因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163915968

作品紹介・あらすじ

「人工知能の巨人」が放つ「なぜ?の科学」の革命的な入門書!

「私自身、この本の解説を書くことが憚られるくらいの凄い内容」

     ――松尾豊氏(人工知能学者・東大大学院教授)絶賛!

米Amazonでは1256レビュー、4.5★。ポピュラーサイエンスの世界的ベストセラー!

・今までの統計学では答えられなかった「なぜ?の科学」とは?
・それは3段の「因果のはしご」を使って説明できる
・著者は人工知能界のノーベル賞にあたるチューリング賞受賞!
・現在のデータ主義には限界がある。それを乗り越える「因果推論」とは?
・その商品が売れた理由をどう分析し、新たな儲けにつなげるか?
・公衆衛生におけるベストな選択肢の考え方とは?
・人間のように考えられる人工知能=強いAIはつくれるか?
・そもそも私たち人間はどのように「因果関係」を考えているのか?

統計学とデータ分析を超えた新たな学問の誕生!

人工知能と人類の未来を知るために、なくてはならない一冊。

データ分析、マーケティング、意思決定に携わるビジネスパーソンも必読!


〔目次より〕
序 章 「因果推論」という新しい科学
第1章 因果のはしご
第2章 シューアル・ライトが起こした革命 ─因果推論創世記
第3章 結果から原因へ ─ベイジアンネットワークの真価と限界
第4章 交絡を取り除く ─ランダム化比較試験と新しいパラダイム
第5章 タバコは肺がんの原因か?─喫煙論争の煙を吹き飛ばす
第6章 パラドックスの詰め合わせ ─因果のレンズで世界を見る
第7章 介入─険しい山を登るための強力な道具一式
第8章 反事実 ─「こうであったかもしれない」世界を考える
第9章 媒介 ─因果関係の背後にはどんな仕組みがあるのか?
第10章 ビッグデータ、AI、ビッグクエスチョン

感想・レビュー・書評

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  • 相関は因果を意味しないというのはほとんどの人が知ってます。では、実際にはどういうこと?また実験(介入)なしに因果を知るにはどうすればいいの??みたいな話を統計をベースに語ってます。とはいえ数式とかはあまり出てきません。いや、大量にでてくるが難しいことは全然ないです。数式というよりも、論理式みたいなかんじでしょうか?
    ベイズ統計の基礎がなんとなく身につきつつも、いわゆる哲学者の本とは違い(特に日本の哲学者は科学っぽいものになるとトンデモ率が半端ない)、ちゃんと統計の人が書いてます。一方で、統計というと最近の機械学習の話やらが期待されますが、そういうことやベイズ統計の応用の話などはなく、あくまでも因果推論の理論的な話にとどまってます。
    かなり分厚いですが、面白い一冊。統計大事とか言う人に特に読んで欲しい。(多分読まない)

  • 世界屈指の人工知能科学者が因果推論について、過去の事例や著者自身の経験・研究をもとに解説している。そもそも因果推論とはなにをすることか、人工知能の科学者がどうして因果推論について研究することになったのか、因果推論を蔑ろにしていた統計学者などの歴史、一貫して重要性を主張していた因果ダイアグラムの解説などさまざまなことが学べる。

    私自身、計量経済学を中心にデータ分析を学んでいたこともあり、もともと因果推論には関心があった。本書でも述べられていたが、伝統的に?計量経済学のほとんどの教科書では因果ダイアグラムを使われることがなかった。しかし、因果ダイアグラムを駆使することで、交絡・コライダー・媒介などを明確にできることが説明されていた。このことは非常にまなびになった。あの有名なモンティ・ホール問題も因果ダイアグラムで解説されている。
    データのみから情報を得るだけでは因果推論はてきない(因果のはしご一段目)。介入や反事実(因果のはしごの二段目、三段目)を扱うには、推論したい事象の分野についてよく考察できるだけの知識や経験が必要だと実感した。なお、観察データから純粋な効果(本書ではdo演算子が式にある問題)を推定できる方法も本書では解説されている(フロントドア調整など)が、これらもそれぞれの因果の向きや理屈を理解していないといけない。

    本書では因果推論をうまく扱えなかったがために間違った道に進み、多くの失敗(たばこや壊血病など)をしてきたことが紹介されている。私自身、本書の内容についてまだまだ理解不足なことばかりであるが、因果推論の考え方で正しい道の方向に向いていきたいと思った。

  • とても面白い本。「ですよね!そうするしかないですよね!?」という部分(因果ダイアグラムと、それが主観的にしかやりようがないという点)と「すいません、それもう少し詳しく書いてください」の部分(do演算子やバックドア基準、フロントドア基準のルール)があり、後者は別の本を読めばいいのだろうか。練習問題があるといいな。

    自分がやりたいこと、知りたいことを突き詰める方法があるんだと知れてよかった。

  • むずい・・・

  • 図書館で借りた。
    因果を出せれば最強だな

  • 『入門 統計的因果推論』を始めとした著書があり,因果推論では知らない人はいないであろうJudea Pearlの本が書店に積まれていることに驚いた。内容としては,Pearl流因果推論の道具を取り上げつつも一般人向けに物語を仕立てたものとなっている。

  • 因果推論について。シャノンの情報理論に始まり、人間の情報処理方法をデジタル処理するための技法は情報技術を大きく進歩させる。本書で語られる因果ダイアグラムは強いAIの飛躍的進歩を予感させる。因果とは相関や回帰に類するものと勘違いしていたがx<->yとx→yの大きな違いである点がよく理解できた。因果のはしごにおける介入の実施と交絡の排除と媒介の特定と反事実の検証、これらのプロセスを詳らかにし、 因果ダイアグラムとP(Y⎹do(X))という式で記述できるようになったということは、まもなくのシンギュラリティ到来を予見させワクワクさせられる。

  • 複雑怪奇

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