さらば深川 (文春文庫 う 11-3 髪結い伊三次捕物余話)

著者 :
  • 文藝春秋
3.93
  • (41)
  • (78)
  • (49)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 475
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167640033

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 軽快な江戸弁が心地よい。そこに辰巳芸者の言葉も重なり、市井の暮らしを体感した様な気分になれる。これも心地よい。伊三次とお文のその後に期待!

  • 2017/12/3
    「後悔はしませんのさ」かっこいいなぁ。
    後悔してても後悔はしませんのさと言い聞かせているだけでもかっこいい。
    私もそうしよう。
    不破様ホントにどストレートに謝って驚きです。
    その後の伊佐治の思いと不破様と涙のやり取りにも感動。
    って言うか萌える。
    やばい。
    妖術使いとの戦いでお疲れのご様子やったけど、不破様大丈夫かな?
    伊佐治とお文の祝言で今後の展開も楽しみすぎる。
    祝言といえば初代女中のおみつが嫁に行って寂しく思ってたけど次に来たおこなも違うタイプでなかなかおもしろいし流石としか言いようがない。
    伊勢忠はどうなったんだろう。
    早く次読まねば。

  • かわせみシリーズに続けて髪結い伊三次。
    女性作家の捕物系連作短編シリーズ同士ということで、どうしても比較してしまいます。
    かわせみはさすがにマンネリ。軍配は髪結いの方ですね。
    主人公の深川芸者・文吉はちょっと伝法過ぎて私の好みからは外れるのですが、おこなという変わったキャラが出てきて楽しめました。

  • なんとも濃厚な一冊でした。
    『因果堀』では増蔵の過去の因果が哀れな女心を浮き彫りにしました。
    『ただ遠い空』も夫婦愛を感じさせる話でした。
    『竹とんぼ、ひらりと飛べ』ではお文の出自が分かりましたし、『護持院ヶ原』はまるで別の短編を読んでるような気がしました。
    『さらば深川』ではいよいよ伊三次も覚悟を決めなければならない状況になりました。
     どの話もずっしりと心に残る話で、読み終わった後も余韻に浸ってしまう話ばかりでした。面白かったです。

  • 今回も伊三次の活躍とお文の掛け合いがとても楽しく読めた。おこなの登場でいろいろあったけど、変化もあって良かった。

  • 昨今、江戸物は流行りらしいが、
    江戸の町を舞台にしてはいるものの、
    あまりにも時代考証無視し過ぎの化け物ファンタジー系や
    人情噺というには薄っぺらいホームドラマ系が跋扈している。
    それゆえ、あくまでもリアリティのある江戸の暮らし、季節感、人物に酔えるこのシリーズには、
    種明かしのない幻術遣いはちょっとそぐわない気がして残念だった。

    とはいえ、
    文吉さんに黄前の良いところを見せたはずの伊勢屋が金を返せと言ってきたり、
    酸いも甘いも嚙み分ける増蔵親分が昔の女房のためにお役目も妻子も捨てようとしたり、
    死期の近い産みの親に手紙は出したものの、文吉は会いに行かなかったり、
    それぞれ大事なものを助けるために燃え盛る火の中に飛び込んだりと、
    人の心とは不思議なものとだと思わせる話は今まで通り。

    文吉姐さん、はたして町屋暮らしのおかみになれるのだろうか。

  • びっくりするような意外性はないが、安定感はあるので最後まで読みたい。

  • シリーズ3作目。前2作と繰り返しが多く、やや退屈しかけたところで幻術使いの岸和田鏡泉が登場するとホラー映画もどき雰囲気に・・・。ホラーはあまり好きではないですが、面白く思ってしまったのは著者の策にはまってしまったのかも知れません。確かに後書きで著者自身が読む人のマンネリを考え、ホラー仕立てにしたとの説明があり納得しました。深川の髪結いと深川芸者の恋を中心にした下町人情ものですが、その章だけが少し異質でした。

  • L 3 髪結い伊三次捕物余話
    因果堀
    門前仲町の岡っ引き増蔵と前妻お絹
    直次郎登場

    ただ遠い空
    おこなが女中に

    竹とんぼ、ひらりと飛べ

    護持院ヶ原

    さらば深川
    忠兵衛の嫉妬 深川の家消失

  • タイトル通りの話の持っていき方だったが、多くの読者が納得のいく運びだと思う。文吉じゃなくても、伊三次のところに行きたくなるのは解るよ。護持院ヶ原では、柴田錬三郎著の眠狂四郎を思い出してしまった。

全39件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宇江佐真理の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×