- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167323066
感想・レビュー・書評
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3作目。麻雀で勝てない姿や負けを踏み倒そうとする哲の姿が坊やじゃなくなっていく。だが、それが妙にカッコいい。青春小説のような青臭さが薄くなるかわりに、アウトロー感が濃くなったのだ。こんなテイストもいい。
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博打打ち坊や哲の博打人生。自分の力だけを信じ、危険だが濃く生きる様はカッコいい。麻雀を覚えた大学生の時に読むともっと感化されていたかもな。
私も含め現代男性にはこの自分の信じた物に掛ける、力を尽くすと言った濃さがもっと必要なのではないかと思う。 -
前作「風雲編」から時代はさらに進んで、昭和二十年代も末の頃でしょうか。
東京へ舞い戻った哲ですが、社会はさらに安定期に向かい、風来坊の自由人が腰を落ち着ける場所はますます少なくなっています。
ゴト師の世界も、裏社会に取り込まれ、組織化されて、一匹狼の勝負師が生きていけるところではなくなっている。
そういえば、反社会的とはいえ、ヤクザ屋さんたちも「組織の中の人」である点で、会社員と立場は変わらないんだなあと変なところで感心。
勇さんのように、組織に属しながらも一線を画しつつ、悠々と泳いでいく魅力的な登場人物も出てこないわけではありませんが、哲ちゃんの就職に象徴されるように、この巻は、勇ましいタイトルのわりにはこじんまりとしています。
その中で一人気を吐くのが、再登場のドタ健。
このアイデアとガッツ、典型的な起業家タイプで、虚業がまかりとおる今の世の中だったら、いくらでも活躍の場がありそうなものですが…。
ホリエモンもセショウ氏も、ある種のバクチ打ち。結局シロトをカモるみたいな格好になったのはまずかったけど、ツイてる間はさぞ楽しかっただろうな。