姫君 (文春文庫 や 23-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167558055

感想・レビュー・書評

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  • 何度読んだか分からないけど、何度読んでも泣かされる
    あまりにも特別な一冊。
    ラストで泣くのではなく、二人が愛しいというか切ないというかで
    しょっぱなから感情を揺さぶられまくるので危険です。
    干からびてしまうので要ポカリ。
    これからもきっと何度も読み返します。

  • [恋、奉り候]自ら「姫子」という源氏名を名乗りながらホームレス生活をし、拾った男の欲望の操縦に生きがいを見いだす女性の恋模様を描いた表題の「姫君」。欲望の視点から主人の女性を観察した「フィエスタ」を含む全5編の短編を収録した作品。理性とはとっくの昔に袂を分かった女性の内なる心情が描かれています。著者は、直木賞受賞作家でもある山田詠美。


    「姫君」の鮮烈さが特に印象に残りました。一般の読者からすれば180°倒錯した恋の物語でありながら、それを読み進めるうちに次第に360°一回転して純情すぎるほど純情な恋の物語になってしまうところがなんとも不思議。その終わり方を気に入るかどうかは読者それぞれに依るところと思うのですが、諧謔性も含まれた恋に焦がれさせてくれる短編として非常に秀逸だと思います。


    山田詠美さんの作品を始めて手に取ったのですが、用いられる表現が時として強烈というところにも興味が持てました。普通に考えていたらこんな言葉出てこないだろうし、逆に出てきたら変な感じになっちゃうだろと思いながら、その強烈な言葉のイメージに絡めとられてみるのも一興かもしれません。

    〜春は、唇が、溶けやすい。〜

    ホワイトデーですか、そうですか☆5つ

  • トキ兄がフミヤにしか見えない、わたしは姫子。メルシーを思い出した

  • 「MENU」が完全に山田詠美ワールドで素晴らしい

  • 人を想うことで生じてしまう、
    相手を失ってしまうのではないかという不安。
    ともすれば、己の現実的な判断など、
    微塵にも砕かれてしまうのではないのかという不安。
    愛を自覚すればするほどに、
    逃れられない不安が付き纏い、
    底知れぬ恐怖となる。
    ただし。
    その恐怖を失った瞬間には、
    もはやその相手を愛してなどいないのだろうこと、
    少なくとも私にとってはそうであろうことを、
    気づかされた一冊。

    抱きしめているつもりで、本当は抱きしめられていた。
    抱きしめられていたつもりで、本当は抱きしめていた。

    深く、鈍く突き刺さる。

  • はじめて山田詠美さんの作品にふれて、ガッツリ惚れるきっかけになった本。
    特に姫君の姫、
    MENUの聖子には強烈に惹かれた。
    生まれてはじめて、本の中の人物に本気の憧れを抱いたと思う。
    読み手の腕をぐわしって掴んでひっぱりこんでくようなプロローグがだいすき。

  • 何回も読み直しちゃう

  • 高校生の時に読んだ感想としては「ふしだらな!」だったけど、何だか気に入って何度も読み返してしまう1冊。
    特にMENUは素晴らしい。あの手紙を真似して、その時々の好きなものと嫌いなものを列挙する日記をつけていた。

  • 読めば読むほど好きになる。これは傑作。

  • 心が先に泣く感じ
    死が、いろんな結末で最後の味付けのようにさらっと訪れている

    あとがきがとても好きw

著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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