アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」 東條英機 処刑の日 (文春文庫 い 17-17)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167431174

感想・レビュー・書評

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  • 最近、あの戦争に関する本や映画をかなり見ているが、
    この本でもこれまで知らなかったことに気づかされた。

    憲法改正論議、沖縄基地問題、天皇の国事行為、アメリカ合衆国の世界警察など、報道機関から聞こえてくる表面的な話をただ受け入れるだけではなく、
    これまでの歴史や背景を知った上で自分の考えを形作ることがとても大事だと思う。

    最近だと、昭和16年夏の敗戦を読んだり終戦のエンペラーを観たりしているが、
    引き続きこういうものをみて知識を吸収していきたい。
    二度と戦争を起こさないために。

  • アメリカによる絨毯爆撃、そして敗戦。マッカーサーはホイットニーを連れ厚木に降り立つ。マッカーサーは早期武装解除の命をワシントンより受けている。そのためには天皇に責任を負わせることは避けようとする。しかし新憲法による戦争放棄と連合軍の他国が入り込む前に安定化する必要があった。
    話は30代の女性から祖母の日記の謎解きを依頼される。その女性は生活力がある子爵の奥さんであった。彼女はホイットニーの部下のケーディスに恋をした。ケーディスは新憲法策定の中心人物で東條の死刑の日が皇太子の誕生日ということも事前にケーディスから教えて貰っていた。

  • 年が明けたばかりだが、今年から12月23日を迎えるたびに、この本に書かれた事実を思い出すだろう。

  • 何気なく、天皇誕生日を過ごし、年末のいい三連休だと気楽に過ごしていたが、この本を知り、早速読んでみた。終戦後のGHQが日本と天皇家に埋め込んだことを、普通の日本人は忘れてしまっているが、天皇は覚えているのだろう。昭和から平成にかけて、我々に戦争の過ちを忘れさせないようにした巧妙な仕掛けだが、それを忘れてしまっている私はよほど愚かなのか。偶然の日の並びかもしれないが、こういうことは語り継ぐべきで、祝日と浮かれていてはいけないんだ。

  • これを読んだ翌週に、猪瀬さんが都知事選に出馬した。。(関係ないか)

    玉音放送から憲法制定の流れがわかる、軽く読めるドキュメンタリー。
    教科書では学ばない歴史が面白いです。

  • 東條処刑の日が現天皇誕生日に合せられたという点については、説得力があった。
    処刑時刻が秒単位で目的の時刻に合せられたということが導入部に書いてあったが、その割にその時刻の意味の説明がなかったのは尻切れに感ずる。調べたところ、今上天皇の生誕時刻は、その時刻とは大きく外れているようだ。

  • 終戦後のマッカーサーの思惑に触れることで、今上天皇の慰霊の行幸のその御心が垣間見えた様に思う。
    同氏著の『昭和16年夏の敗戦』と併せて是非おすすめしたい。


    GHQ(基、マッカーサー)による天皇制・昭和天皇の保護については様々な文献等で触れられているが、私が知る限りでは、最もその思惑と過程が分かりやすく、意外と面白く読める体裁でまとめられていた。

    梯久美子女史の解説にもあったが、『誰よりも深く、昭和という時代の負債を背負って生きているのが平成の天皇』であると感じる。

  • 玉音放送前のクーデター、東京裁判が起こるまでの日本政府の空気の読めなさなどの事実は知らなかった。負けるという結果を戦争前に論理的に導き出していた時は空気に逆らえずに戦争に突入。マッカーサーが来てガラリとパラダイムが変わった事へ日本政府は全くついていけなかったのだ。そして東条英機処刑の日を、現天皇誕生日と合わせるというある種の呪い。第二次世界大戦ははじめから終わりまで完全な負けだったのだと痛感。

  • 子爵夫人の発見された日記の読み解きを通じているのでストーリーが生じて頭に入りやすい。高校日本史は事実の羅列のみで、理解より暗記だった。

    この夏は興亜観音と皇居に行ってみよう。

  • 2012.8.15-2012.8.16

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著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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