別人「群ようこ」のできるまで (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1988年12月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167485016

作品紹介・あらすじ

本の雑誌社に六回目の転職をした。椎名誠、目黒考二らと楽しく仕事をと思ったけれど、待っていた日々は楽じゃなかった。兼業エッセイストから完全独立するまでを綴った書下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 執筆家としての「群ようこさん」ができるまでの自伝本的エッセイで
    広告代理店から始まり、職を転々としながらどうやって
    今の群さんが生まれたのかももちろん、昭和60年に書かれた本なので
    ワタシがまだ子供で知らなかった大人の目線での60年を見れたのも
    すごく興味深く、おもしろかった。

    「本の雑誌」の熱心な読者から、働く側になった幸せと苦悩、
    物書きとしての道を見出してくれた母的存在の西村かえでさんとの出逢い、
    「群ようこ」というペンネームになったいきさつ。
    群さんファンとしてはたまらないエピソードも満載でした♡

    中盤までは苦しくて苦々しい会社でのエピソードが続くので
    ちょっと読み進めるのがつらかったけど、広告代理店時代の電話応対で
    「いつもお世話になっております」と「こんにちは」が
    慌ててしまって、「いつもこんにちは」と言ってしまった
    エピソードなど、群さんらしい軽快なテンポでタイムスリップした
    昔の日本の背景も体験できて楽しい1冊でした。

    「本の雑誌」もその当時の椎名誠さんの本も合わせて読んでみよう!
    と新たな楽しみももらいました[*Ü*]

  • 一気に読んだ。
    群ようこの性格が良く分かって飾らない、頑張り過ぎない彼女にとても好感を持てたし、群ようこからみた椎名さんの仲間たちの様子がとても興味深く、楽しんで読んだ。

    中でも、群ようこがやりたい放題の沢野さんに冷たくし、シュンとして帰った彼がいままでいた場所に残した「僕のこと嫌い?」のイラスト付きメモのエピソードは、憎めない彼の人柄が出ていて、とてもかわいらしくて笑ってしまった!

  • くじけたっていいんだ、大丈夫だって思える本。
    群ようこは出るべくして出た人なんだなぁって思う。
    私には仕事を変えて泳いでいく勇気、ないもの。

  • この本に出会ったのは学生時代。
    当時アルバイトをしていた書店で、レジカウンターに立ちながら、(原因はすっかり忘れてしまったけれど)ひどく落ち込んでいた私に店内整理から戻った私に「これ読んだら元気になるで」と、店長が手渡してくれたのがきっかけだった。
    群ようこさんの本は、以前おばにすすめられて読んだ「アメリカ居すわり一人旅」がおもしろかったこともあり、買って読むことにした。

    その夜の読み終わったあとの興奮は、今でも忘れられない。
    仕事に、生き方に、ぐるぐると迷い続けた数年間ののちにエッセイストとしてスタートするまでを描いているのだけれど、悔しく惨めな思いの詰まったOL時代、「本の雑誌社」で働けることになって喜んだのもつかの間、不安に押しつぶされそうになり、ギリギリの精神で生きていた緊張感などが含まれていて、読みながら心がきりきり痛くなってくる。
    けれど、恨み節でも、しゃかりきにがんばろう!という雰囲気でも決してなく辿りつくのは「仕方がない、やるしかないのだ」という言葉。
    頭を上から押さえられたとしても、力でその手を振り切るのでも、泣いて逃げるのでもなく、じーっと上目遣いで相手の動向を伺いながらため息をつきつつ仕事をこなし、最後に最後に相手の腹に回し蹴りを入れて去るような、そんな爽快感。
    けれど、そこに辿りつくまでの鬱々とした気持ちは痛いほどわかるし、社会の中での理不尽な扱いもきっと誰しも「あるある」と感じるからこそ、本の中に入り込んで一緒になって「やるしかないのだ」と思える。
    読み終えたあと、頭のてっぺんから煙が出ているのではないかというほど体の芯から力が湧いて熱くなり、すすめてくれた店長に感謝した。

    「仕方がない、やるしかないのだ」
    この本に出会って以来、私は壁にぶつかるたび、本を読み直してはこの言葉を繰り返し呟いてまた拳を握り直すことにしている。

  • 群ようこさんといえば映像化された「かもめ食堂」や「パンとスープとネコ日和」の、ほのぼのしたおしゃれイメージが強かったので、エッセイを読むと意外な内容で驚かされます。
    ずいぶん前のエッセイですが、今読んでも十分面白い。

  • 本の雑誌血風録と本の雑誌目黒考二追悼号を読んだら読みたくなった一冊。就活にあたってはのほほんとしてたけど、いざ広告代理店に入ってから本の雑誌社に至るまでの三社はまさにドタバタ、ブラック勤務、パワハラ、セクハラ。やりがいのあることもあったにしても。そんな中目に飛び込んできたのが本の雑誌。面白く読みふけり、椎名誠が編集長をつとめる雑誌の会社の求人に応募したところから話しは転がり…と。以降は椎名誠、目黒考二とのやりとりを中心に追っていき。目黒考二とは、お互いに、冷たい目で見られてたという記憶。目黒さんも笑うんだ、という感慨。最後はペンネームの名付け親になってもらい、実務をほぼ一人で回す立場から、作家として巣立っていくまでのストーリー。別の視点からの「本の雑誌風雲録」「本の雑誌血風録」。

  • 図書館で借りたので、読んだのは単行本版。本の雑誌の目黒考二氏がお亡くなりになったので、関連本として読んでみた。本の雑誌草創期の目黒さんの様子が伝わり、感慨深いのであった。
    本の前半で広告代理店の話がでてきて過酷な勤務状況が語られるが、当時はたいていそんなもんじゃなかったのかなあと思いました。どの世界でも代理業はつらいんだな。

  • 群さんのOL時代を知ることができて面白かった。本の雑誌社の面々をwikiで調べて、「あぁ〜こんな人たちなんだぁ〜」と一度で二度楽しめた。

  • 2000.01.01

  • '97.3図書館で借りて読了。
    当時の仕事や人間関係の悩みを少し助けてくれた本。

  • お仕事エッセイともいえるし、作家の誕生秘話ともいえる。
    本の雑誌風雲録、血風録とあわせてどうぞ。

  • これは初期も初期に書かれたエッセイです。
    本の紹介部分を見ると、今ならズラズラ~っと代表作が書かれている訳ですが、この本にはそれはゼロ!
    作者紹介として『本の雑誌社勤務等を経て独立、主として雑誌を舞台に奮闘中』とあるだけ。
    まだ、海のものとも山のものともつかない状態だったんですね~。

    内容は二つに分かれていて、一つ目の「必死で外まわりの巻」は就職活動をしていた頃の話と広告代理店に就職、その後、何度か転職をした話となっていて、二つ目の「猫背で電卓ため息の巻」は「本の雑誌」という書評雑誌を刊行していた会社に入社した頃の話となっています。
    そして、全体を通して、作家「群ようこ」が誕生するまでの経緯が語られた本となっています。

    今回読み返してみると、正直昔・・・20代の頃読んでいたような興奮する気持ちにはなりませんでした。
    多分あの頃、これに夢中になったのは書かれている事・・・就職や転職をする様子や仕事上でのあれこれを見て、共感したり慰められる部分があったからだと思います。
    今はもう年代も違いますし、ちょっと違う目線で冷静に読んでいる自分がいました。

    でもやはり面白いし、最近のエッセイと比べるとずいぶんキッチリ書いている印象を受けました。
    最近のは、健康の話題だとか、老後の話題だとか、家族の愚痴だとか、着物がどうしたこうした、だとか、見ていて面白いと全然思えない内容の何となくジジむさい気持ちになるものばかりで、どうにも楽しめない。

    最初、群ようこさんのエッセイだか小説だかを初めて目にした時、「こんな剥き出しの言葉で書かれた本があるなんて!」と衝撃を受け、書いてる内容に大爆笑しました。
    それから無印ナントカシリーズとか、エッセイを読みあさり、この人の本は出ているのは全部読むくらいの勢いだったのが、ある時点から「何だか面白くない・・・」と感じるようになりました。
    書いてる事もマンネリ化しつつあったし、トーンダウンしていったと感じたし、すごく内容が浅くなったような気がしました。
    昔の方がもっとエネルギーを感じて面白かったと個人的には思う。

    この本は最初の「必至で外まわりの巻」では最初に就職した広告会社の過酷な労働の様子、個性的な職場の人たちの様子、その後就職した所の様子をユーモアを交えて描いています。
    何といっても印象的だったのはカタログの誤植が見つかり、新人の群ようこさんが同期の女性といっしょにひたすらその誤植部分をカッターで削る作業をしたという場面。
    夜中までずーっと立ちっぱなしで何日もひたすら誤植の点々を削る様子は見ていて「うわっ!大変!」と思いつつ、文章がユーモラスなので何となく笑ってしまいました。
    その会社を退職して次に行った所ではド派手な初老社長がいて派手な宣伝カーに乗っていた話、そして恥ずかしいと思いながらその車に同席していると向かいの車の男性に大笑いされた話、その男性というのは誰もが知る有名歌手だった話、そこは社長のセクハラで辞めることになったという話など、大変しんどい思いをしながら仕事をしている中にも笑える描写になっています。

    それに比べると、「猫背で電卓ため息の巻」の方は以前から好きだった雑誌の出版会社に就職できたものの、最初は仕事がなくヒマで1週間に3枚もセーターを編んだ話、その後目が回るほど忙しくなったけど誰も頼れないままで好きじゃない経理の仕事をするはめになった話、そしてとある人との出会いがきっかけで原稿を書くようになり、それが作家デビューのきっかけとなったという事などが書かれており、こちらは結構マジメな印象を受けました。

    これを見ると、群ようこさんは最初から作家になろうと目指していた訳でなく、人との縁がきっかけとなり作家になったのだと分かります。
    また、最初は漠然と広告代理店で仕事がしたい、しかも営業がいい、と思っていて、それがうまくいかなかった事が却って自分が本当にしたい事を見つけるきっかけになったのだと分かります。

    最初から自分のしたい事があって、順調にそれに向かって進み目標を達成するというのが一番シンプルでいいと思いますが、こういう回り道をして自分の本当にしたい事、またはしたくない事が分かる、そして、今は成功している。
    そしてその回り道がその後の人生に大いに生かされている。
    そういうのを見ていると、今何がしたいか分からなくて自信をなくしている人とかも少し勇気をもらえる・・・と言えば大げさかもしれないけど、これを読んで「自分だけじゃない」とホッとできるんじゃないかな~と思います。

    この本を見ると、群ようこさんはその時々で汗をかいて必死で頑張って仕事してるし、人が嫌がる仕事もしているのが分かります。
    また、都内に実家があるのに、一人暮らしをして自立しているし、その頃のアパートは古くて声が筒抜けだったり、色々と大変な思いをされているのもわかります。
    その時、楽な方へ楽な方へ流されず、コツコツその時出来る事をちゃんとしていた様子を見ると、今成功されているのもそういう時を積み重ねたご褒美じゃないかな・・・思いました。

  • 2013 6/1

  • 「本の雑誌」を群ようこ視点で語られていて
    椎名誠の「本の雑誌血風録」と合わせて読んだので楽しめた。

    余計に本の雑誌自体を読んでみたい。

  • 1997年6月読了。
    2024年2月23日購入。

  • 2012/07/05読了

  • 椎名誠だもの。

  • 高校3年生くらいから、かなりハマった「群ようこ」
    エッセイを書かせたら右に出る人はいないと思っています。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    求人広告で見つけた代官山の広告代理店、カッコいいお勤めと思ったのに残業時間はものすごく上司ときたらいやらしい。転職重ねて6回目、遂に落着いた先が椎名誠、目黒考二、沢野ひとしの本の雑誌社。苦情電話と台帳相手に留守番ひと筋のイライラを原稿用紙にぶつけて解消するうちに、いつの間にやらエッセイストになりました。

  • (メモ:中等部3年のときに読了。)

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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