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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167192303
作品紹介・あらすじ
北国の藩、筆頭家老暗殺につかわれた幻の剣「馬の骨」。下手人不明のまま六年過ぎ、密命をおびた藩士と剣士は連れだって謎の秘剣をさがし歩く。オムニバスによる異色作。(出久根達郎)
感想・レビュー・書評
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これはすごい!面白かった!!
ネタバレは書かないけど、出久根達郎さんの解説まできちんと読んで、「えっ?そうなのか?そうだったのか!?」と…僕は出久根さんのいう「読み違えていた読者」の一人です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
藤沢周平の連作時代小説『秘太刀馬の骨』を読みました。
藤沢周平の作品は昨年5月に読んだ『新装版 霧の果て―神谷玄次郎捕物控』以来なので、約1年振りですね。
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北国の藩、筆頭家老暗殺につかわれた幻の剣「馬の骨」。
下手人不明のまま六年、闇にうもれた秘太刀探索を下命された半十郎と銀次郎は、藩内の剣客ひとりひとりと立合うことになる。
やがて秘剣の裏に熾烈な執政をめぐる暗闘がみえてくる――。
藤沢時代小説の隠れた傑作と称される中篇集。
表題作の他、「献金隠し」「下僕の死」「拳割り」「甦る対決」「御番頭の女」「走る馬の骨」を収録。
解説:出久根達郎
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1990年(平成2年)から1992年(平成4年)にかけて連載され、1992年(平成4年)に刊行された作品……2005年(平成17年)にはNHKの「金曜時代劇」でテレビドラマ化もされているようですね。
■秘太刀馬の骨
■献金隠し
■下僕の死
■拳割り
■甦る対決
■御番頭の女
■走る馬の骨
■解説 出久根達郎
北国の某藩で、筆頭家老が暗殺された……暗殺につかわれたのは、幻の剣「馬の骨」、、、
下手人不明のまま、それから6年……闇にうもれた秘太刀の探索を下命された半十郎と、その上司の甥で江戸からやってきた銀次郎は、ソリが合わぬまま、藩内の剣客ひとりひとりと立ち合うことになる。
「馬の骨」を伝授された者はだれか? 一体どのような剣なのか? やがて秘剣のうらに熾烈な政治の暗闘がみえてきて……“下手人さがし”というミステリーの味わいも深い、藤沢時代小説の傑作。
秘太刀「馬の骨」の伝承者を探し出すことと家老・小出帯刀が執拗に「馬の骨」の遣い手を捜し出そうとする真意を探るミステリ要素、帯刀から秘太刀「馬の骨」の伝承者を探し出すことを命じられた浅沼半十郎と帯刀の甥・石橋銀次郎や「馬の骨」を伝承していると思われる不伝流矢野道場の高弟たち、政争の火種がくすぶる藩の関係者たち等の人間模様を描いたビューマンドラマ要素、そして銀次郎と矢野道場の道場主や高弟5人との対決を描いたアクション要素のバランスが絶妙で、そこに意外な伝承者が明らかになる終盤の展開にカタルシスが味わえるエンディングが加わり、とても愉しく読めました……面白かったですねー 登場人物の複雑な心情や緻密なプロットの魅力に藤沢周平作品らしさを感じました。 -
秘太刀の遣い手を探す過程を一緒になって探す気分にはなるがやや退屈してしまった。
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主人公の半十郎は、家老に命じられ、その甥の銀次郎と秘太刀「馬の骨」の遣い手探しに協力することになります。
読み始めた時は短編集かと思いましたが、お話ごとに繋がりがある連作短編といった作品でした。
途中までは淡々と読んでいましたが、途中から馬の骨の秘密に引き込まれました。巻末の解説を読むと、遣い手の正体には別の解釈もあるようですが、それ以上にラストの清々しさが爽快な作品でした。 -
とても面白かった。時代小説でありながら文体は現代的で新鮮、ストーリーははらはらするミステリーを思わせる。『秘太刀 馬の剣』の伝承者は誰か、馬の剣にまつわる藩の秘密はなにか。最後までワクワクしながら読めた。ただ、最後に馬の太刀の使い手を著者が明らかにしたと思ったのに、それは見せかけで、真の使い手は思いもかけない者だと解説者が説いていたのには、少々驚いた。
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藩の要人の暗殺に用いられたという秘大刀「馬の骨」。その遣い手を探るよう命じられた筆者。次第に明かされる藩の実態。
五十を過ぎて藤沢周平に本格挑戦。第二弾で選んだのがコレ。ちょっとミステリー調。
何より藤沢周平は季節の情景と女性を描くのが実にうまい。また文章だけでは難しいだろうチャンバラの場面も臨場感豊かで見事。
この作品も海坂藩が舞台。 -
歴史ミステリー小説ともいえるのだろうか、秘太刀、「馬の骨」を伝授した者を探し出すストーリー。
藩内の政争がテーマであり、ストーリーの中で登場する人物を追いながら当時の藩の運営、武士の振る舞い等、知ることも興味深い。
武士にとっては生死は身近なものであるが故に、ストーリーの展開に緊張感があるし、また武士が義の世界に生きるところに、爽快感を得ることができる。 -
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難しい言葉使ってないのに情景の表現が上手で毎度感心する。
全体像が見えやすくて読みやすかった。
誰が馬の骨の使い手なのかっていう謎も楽しめる。
面白かった。 -
本作品、藩内の内紛を解き明かすべく奔走する藩士達の剣士としての顔と彼らの身の上にある家庭人としての煩いが混じり合って話は進む。
家族の問題を描きながら企業の派閥争いを描くドラマの時代劇版の様にも感じられた。
文庫版巻末、出久根達郎氏の語る秘太刀「馬の骨」真の伝授者については同意できない。 -
いつでも自分の命をささげる覚悟が求められる時代に自分が生まれていたらどんな行動を起こしていただろう・・・
世界で紛争が起きているが、やはり生まれてからの思想教育が非常に大切なのかな、と思った。
本書籍の感想とはずれます。 -
描写がお綺麗なんだなー
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2018.9.2(日)¥100(-2割引き)+税。
2018.9.20(木)。 -
秘太刀馬の骨を用いてバッサバッサとと剣客を倒して行く。なんて事は藤沢作品において有り得ないのは解っちゃいたが、ここまで極上のミステリーになってあるとは。改めて著者の懐の広さを感じる。
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正直、本作の秘太刀や『隠し剣シリーズ』(秀作!)など必殺剣(技)は、消える魔球の類のものだろうが、そうした奇想を盛りみつつも物語はしっかりした人間ドラマ(人情譚)に仕上っている。宮仕えする登場人物たちの社会環境・暮らしぶりや人間関係(しがらみ)などそのまま現代に通ずる近しさで、易く感情移入できる。良質の時代劇(時代劇にかぎらない良質なエンタメ作品)は浪花節を巧く物語に織り込んでいるものだけれど(その加減というか抑制と過剰が作品の質に大きく左右する)、本作読後感の心地よさは格別であった。
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