坂の上の雲 一 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1999年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167105761

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計2000万部、司馬遼太郎記念財団によるアンケート〈好きな司馬作品〉第1位にも輝いた、不滅の青春文学。全8巻。

明治維新をとげ、近代国家の仲間入りをした日本は、息せき切って先進国に追いつこうとしていた。

この時期を生きた四国松山出身の三人の男たち――日露戦争でコサック騎兵を破った秋山好古、日本海海戦の参謀秋山真之兄弟と、文学の世界に巨大な足跡を遺した正岡子規を中心に、昂揚の時代・明治の群像を描く長篇小説!

スペシャルドラマ〈坂の上の雲〉がNHK総合テレビにて放送!
(2024年9月8日より 毎週日曜 午後11時~/全26回)
出演:本木雅弘 阿部寛 香川照之 菅野美穂

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

明治時代の激動の中で、三人の男たちの青春が描かれた作品は、歴史の中での人間の生き方や価値観を深く掘り下げています。特に秋山好古のミニマリスト的な生き方や、兄弟の対話から得られる人生の指針は、読者に強い...

感想・レビュー・書評

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  • Kindle Unlimitedで何となく読み始めた。

    途中まで惰性で読み進めていたけれど、秋山好古のミニマリストぶりが面白くて、ハマる。

    人物の表現が絶妙。

    特に名言でも何でもないフランスの老教官の言葉に感銘を受けた。

    「君が天才であろうとなかろうと、この場合たいしたことではない。たとえ君が天才であっても君は最高司令官に使われる騎兵であるにすぎない。要は君の使い手が天才であるかどうかということだ」

    秋山好古、もっと登場して欲しいな。
    『坂の上の雲ミュージアム』に行ってみよう。

  • この小説は、明治維新以降の近代を取り上げた歴史小説であり、第一巻では日清戦争について書かれ、のちに日露戦争について書くことになるという著者の予告もある。

    日清戦争についての記述のところで、著者の「他の科学に悪玉か善玉かというようなわけかたがない。歴史科学の不幸は、むしろ逆に悪玉と善玉をわける地点から成立してゆくというところにある」と述べている。著者は、歴史を科学としてみよう、主観的でなく、客観的にとらえようというスタンスなのだなと自分は理解した。

    これから長旅となりそうなので、一巻、一巻、流れをしっかり押さえてながら読み進めたいと思った。

    第一巻は「春や昔」の章から始まる。
    「春や昔十五万国の城下かな」という正岡子規が故郷松山をうたった句からつけられたタイトルで、物語は明治維新前後の松山の風景から始まる。

    物語の主人公は、後に陸軍大将として世に名を残した秋山好古、同じく海軍軍人として名を残した秋山真之の兄弟、そして俳句、短歌の世界に革新をもたらした正岡子規の3人のようである。

    この第一巻では、信さん(秋山好古)、淳さん(秋山真之)、昇さん(正岡子規)と呼ばれていたころの生い立ちから描かれている。

    明治維新という歴史の大きな転換点を迎え、日本という国が西洋化に大きく舵を切り、国民はどのように生きていこうかと模索していた時代であったようだ。

    兄・好古は、貧しい家庭を支えるために、教員となり、官費で通える師範学校へ行き、さらに官費で通える陸軍士官学校から軍人となり、給金を実家に仕送りして、弟・真之の進学の援助も行った。小説の中では温厚だが、豪胆さも兼ね備えた、長男の責任感を感じさせるキャラクターとして描かれている。

    一方、弟・真之は、次男にありがちな腕白坊主として幼少期が描かれている。すばしっこく、頭の回転も要領よいが、この兄にだけは頭があがらないといった人物イメージだ。

    そして、真之と子規は、「淳さん」「昇さん」と呼び合う親友であったが、幼少期は真之は活発なガキ大将、一方の子規は、一風変わった文系のリーダーだったようだ。子規は独自で新聞を作るために仲間を集めたりしていたが、誘われた真之は、自分の性には合わないときっぱり断ったというくだりがあった。

    好古は、陸軍の中でも「騎兵隊」の道を選択したが、この「騎兵」という戦術が、有効なものなのかどうかこの時点ではわからなかっただろう。

    当時の政府の方針は、海軍は「英式」、陸軍は「仏式」とされており、好古もフランスの騎兵を学んだが、皮肉なことに日本の陸軍は、フランス式からプロシア式へと移行していく。時の戦いでフランス軍がプロシアに大敗したからである。

    そのような流れの中でも、好古は、乗馬技術についてプロシア式よりフランス式のほうが実戦に適していると分析しており、あるいはジンギス汗やナポレオンのような大陸の騎兵の天才だけが使いこなせる戦術であるという常識の中でも、日本の源義経や織田信長の騎兵についてもその有効性を認識していたりした。独自の視点をしっかりと持っていたということだ。

    弟の真之は、親友の子規とともに文学の世界を目指そうとするが、兄の誘いにより、方向転換し「海軍」への道を選択する。海軍兵学校での成績は抜群で、教官の出す試験問題までも予測し、後輩に「傾向と対策」まで準備するほどであった。

    教官側の視点(つまり高い角度からの視点)で物事を観る資質や、ヤマの的中率が高かったことから、戦いに対する優れた直観力なども持ち合わせており、このころから将来の活躍の片鱗がうかがえるようでもある。

    子規は、病弱である。
    自らの強い意志により、18歳で東京大学予備門にはいり、俳句を作り始めていた。寮生活をしていたが、鎌倉で喀血をし、医者にいったところ肺結核と診断された。当時の肺結核は死病と呼ばれていた。

    それでも子規は、それに打ちひしがれる様子もなく、俳句に打ち込み、このころ興味をもっていたベースボールなども行っているのである。ベースボールのことを「野球」と表現し、「打者」「飛球」「死球」なども子規による造語であることは有名だ。

    しかし空気感染の結核感染者が、こんな風で周りは大丈夫だったのだろうか?変な疑問がわくが、当の本人には予想外に深刻さがなく、どういう神経の持ち主だったのだろうかと思う。

    その後、子規は療養の後、再び東京で新聞社に入社し編集の仕事をはじめ、母と妹も東京に呼び寄せる。このころから日本は、日清戦争に巻き込まれていき、子規も病弱ながら従軍記者を希望するのである。

    さて、「日清戦争」の勃発。これは朝鮮をめぐる清国と日本の覇権争いがきっかけだが、当時の国の規模からして、これは全く日本には勝ち目のない戦争との認識であった。

    当時の日本は、西洋に400年の遅れをとって、西洋化を始めたばかりの小国であり、米英仏独露の列強からみれば、「巨獣の中の虫ケラ」と呼ばれていた。当然、軍事力をみても、清国は最新式の巨大軍艦を保有する大国であり、老朽艦や鉄骨木皮艦、あるいは鋼鉄艦でもこぶりの軍艦しかもたない日本の軍事力とは、比較にならないというのが実態であった。

    しかし、朝鮮は日本の実質的な防波堤的存在であり、朝鮮を他国に奪われることは、次の滅亡を意味したことから、東学党の乱をきっかけとした清国との覇権争いには、対抗せざるをえなかったのである。

    無謀な海戦であったが、結果として、様々な条件が日本に予想外の勝利をもたらしたと言えるのではないか。著者の分析は次のように記されていた。
    ・もともと戦いに対する士気が、日本軍と清軍には大きな差があった。戦に命を懸ける日本兵の士気が高かった。
    ・清海軍の司令官・丁汝昌は、優秀で勇敢な司令官であったにも関わらず、軍編成に問題があった(指令側がイギリス人であったため兵士との言語的コミュニケーションがとれなかった)。
    ・軍隊規模は清国が優勢であったが、実際に出動した軍隊はその一部であり、実質的な軍事力は互角か、日本側が若干優勢であった。
    ・清国側は、陸軍と海軍の連携が最悪であった。

    日本側の司令官・伊藤祐亨は、丁汝昌に同情さえしている。

    もう一つある日本の勝因は、戦術にプロシア主義を取り入れたことである。プロシア主義は、「戦いは先制主義」「はじめに敵の不意を衝く」「諜報」といった、姑息と思える戦術であり、太平洋戦争で用いられていたものである。本書を読んで、太平洋戦争のあの日本の戦い方の起点がここにあったのだと知ることができた。

    同じく、軍隊の権限が国家を超越するというのも、プロシアの方式のようで、これまた太平洋戦争下の陸軍の暴走などもここが出発点だったのだなと思った次第である。

    それにしても、読みやすい文章ではあるものの、内容が濃いため読み進めるのに時間が必要だなぁ、というのが第一巻の感想である。

  • 【あらすじ】
    明治時代初期~日露戦争まで。
    国力を上げようとしていく日本を舞台として、旧松山藩で軍人の秋山好古・真之兄弟と、俳人である正岡子規を中心とした物語。


    【内容まとめ】
    1.好古と真之兄弟の兄弟関係は上下関係が厳しいが、好古は素晴らしい兄であろうと努め、信頼し合っている。
    2.正岡子規の優等生ではない感じが意外。友達思いの、ただの面倒くさい悪がき。
    3.隣国の熾烈な土佐藩と違い、松山は話し方を始め非常に穏やかな国風。


    【感想】
    司馬遼太郎の代表作「坂の上の雲」遂にチャレンジ!
    1巻は登場人物たちの紹介や幼年期~大人の始めまでしか描いておらず、歴史背景も日清戦争まで行っていないこともあって特に面白くはなかった。
    また、「竜馬がゆく」や「翔ぶが如く」と比べ、主人公たちがマイナーなところがやや面白みに欠けた。
    あと、各登場人物の晩年が既に語られているため、楽しみがないなぁ・・・(司馬遼太郎の作品はそういう傾向にあるから仕方ないが。笑)
    ただ、好古の性格はとても格好いいし、これから日清・日露戦争に舞台が移って行くと面白くなっていくのだろうなと期待ができる。
    結論、今後の話の流れに期待!ってところだな。

    ドラマもキャストが面白そうだから是非見てみよう。


    【引用】
    p41
    「世間には色んな人間がいる。笑って腹中に呑み下すほかない。」


    p58
    「人を故なく罵りなさる以上、命をお賭けになっておるのじゃろと思いますがな。
    私もここで命を捨てる覚悟がでけ申したけん、チクと表においでませ」


    p130
    珍しいほどの美男であったが、好古は何が嫌いといっても自分が美男と言われることほど嫌いなことはなかった。
    この人物は目的主義であり、美醜(びしゅう)は男にとっても何の意味も為さずと平素から言っていた。
    男にとって必要なのは、「若い頃から何をしようかということであり、老いては何をしたかということである」というこのたった一言だけを人生の目的としていた。


    p166
    元々、子規という少年には哲学趣味がなかった。
    上京してきた頃には、大物政治家になろうと思っていた。「だから大学では法律をやる!」

    ところが、子規はだんだん成長している。
    「あしは、あの荘子(そうじ)の講義にはびっくりしたぞな。」
    「荘子は、『人間とは何か、世の中とは何か、生命とは何か』を考えさせる。」
    このため大学では法律をやらずに哲学をやろうと思った。大物政治家の夢は簡単に破れた。

    しかし、同じ大学生の米山保三郎(やすさぶろう)という哲学者との対面の印象で打ちのめされ、哲学者を諦めた。


    p201
    真之「兄さん、伺ってもいいですか。人間というものは、どう生きれば?」
    好古「俺は、単純であろうとしている」
    好古「人生や国家を複雑に考えてゆくことも大事だが、それは他人に任せる。それをせねばならぬ天分や職分を持った人がいるだろう。
       俺はそうゆう世界におらず、既に軍人の道を選んでしまっている。
       軍人と言うのは、己と兵を強くして、いざ戦いの場合、この国家を敵国に勝たしめるのが職分だ」
    好古「だから、いかにすれば勝つかということを考えてゆく。その一点だけを考えるのが俺の人生だ。
       それ以外のことは余事であり、余事というものを考えたりやったりすれば、思慮がその分だけ曇り、乱れる。」

  • 初めての司馬遼太郎。
    もともと学校の授業では日本史が好きだったがこれまで小説を読むという習慣がなかったため、作家の名前は知っていたものの読む機会がなかった。
    この一年、色んな本を読み漁る中で、今村翔吾氏の作品を通じて歴史小説、時代小説の面白さを知り、また小説を読むことで当時の時代風景や人の価値観を感じれることに魅力を感じ、
    歴史小説といえば司馬遼太郎でしょ!ということで
    この本を買ってみた。
    やっぱり面白い。文体は硬く話のテンポは細かく感じ難しく感じるところはあるが、随所に刺さる言葉や当時の価値観を強烈に表現されていて読み応え抜群。
    特に弟が兄に「人間とはどう生きるべきか」との問いに「難しく考えず、単純であろうとしている」と答え
    生き方について迷うことなく自分の選んだ道でどう力を発揮するかを考えるに尽きる。
    といったような人生指南を自分自身にされているような感覚がたまらなかった。
    まだまだ物語は序盤でどうなっていくか。
    大河ドラマを見ているように3人の主人公達の人生を追っていきたい。

  •  「坂の上の雲」先日、テレビドラマで再放送をしていた。
     大分前から積読に成っていたので、この際、読むことにした。
     ドラマの方は第一話しか見ていないが、本書の内容とほぼ同じだった。
     時代は明治に成って、まだ間もなく、旧幕府時代の慣習がまだ色濃く残っていた頃のお話。
     日露戦争でコサック騎兵を破った、秋山好古。日本海開戦でバルチック艦隊を破った、参謀の秋山真之兄弟と、俳人の正岡子規の四国松山での青春時代を綴っている。
     明治に成って、今までの封建社会のような身分に因われることが無くなった。
    学問が出来れば立身出世が出来ることに成り、若者は競って学問をした。
     日清戦争での勝利、日露戦争の勝利と、負け知らずの日本の国民は有頂天に成り、太平洋戦争で大敗北をする。
     ともかくも明治という、この時代の人々は近代日本を作ろうという熱気で近代日本の礎を築いた。
     本書は、明治時代の熱気を秋山兄弟、正岡子規に焦点を当て俯瞰することに依って紐解いている。

  • 大学受験が終了して 日本史大好きだったこともあり 気になっていた作品だったのでスラスラと読めました! 教科書では、多くの偉人は有名になった頃の様子が描かれているが この作品は ある2人の兄弟を中心に 例えば 高橋是清や 山縣有朋などが
    出世していく過程を垣間見ることができ
    想像していた人柄と違ったり 同じだったりと
    大変面白かったです!
    大学受験で 日本史を頑張った人にとってこれほど
    読んでいて興奮する作品はないと思います!
    是非読んでください!!

  • ▼恐らく人生三度目の「坂の上の雲」通読。初回は高校生の頃か…二度目は三十代だった気が。五十代の今回、過去最大に面白い。▼1巻は秋山兄弟の貧しさ、そして明治の国作りの混沌。語り口が、あざといまでに娯楽的。そして、松山が魅力的。愛媛県にとっては、ゼロ円で最高の宣伝だなあ。

  • 日本史で勉強した人がちらほら出てくるので、読んでいて楽しい。

    飛鳥山の下りとか、エピソードのセンスがいいなと思った。

    歴史上の事実を追う本なのに、今も変わらない人間らしさみたいなものと、明治初期独特の風潮を感じられて、読んでいて飽きなかった。

  • 今年は夏までに坂の上の雲を読もうと決心した。YouTubeでドラマのサントラを聴きながら読むとなんともいい風が吹いてきそうな気分。

  • 感想は(八)へ

  • 先日訪れた、松山の坂の上の雲ミュージアムでとても興味を惹かれたので、帰ってきてすぐポチった坂の上の雲全8巻。

    歴史小説に昔から疎いこともあり、
    恥ずかしながら司馬遼太郎さんは初読なのだが、1巻を読み終えた現時点では思ってたんとちょっと違っていた。
    もっと劇的でドラマティックな筆致なのかと勝手に想像してたんだが、小説だということを忘れそうになるくらいドキュメンタリータッチでドライだな、と思った。

    さてさて、さっそくこの1巻、
    本編の感想。

    正岡子規については、学生時代の勉強でふんわり知っており松山在住の頃にも馴染みのある偉人ではあったが、秋山兄弟については数年前に聴いてめちゃくちゃリピートしているCOTEN RADIOの日露戦争編で知ったぐらい。
    物語はこの3人を中心に、明治維新から近代国家への仲間入りを標榜し、国民国家へと激動する明治日本を描くというのが主眼。

    何年か前にドラマ化もされていたけど、確かにドラマ化されるわーって思えるほど本当に面白いし、何より勉強になる。
    読んでいる時間、令和の今の価値観が足元から崩される快感を何度も覚えた。

    あと、わりと軽視しがちな自分の歴史認識の不明瞭さを、土台から照らしてくれるような豆知識にうなる。
    騎兵の章なんかは特にそれを強く感じたし、こういう新しい知識から義経逃亡後のチンギス汗伝説が囁かれた原因てコレなのでは?みたいな仮説も自分なりに思いついて、知的好奇心が爆上がりした。

    それにしても明治20年代になっても藩意識が普通に強いところとか、私が思っていた以上に日本の国民国家化というのは歴史が浅いんだな。
    この事実になんだかとても興奮した。
    主要人物3人のキャラクターも立っていて、この先の史実として、既知の事象に、この物語の中で各キャラクターがどう振る舞うのか楽しみだ。
    これはドラマも観たい…。

    物語は子規が病床についたところ、好古はフランスにいて、真之はイギリスへ軍艦吉野を回航しにいくところで2巻へ続く。

    …全8巻か。

    暫くは他の本、
    身を入れて読めないかもなー。

  • 歴史小説と聞くと何か堅苦しいイメージがあったので、これまで読んだことがなかったが、とても読みやすかった。歴史小説の良いところは歴史をタテではなくヨコに深く学べるところだと思う。歴史的名著である分、内容も面白かったしおすすめです。

  • 「竜馬がゆく」「燃えよ剣」「峠」と、幕末小説を読み終わり、いざ明治へ。

    時代はこうも変わるものだろうか。
    幕末は、薩摩・長州・土佐や幕府など、あくまで「国内」が舞台だった。けれども時代変わり、舞台は一気に「世界」へと変わっていく。

    身分も「士農工商」だけでなく、学者や政治家、軍部など、バラエティに富みはじめる。

    この第一巻が、大体、明治20年前後までのお話。だからたった20年で、国民も、国も、世界も、こんなにも変わってしまうのである。

    その時代の変化の、いかに激しいことか。ずっと幕末小説を読んでいたから、その変化のスピードと量に、驚いてしまった。

    これから先、明治時代はどのように動きを見せていくのか。知識があまりないだけに、展開が楽しみである。

  • 「男子は生涯一事をなせば足る」という言葉が印象的でした。

    作中の人物の多くは立身出世を目指していて、時代もあってか勢いを感じる。

    翻って、今はどうだろう?と考えていました。

    「出世したい」「もっと給料がほしい」

    そんな風に語る人は減っているように思いますし、かく言う私もそれらにはさほど欲がありません。

    どちらが正しいということはないでしょうが、今となっては、本書で描かれるような「俺が世の中を動かすんだ」くらいの気概を持つことは大切なのかもしれないな、と考えた次第でした。

    私にとっての「生涯をかけて成す一事」は何だろう?

    常に考えて過ごしていきたいと思います。

  • 久しぶりに司馬遼太郎氏の長編を読む。明治の世にいるような錯覚をおこすほど文章に入り込めた。
    人物の描写、その土地土地の描写、艦隊の描写。
    取材にどれだけかかったのだろう。
    次巻もまた楽しみである。

  • 初めて司馬遼太郎作品を読んだ。
    引き込まれる感じはしないけど、文章がさっぱりしていて読みやすかった。

    明治という社会に日々変化が起きている中で自分の適性を見極め、勉強して、立身していく姿は見ていて気持ちいいし、魅力的。

  • 中学生以来に読む司馬遼太郎作品。
    当時「燃えよ剣」を、飽きながらも頑張って読了し、そのしんどかった思い出からなんとなく避けていた彼の小説。
    最近になって近現代に興味を持ち、この本を手にとってみたところ、まさか読み易くて面白い。
    立身出世目指して幼いころから野心を滾らせ、ひたむきに疾走していく登場人物たちの姿はシンプルで良いなぁと思った。

  • 何回読み返したかわからないくらい。大好きです。

  • 再放送を見てたら、読みたくなった。秋山兄弟、子規の時代、大変な時代をよく知りたい。松山にまた行きたくなった。

  • 我が国の近代化のあけぼのをこれほどユーモアたっぷりに描いた作品は他にないと思う。「まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている。」というその出だしからして、この先の物語展開が楽しみで仕方ないという気分にさせてくれる。
    日本の近代化はすなわち軍国化・帝国化であるが、この第一巻はそのような風雲をまるで感じさせず、好古が師範学校に入るくだりも、騎馬の兵士になるくだりも、どこかでうぐいすが鳴いているような、淡い春のような空気が漂っているのがまた面白い。伊予弁の会話もほのぼのとしていて心が和む。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

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