- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167476212
作品紹介・あらすじ
三十二歳のヒロイン、水越麻也子は、結婚六年目の夫に不満を抱き、昔の恋人野村と不倫の逢瀬を重ねていた。だが歳下の情熱的な音楽評論家、通彦との恋愛で、麻也子は大きな決断を迫られることになる…。「不倫」という男女の愛情の虚実を醒めた視点で描いて一大社会現象を巻き起こし、TV・映画化された、恋愛小説の最高峰。
感想・レビュー・書評
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やっぱり女心をわかってらっしゃる。女性は特に『私はみんなとは違う!』なんて思いがちではないだろうか。
いや、違わないよ。大なり小なり考えてることは同じ、『私は特別!』なんだから。
物語的には99%起こらない。これはないなと思う。
思考に物語を頑張って当てはめた感がする。
だから、思考は共感できる部分が多い。恋愛をゲームと考え、筋書き通り事を運べるよう誘導、誘惑。あとは臨機応変に。
構成も、半ば手前で次探し…上手いなぁと思う。
みんな一度はテレビドラマの主人公に憧れる事もあったのでは?あ、今私ヒロインかも…なんてそんな空想も楽しいのではないだろうか。
最後の「楽しいことなんかあんまりないんだもの。最初楽しくてもいつだってすぐにつまらなくなってしまう。いつもこんな繰り返しなの」は名言。凄くわかるが、それが生活。
参考にはならず。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個人的に、いま話題になっている『傲慢と善良』より好きです。読者に説教がましくないのが良いです。
後半が面白くなくなる小説が多いけれど、この小説は後半の肉事件からどんどん面白くなっていった。
女性の生々しい欲望をここまで描いててすごい。面白かった。 -
#読了 2021.10.1
はじめての林真理子作品は「聖家族のランチ」で、それなりにおもしろかったが、林真理子作品の中では異色とのことだったので、林真理子作品の王道を読むべく手に取った次第。昔ドラマ化されてたよなぁってくらいの知識で読み始めた。
最高すぎた…!!!www
これは想像だけじゃ絶対書けない!よね?
林真理子先生は若い頃相当遊んだのか?
頭から1/4くらいまでは(ちょっとちょっと!真理子せんせ!正直に書きすぎィ!www)って心の中でツッコミまくってたw男女の駆け引きや女の心理(狡さ、下品さ、純粋な疑問、謙虚な気持ち、横柄な気持ち、評価されたい気持ち)をネタバラシされたような心地。
共感したと言ってしまうと私の貞操観念や恋愛観や恋愛にもならないアレコレを邪推されそうだけれども(笑)。
いやもちろん、分かる〜!とか私だけじゃなく麻也子もそうなのね!というところがあれば、いや私は流石にそこまでじゃないって思ったり、いるいる嫌いだわこーゆー女って思ったり、かと思えばかわりにやってくれた!(やりやがった!)ってとこもあったりで、最後の最後まで(そしてきっとこれからも)女くさい麻也子が面白かった。体の関係になった時点で男は得してるって感覚は分かる。お互い了承の上なんだからトントンだってのは頭で分かってるけど、どうしてもホテル代だけは男性に出して欲しいし、その時だけでも女性扱いしてもてなしてほしいよね(笑)
ストーリーの終わり方としても、麻也子なりに逡巡して行動を起こしてめちゃくちゃ労力かけて劇的な経験をしても、結局なんにも変わらない麻也子は気持ちがいいくらい。散々あんたが望んだドラマティックな展開はなんだったの?!こっちが振り回されたわぁくだらねぇ!って近くにいたら思ってしまうかもしれないわ(笑)
あと、麻也子のお姉ちゃんがめちゃくちゃいいね。白も黒もグレーも知ってそうな頼もしくて気持ちのいいお姉ちゃん。
あと、男の人が不機嫌になってるのが幼少期のトラウマですごく苦手なので、航一が不機嫌になる姿は心臓がグーッとなった。
ちなみに読書してる人って貞操観念緩くなさそうだから共感する人少なそうだし、まして読書好きな男の人からしたら全然意味わからないんじゃないかなぁとまで思ったよね。(失礼かしら?笑)
読んでいて、私と同じこと思ってるーってとこもたくさんあったけど、私より麻也子の方が女のプライドが保たれてるから、ちゃんと女性扱いされることばかりだったんだろうなぁと思う。いい女って扱いも憧れの女性って扱いもされたことはあるけど、単なるメスとか穴としか思ってないんだろうなぁって経験もすると、そんなに過去のキラキラ(自分が女として評価されてた頃)に縛られないし、男に過度な期待も押し付けもしなくなるよなぁとも思った。
私が1番麻也子と違うなぁと思ったのは、自分が損をしているとはあまり思わないこと。
基本的に全ての選択は自己責任だと思うし、損をしそうだったらもっと前に気付くし、自分がやり通したいなら損は覚悟のうちだから後からネチネチ思うことはない。
麻也子みたいに美味しいとこ取りしようと企てるのは、損する覚悟をしてからにしてほしいな。ルルーシュも言ってたよ。「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」って。
よくある自己啓発本みたいなこと言っちゃうけど、美味しいとこ取りに失敗したから損してると思う考え方は、それこそ人生損してるよね(笑)
でも、鏡の前で自分の裸を見てうっとりできるのは素晴らしい。いつどこで殿方に見られても胸を張れるプロポーションでいることは、女としての自信に繋がるだろう。産後の体型崩れが酷い私にとって、とてもいい刺激になった。ダイエットがんばろう。うん。
他の方の感想でバブリーだと書いてる人が多かったが、私はそこまで感じなかったし、実際の96年(私は当時中1)はもうバブル感なかったと記憶している。むしろ男と女はいつの時代も真理に行き着くなと思ったくらい。真理をついた名言満載。
多少感じるバブリー感は林真理子節かなとも思う。もしくは、女がイケイケに遊んでる部分にみんなバブリーを感じたのだろうか?別にバブルじゃなくても遊んでる女は遊んでるし、ブランド好きな女は平成も令和もいる。
エッセイも有名みたいなので読んでみたいし、女くささ全開の他の作品も読んでみたい。
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1997年テレビドラマ、1997年映画、2016年テレビドラマはどれも見たことないが、登場人物のキャラが濃いから、実際のキャスティングと私のイメージを書いてみる。
◎麻也子
97TV…石田ゆり子
97映画…南果歩
16TV…栗山千明
南果歩はだいぶイメージに近い。
私的には97年は小泉今日子、菊池桃子、南野陽子、16年は北川景子、片瀬那奈、仲里依紗、広末涼子、香里奈。
97年は女のプライドの高さは幼さから来るようなかんじで、その幼さに可愛げを感じるような。16年はモデルあがりの線の細さで女のプライドが似合うかんじで、女子校時代の友達と噂話しそうな。
◎通彦
97TV…岡本健一
97映画…鈴木一真
16TV…市原隼人
岡本健一はドンピシャ。私的に16年は窪田正孝。体の線が細くて自分の趣味を楽しく笑顔で語りそうな反面、嫉妬したら価値観押し付けたり怖そうなタイプ。
◎野村
97TV…内藤剛志
97映画…根津甚八
16TV…成宮寛貴
私的には97年は渡辺謙、時任三郎、16年は椎名桔平、上川隆也あたりが良かったなぁ。ユーモアがあって遊んでる感じだけど仕事もできそうな。劣化していく残念感も似合うような。線は細くないかんじ。
◎航一
97TV…渡辺いっけい
97映画…美木良介
16TV…稲垣吾郎
私的に97年は沢村一樹、大沢たかお、仲村トオル、16年は三浦翔平、田中圭、向井理あたり。線は細すぎず、職場での女ウケが良さそうな優しそうな、それでいて仕事もできそうな。でも家では気が利かなそうな。
◆内容(BOOK データベースより)
三十二歳のヒロイン、水越麻也子は、結婚六年目の夫に不満を抱き、昔の恋人野村と不倫の逢瀬を重ねていた。だが歳下の情熱的な音楽評論家、通彦との恋愛で、麻也子は大きな決断を迫られることになる…。「不倫」という男女の愛情の虚実を醒めた視点で描いて一大社会現象を巻き起こし、TV・映画化された、恋愛小説の最高峰。 -
Audibleで聴いた。
林真理子さんを読むのは、「下流の宴」に続いて2冊目。
下流の宴は「家族・格差・愛」をテーマにしていたように思う。
一方こちらは、「男女・夫婦」がテーマかな。
マヤコという女性が主人公。彼女は美人で人妻。結婚して数年が経つが、婚姻生活に満足しているわけではない。
姑とソリが合わず、過去に逃した「ブ男」の弁護士には未練があり…という。
本書では、マヤコの奔放っぷりを見させられることとなる。
先述の弁護士だけではなく、過去に繋がりのあった野村という芸能関係者と会うようになる。
野村とは身体の関係を持つが、「旦那が手を出してくれないのが悪い」というのがマヤコの持論。
要は開き直りなんだけど、ここに拒否感を持つかどうかで本書との相性が大きく分かれそう。
自分の感想としては、まぁそういう女性もいるよな〜という感じ。誰しもが、ルールに忠実なわけではない。
それにしても、こういう「都合のいい女」を書くのが上手いというか何というか…。額面通りに受け取る読者にとっては「女って怖〜いw」という感想になるし、そうでない読者にとっては「なんだこの女は!けしからん!(でも続きが気になるから読んでしまう」となる。
両手取りが得意な作風。
それから彼女はまた、ミチヒコという別の男性と出会う。
彼はいわゆる上流階級的な男性で、音楽批評を生業としている。
野村と違って、ミチヒコに対しては、心まで惹かれていく。
この時点で初めて、マヤコは罪悪感を抱くことになる。
それから結末は伏せるけれど、一応「勧善懲悪」っぽい終わりになったのかな?都合のいいまま終わらなかったのは、小説としてきちんと「オチた」感じがした。
というかそうでなければ、単なる不倫エッセイで終わってしまう…w
1つ補足するなら、元旦那の設定がテンプレすぎるというか…
結婚したら淡白になった旦那。妻よりも母にベッタリな旦那。「別れたい」に真面目に取り合わず、本気を見せたら逆ギレしてく旦那。
ちょっと物語に都合が良すぎるようなw
総評としては悪くなかった。
それなりに楽しめる大衆小説。だけど、☆5つではないかなぁ…。下流の宴のほうが良かったね。 -
不倫の手順のマニュアル本のよう。
この本を読んだら不倫に憧れてる世の奥様方の理性が失われそう。流通させたら危険。この小説で不倫気分を味わうのでとどまってほしい。
そう思うくらい不倫というのは手を伸ばせば届くところにある憧れなのかなと感じました。
今日の不倫話のよく聞くことと言ったら、芸能界をはじめとしてまだ友達も結婚してない人のが多いわたしでもそれは世間的に珍しくないように思えます。
そうなったのもこういう不倫ものの小説やドラマが作られてきたからではないでしょうか。
あとはSNS。友達にはいえなくても誰かにそれを吐き出したい。そんな時SNSはもってこいの場で、不倫という禁断行為によって一般人が物語の主人公のようになり、日常が物語化する。そのスリルと優越感が拡散されて障壁が低いものとなっていったのでしょう。
不倫はこれからも減ることはないと考えます。
というかもっと浸透、身近なものになっていくのではないかと考えます。
それを食い止めるのは個人個人のモラルしかないと思います。
あとは不倫の恐ろしさ。慰謝料とか。
不倫の興奮ばかりがフォーカスするしされているからこそ理性を失ってしまって、不倫の最悪の末路となるお金とかの先のことが頭にあれば食い止められるかもしれません。
とにかくいろいろ考えさせられる本でした。
ストッパーが外れそうなので不倫を夢みる方にはお勧めしたくないです。笑 -
何年か前にドラマが話題だったらしい。とにかく主人公の女がどうしようもない。自分が損をしているという思考に、淫乱でそれしか頭にない。結末もまあその通りで何も変わらない。なんでこれが人気なのかわからん・・・
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麻也子の行動と感情はワガママな女の代表すぎて理解できないところが多かったけど、何をしても周りと比べて自分だけが損をしている気分になるのはわかる気がする
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女の我儘な部分がすごく上手に描かれているなあ!
不倫を楽しむ麻也子の前半部分がけっこう長く執拗に描かれていて、お腹いっぱい…な感じでしたが、
後半にかけてストーリーが動き出してからは面白く読めました。
だけど、麻也子の身勝手さにこちらも振り回されて疲れてしまった感じです(笑) -
下品で切ない不倫物語。
品はないが素直な心理描写や、心のときめきなどの表現は秀逸。 -
麻也子の一貫したクズさ加減は清々しくすらあります。
不倫や自分の価値(女としての)についてそんなに深く考えることか?と思ったし、自分が夫と決めた人のことは考えなさ過ぎてるし、本当にくだらない女です。
でもしっかり書かれていて文章としては楽しく読めます。
何故この話が売れたのかはわからないです。