無名仮名人名簿 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277031

感想・レビュー・書評

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  • 先日、映画『あ・うん』を観たあと、原作との差分が気になって「向田邦子」の原作を再読しました。

    原作のほうがイイよなぁ・・・ と、改めて感じるとともに、久しぶりに「向田邦子」のエッセイを読みたくなったので『無名仮名人名簿』を読みました。


    「向田邦子」のエッセイって、日常での出来事や少女時代の家族のエピソードを、うまくユーモアに包んで描いてあり、とても親しみやすく感じるんですよね。

    うちの両親と同じ世代なので、私とは生きてきた時代が全く異なるのですが、、、
    感覚(価値観なのかな…)が近い感じがするのは、なんだか不思議です。

    彼女の生き方に憧れを感じているのも、親しみやすく感じる要因なのかもしれませんね。

  • 私も「席とり」苦手。共感。
    憧れ。

  • 大学目薬 なんだか懐かしい響きだ 確か 家にあったような…と朧げな記憶が蘇り ネットで調べたら 出てきた!懐かしいし 向田さんの エッセイで面白いし いいなあ向田さん。

  • にやにやしながら読んでしまう。楽しい一冊。

  • 何気ない日々の出来事、向田邦子さんの出会った人々のエピソードを綴ったエッセイ。
    向田邦子さんは脚本家で、俳優や有名な方々との交遊もある。
    だけど、そういう人々と普通の名もない人々をちっとも区別せずに公平に同じ人間としてこのエッセイには描いている。
    そこに好感をもちました。
    だから、このタイトルなのか・・・と読み終えて思いました。

    共感した幾つかの話を挙げると、「拝借」で、人の口紅を貸してくれない?という人の話。
    そういうのは全く気にしない人は気にしないんだろうけど・・・。
    見も知らない人間に口紅を貸すのは正直嫌だったと書かれてあり、そりゃそうだと思った。
    私も友達にそう言われて「嫌だな~」と思った事があるし、どこかに食べに行って別々のものを頼んだ時、「ひと口ちょうだい」と言われるのも嫌だと思う。

    また、落語を聞きに行った際、エレベーターの先頭に並んでいて、奥につめたため、席に座れずに納得のいかない思いになったというエピソードから始まる「席とり」という話にも共感した。
    そこで要領よく奥につめずに扉近くに陣取るという事ができない人なんだと思う。
    そして、その後二時間立ちっぱなしになり、ひいきの噺家が久々に出ていたのに笑えなかったという文章に好感をもった。
    そんな時でも笑えとか、心穏やかに・・・なんて書いた自己啓発本があるけど、私は「笑えなかった」向田さんはとても人間的だし、自然だと思う。
    そして、そんな事を正直に書けるのが素敵だと思う。

    そういった不器用できっちりした性格が感じられるエッセイで、それでいながらこのエッセイはカチッとして堅苦しい感じはない。
    ちゃんとしているけど、ちょっと抜けていてドジなエピソードがちょいちょい書かれていて親しみを感じる。
    また、文章は歯切れが良く、最初の一文から人を惹きつける。
    『自分は中流である、と思ってる人が九十一パーセントを占めているという。』
    『舗道にマスクが落ちていた』
    『女がひとりで小料理屋に入り、カウンターに坐ってお銚子を頼むのは、ひとりで外国旅行に出掛けるぐらいの度胸がいる』
    なんて何気ない文章から入り、何となく次を読みたいと思わせる。

    『小さなしあわせ、と言ってしまうと大袈裟になるのだが、人から見ると何でもない、ちょっとしたことで、ふっと気持ちがなごむことがある。
    私の場合、七味とんがらしを降ったおみおつけなどを頂いていて、プツンと麻の実を噛み当てると、何かいいことでもありそうで機嫌がよくなるのである。』
    こんな何気ないエピソードが好きです。
    こういうのを読むと、幸福とは幸せだと感じる心のことだとつくづく思う。

  • 「別に早稲田でなくたって、慶応もあれば立教もあるじゃないかと思うのだが、彼女はどうしても早稲田だという。」

    私も、別に早稲田でなくたって慶応もあれば立教もあるじゃないかと思います。

    他にもたくさん共感するところがあった。

    エレベーターの話とか。

  • 時代背景が伺える楽しみもあり、すいすい読める。
    向田邦子さん、すき。 

  • どんなん入ってたっけ?

  • 向田邦子のエッセイは秀逸である。
    さまざまなテーマで社会を見る切り口がよい。

  • 2007.12.19

著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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