緋い記憶 (文春文庫 た 26-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167164058

感想・レビュー・書評

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  • ①緋い記憶②ねじれた記憶③言えない記憶④遠い記憶⑤膚の記憶⑥霧の記憶⑦冥い記憶

  • 記憶をテーマにし、作者の東北の故郷を舞台にした物語が連なる短編集。各話の主人公らはふとしたことをきっかけに自分の過去の記憶を掘り下げることで、忌まわしい事実が明らかになっていく。焦燥感と緊張感に飲み込まれて、ぞわぞわしながらいっきによみました。

  • ちょっと背筋が寒くなるような記憶の短編集。
    怪しげな人々が集まるバスツアーの「冥い記憶」が面白かった。

  • 記憶に纏わる短編集。ゆっくりと背筋が冷えてくような話。文章は映像や音よりも忍び寄るように恐怖をひそませてくる気がする。恐ろしいだけでなく不思議でほの悲しい後味。

  • 第106回直木賞受賞作。

    7編の短編集。
    言って見れば、『世にも奇妙な•••』的な内容で、最後にゾーッとする系。
    直木賞の評価ではタイトルになった『緋い記憶』よりも『ねじれた記憶』の方が高評価の様子。

    舞台は作者の地元である盛岡が中心。

  • 2014/03/16購入
    2014/03/20読み始め
    2014/03/26読了

  • 記憶をテーマにした短編集。 読み易くてオモロかったです。 古い記憶・忘れてる記憶を辿って真相に行き着く。でも、記憶を辿る過程で自分自身の思い込みと周りから与えられる情報で新たに記憶を書き換えた可能性は無いんやろか?と考えると読後は少し不安になった。 どれも少しゾッとして好きやけど『霧の記憶』だけは途中で読むのがちょっと面倒になった。でもオススメの1冊。

  • 忘れていた記憶を少しずつ思いだし真実が分かる恐い話短編集。切り口としては面白いが、すべて同じ流れで、面白さとしても物足りない。

  • 記憶に纏わる7編の短編集。
    直木賞受賞作。
    ミステリをベースにオカルトの風合いも感じさせる内容でした。
    東北が舞台で時代設定が一昔前ということも手伝って、ほのかに郷愁を誘います。
    時間の経過と共に曖昧になっていく記憶や、自覚の無いままに封じ込めた記憶。
    人は様々な理由から自分にとって都合の良い形に記憶をねじ曲げる事がありますが、正しい記憶を呼び起こされ真実が紐解かれた先に待つ戦慄はなかなかに面白かったです。

  • これは、面白かった~。
    読んでて背中がゾクゾク、心臓がバクバクしてました。
    これは、直木賞とって当たり前といえる作品。
    短編っていまいち苦手だったりすんだけど、これは一編一編が内容の濃いものになってるので短編で正解。これ以上に長いと心臓が持たなかったかも(笑)

    ★緋(あか)い記憶
     30何年か前にあったはずの家が地図に載ってない。その真実を求めて、久しぶりに故郷を訪れる。

    ★ねじれた記憶
     ひょんなことで懐かしい人里離れた宿に泊まりに行く。実は、そこは母親が自殺した宿で、たまたま自分と同じ名前をもつ子供に出会う。。。
    これは私のお気に入り。読んでてすっごく怖かった。

    ★言えない記憶
     昔、一緒に遊んだ仲間たちとの再会。いつの間にかに、あの日缶蹴りの思い出がよみがえって。。。しかしその真相は。。。

    ★遠い記憶
     取材のために昔生まれ育った土地に戻ってきた主人公は、昔一緒に遊んだ女の子と再会する。しかしその裏に隠されていた記憶とは。。。

    ★膚の記憶
     食中毒を起こしやすい主人公は、自分の食中毒の原因は飲み屋でもらうミネラルウォーターだとつきとめ、その水源に行ってみる。そしてその背景に隠されていたものは。。。
    これも結構好き。自分の存在の意味を問われるようなミステリアスさがたまらない。

    ★霧の記憶
     学生の頃に旅をしたロンドンの話が30年後に復活してきて、事件の真相をしった主人公。
    これは、一番読み込めなかった話。なんだかな~。ちょっと単なるミステリーに終わってしまった感じが受け入れられなかった理由かな~?

    ★冥(くら)い記憶
     叔母たちと旅行をしてる間に、訪れる場所場所で次々と記憶がよみがえってくる話。
    怖い話だったんだけど、結局殺したのは誰だったんだ?壁から出てきた鬼ってなんだったんだ?
    なんか読み終わった後「???」って思った。。。


    この短編全部、東北が舞台になってるの。
    この日本の東北が今、被災してる最中にたまたま手に取った本が東北が舞台。
    なんか因縁めいたものを感じます。
    でもね、本の中ではホントに怖い印象のある東北地方も今は被災して、それ以上に怖い恐ろしい状態にあるんだよね。
    一日も早い復旧作業が出来、そして復興して、またこういう素晴らしい本の舞台になれるようにみんなで支援していきたいと思います。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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