペスト
若い人
蜘蛛の糸
こころ
吾輩は猫である
こう並べると、ベストセラーだけあって、やっぱりもう一度読みたくなる濃度を持った作品が多いなーと思う。 -
【ベストセラー42冊分の養分を濃縮!】明治4年の『西国立志編』から平成28年の『コンビニ人間』まで――ベストセラーを通して、日本の近現代史を学ぶ最強の教養本!
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知の巨人が推薦する読むべきベストセラー集。
まだまだ読んでいない本が沢山ある。特に第二部の生きる知恵が身につく本をたくさん読みたい。 -
まだ知らない面白そうな本を探すには、向いていない。なぜなら、ベストセラー本の佐藤優なりの読み解き方の紹介だからだ。恐らく、本好きならば、読んだ事のある本ばかりだろう。従い、あまり収穫はない。
例えば、塩狩峠。他人を救うために列車に飛び込むキリスト教的精神と、それを眺め南無阿弥陀を唱えるだけという、二項対立の図式の解説。確かに、そうした意図で描いたのだとすれば、三浦綾子はしたたかな宗教家だ。しかし、自己犠牲を表現しながら、返す刀で他者を蔑める技法を取るだろうか。もはや、読み手の感性による、としか言えない。勿論、読み方は一通りではないから、面白い。ベストセラーだからこそ、議論が盛り上がるのも良いのだろうか。しかし、我知り顔は、頂けない。そして、佐藤優の解釈に何とも言えない違和感を感じながらも、読んだ本が手元に直ぐ見つからぬために、自らの感性を確かめる事ができない。いやはや、これは、フラストレーションである。 -
既読の本が、多かったので読みました。佐藤優さんの読み方と自分の違いがわかったのは収穫でした
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明治期から現代までのベストセラーを通して国民の知的指向性を分析しつつ、日本の歴史をより深く理解しようという試み。3つのカテゴリーに分かれてはいるものの、紹介順序に規則性がなくランダムに紹介されているため「歴史をより深く理解」という目的は果たせていないように思える。
元々は雑誌連載記事だが、書籍化するにあたってシンプルに時代順に紹介し、時代背景の連関が分かるようなスタイルにした方がよかったのではないだろうか。あとは著者の体験談が色濃く出ている箇所が結構あるので、著者のファンでないとウンザリするかもしれない。 -
●失敗の本質。日本の企業、官庁などの組織が持つ長所と短所について、バランスよく解明した古典的名著。1984年に刊行。
●ジャパンアズナンバーワン。1979年。日本礼賛本ではなく「日本を軽視するのは危険だ」と警鐘を鳴らした本。 -
外務省NC職員で未来の要人に深夜押しかけウォッカ人脈でのし上がった佐藤優は外交経過を断絶させる田中真紀子と闘い、鈴木宗男&自らの入獄と引換えに真紀子を解任させ外交の最低限の継続性を維持したと自負する。保釈後、ロシア語仲間の米原万里を訪ねると何も言わずに長時間手を握って…「あなたは自分の体験を書くといい。作家になれる」
朝日新聞は安倍元首相の遊説日程が非公開となったことに「野次られるのが怖いのか」と批判、一転公開となった。
同紙川柳欄の空恐ろしい安倍元首相暗殺賞讃。まるで交戦中の敵国のような言論の自由。文藝の政治性ここに極まる。金正恩の死んだ時が楽しみだ。