- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167182366
感想・レビュー・書評
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百済の昆支王の腹心の部下であるムサノ青は、允恭天皇亡き後の王位争いに揺れる倭国へ、王とともに渡った。西暦461年のことである。
軽王子、穴穂王子らと面会した後、ワカタケル王子と会った昆支王は、彼に惚れこみ、青にその側近として仕えるように命じる。
同母の兄妹でありながら、軽大郎女と通じた軽王子をワカタケル王子は憎み、処分は死罪を主張していた。それに対する穴穂王子らの決定は、伊予への流刑だったが、納得できないワカタケル王子は青の策を用いて、軽王子を自決に追い込むことに成功する。
穴穂王子(安康天皇)の即位後、次の王位を狙うワカタケル王子は魅力的な人物であり、紀小弓、東漢掬、木刕満致たちが心をよせるようになる。
そして、有力豪族や諸王子による合議制で政策が決することに不満をもつ王子は、市辺押羽王や葛城円大使主と対立していく。 -
やっと買いましたワカタケル大王!
中学時代から黒岩氏ファンのくせに、本書の存在は最近知りました。
黒岩氏の作品は読破していたと思ってたので嬉しかったです。
黒岩文学を読んで興味を覚えるまでは、継体以前の日本の歴史って曖昧模糊・まだまだちはやぶる神々の代健在…ってイメージだったんですが、知れば知るほど神代なんてとんでもないって感じですね。
本書は5世紀後半の倭の五帝「武」・雄略帝=ワカタケル大王を描いた小説です。
…が。私はぶっちゃけ、主人公のワカタケルよりも、取り巻きの…特に青たちに魅力を感じてしまっています。いつものパターンですね/笑
読み終わるのが寂しいので、大切に読みたいと思います。
稲荷山古墳の鉄剣も近々見に行こ。
読み終わり次第、感想も書きたいです。
(01/11 記)
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読了しました!
面白かった´Д`
でも読み終わってしまって、ほんの少し寂莫感に襲われています。
もう少しゆっくり読めばよかった!
ワカタケルの生涯にスポットを当てていると言うよりは、倭と、そして大陸の情勢を包括的かつ鳥瞰的に描いた戦記物で、軍事的駆け引きの描写が多く、記紀にあるような有名エピソード(乱暴&面白逸話)がほとんど無かったです。
そこらへんは残念´ω`
あと文章が突然一人称になって、眉輪王やワカタケルが語りだす辺りも不思議な感覚でした。
しかしそれに余りある、濃厚な策略&駆け引き、著者による独自解釈や、創作が満載で本当に面白かった。
その最たるものが、やっぱりムサノ青!
身狭村主青ですよね。
彼をあんな役どころにもってって、主役級に生き生きと描ける黒岩氏マジックに脱帽でした。
タミとのイチャコラは好き嫌いが別れそうですが、恋愛好きの私は楽しかったです*´∀`*
策謀・戦略の間の息抜きにもなりましたし、タミのじゃじゃ馬っぷりが可愛いかった。
青&タミ、いいコンビだー。
とは言え、股間に針のシーンは、女の私でもゾッ゚д゚;としました。
いやまじで。
しかし黒岩氏の男性キャラって、みんな男子中学生のように敏感ですよねー。笑
どっかの本で、古代人は現代人とは比べ物にならないぐらい生殖本能が激しかったとかなんとか読んだような気がするけど、…そういうことなんでしょうか´ω`*
うん。本書は全体的に、男のロマンが溢れています。
やっぱり黒岩氏の描く男性って魅力的だなー。
正直、ワカタケル大王=暴君ってイメージしかなかったけど、本書のワカタケルは勇猛ですが、それほど粗暴ではありません。
どっちか言うと、頭の良い戦略家兼軍事将軍でしょう。
「大悪天皇」「有徳天皇」両極端の評価・言われ方をしている雄略天皇の戦略物語、とくとご覧あれです。
来週あたり、稲荷山古墳の鉄剣みにいくどー。 -
全2巻。
や。
面白い。
黒岩さんの中で一番好きかも。
一番戦争もの。
今まで読んだ中で。
黒岩さんの戦争ものはちょっと薄かった印象。
古代だからか。
しかも王族が多かったからか。
さらっとしてた。
でもこれは描写が熱め。
戦国ものみたい。
物語としてもグローバルだし。
割と男臭い。
政戦も熱めで、
やっぱり戦国っぽい。
武将っぽい王子だからか。
たまに一人称が登場人物。
独白みたいな。
珍しい感じだったけど、そんなに嫌いじゃなかった。
最後とか無理にまとめた感は有るけど。
や。
面白かった。
古代史読んでて思うけど、
逆に古代の方がグローバルだったのね。
中世より。
みちのくより朝鮮とかのが近い。
不思議。 -
470年頃。応神大王の孫。謚号雄略。ワカタケル王子が大王の位を獲るまでの話。
ワカタケルの時代は,仁徳,応神の日本統一を武力をもって行った時代から,朝鮮半島の高句麗の南下を意識しつつ,倭の文化・武力を上げて国力を増強しなければならない時代となっていた。
ワカタケルは武勇に優れるだけでなく,中国大陸の技術や分化を貪欲に吸収しようとする新しい考えをもった王子だった。
ワカタケルの父王である允恭大王は葛城氏に半ば王権を乗っ取られているような感じすら思わせるほど,葛城の力は王権に深く入りこんでいた。仁徳大王の妃として葛城襲津彦の娘である磐之媛を入れた頃から葛城氏の発言力は大きくなっていった。
ワカタケルは専制君主となることを望んでおり,政治体制も臣や連など階級をきちんと整理することにより,自分の意思,命令が速やかに各豪族や地方に伝わることを目指していた。それには,葛城氏や旧体然とした勢力は滅ぼしていくしかなく,政的を次々と倒していくのである。
また,邪馬台国では巫女的な能力も国家運営に重視されていたが,ワカタケルは神は信じず,大王の命令を絶対とする中央集権国家を目指した。
本書はワカタケルが大王になるまでの話で,大王になってからどのような政治をしたのかは詳しく記述されていない。私としては,ワカタケルがどのような政治を実際に行ったのか興味が惹かれるところである。
全2巻。 -
ワカタケル大王は後の雄略天皇、倭の五王・武である。
允恭天皇の末の王子として生まれ、
荒々しく勇猛な性格である一方、
豊かな学識を持ち、世界情勢に目を向け
倭国の国家の基礎を築いた英雄である。
倭国の将来を想いその志を貫くために、
政敵を次々と倒し大王になるまでの物語。
黒岩ワカタケルは、歴史史料で言われているような
冷酷非道な王ではなく
人間味溢れる魅力的な人物として描かれている。
いっつも思うことだけど、
黒岩重吾の古代ヒーローはほんとにかっこいい。
そして主人公を囲む人達もとても魅力的。
もちろん歴史の知識も相当なものだし、
権力争い云々のシーンもすばらしい。
でも黒岩作品の何がすごいってその人物像だと思う。 -
古代
ワカタケル