君を乗せる舟 (文春文庫 う 11-8 髪結い伊三次捕物余話)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167640088

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  • 不破の息子、龍之介が元服し龍之進となり、奉行所に出仕しはじめる。
    成長する若者たちの姿が初々しいし、
    前髪を落とした姿の不細工合戦が面白かった。

    前作の「黒く塗れ」はちょっと、だが、「妖刀」ぐらいの不思議話は許せる。

  • 龍之進の初恋は、切なくも終わった。

  • シリーズ6冊目。
    お文と所帯を構えた髪結いの伊三次は、赤ちゃんの伊与太を育てつつ、とりあえず安定した生活をしています。

    「妖刀」は、いわくつきの刀が盗まれた事件を探るため、問題の邸へ髪結いに出向く伊三次。
    目の前で、凶事が…

    伊三次が手伝いをしている定廻り同心の不破友之進の息子が元服することになり、少年の視点での話が多くなりました。
    龍之助あらため龍之進として、同心見習いになったのです。
    同じ年頃の仲間達六人と、まごまごしながら取り組む仕事の様子が面白い。
    その頃、「本所無頼派」と呼ばれる六人組の若い男らが無茶をする事件が起きていて、彼らを自分たちでつかまえられないかと思うようになる。
    高い所に登って雄叫びをあげるなどの人騒がせな行為だが、逃げ足が速く、おそらく相当な修練を積んでいる。まだ犯罪というほどでもないのだが。
    旗本の次男三男が、行き場のない不満をぶつけているのではないかと。

    不破の下の子で茜のやんちゃぶり。
    女の子なのに、伊与太よりずっと手が掛かるんですね。
    伊三次の手伝いをしている九兵衛が、本格的に髪結いをめざすことになります。
    九兵衛と龍之進の微妙な張り合いもあったり。

    伊与太が重い病気にかかり、皆が必死の看病。
    当時は赤い物が効くというので、家は赤い物だらけに。

    龍之進のほのかな初恋も初々しい。
    表題作はそのエピソードから。
    龍之進の将来が楽しみだというお文は、さすがに深川芸者だった目利き?
    単行本は2005年3月発行。

  • ふわっとした安心感

  • あこがれた人の嫁ぐ日
    舟をしたてた嫁入り道中・・・
    あの、あの君を乗せる舟になりたい

    莫迦ですね~龍之介改め(元服)
    龍之進の純情な一面です

    伊三次シリーズも次の世代の物語が
    多くなりました!

  • L 6 髪結い伊三次捕物余話
    なんだか妖モノ多し。龍之助が元服して龍之進、こっちの同輩ものはどうも好きになれない。伊三次の出番も少ないしなによりお文はほとんど出ない。これ誰の話なのよ。

  • シリーズ1作目から徐々に時間が過ぎ、独り者だった伊三次は所帯を持ち、子も授かり、弟子も出来・・・。そんな自然な時の流れを小説と共に送ることが出来る幸せを感じている。しかも、不破友之進から龍之進、伊三次から九兵衛へ世代交代していくのだろうか。いやいや、伊三次はずーっと続いていくのだ。これからも楽しみだなぁ!

  • 第六弾
    伊三次の仕える同心の息子、龍之進がメイン
    相変わらず内容の変わらないが、短編の持って来かた、内容も変化なし
    最近は必ず、理屈で理解できない事柄が必ず書かれている。

  • シリーズ6作目。同心・不和友之進の息子で、見習い同心になった龍之進の話を中心に進む。伊三次の出番が少なくなったのはちょっと寂しいけど、龍之進とあぐりの話は良かったです。あぐり、騙されてるぞ!お嬢様だからなあ・・・って。龍之進、強くなれ!

  • 伊三次シリーズの、え〜っと・・・・・、6冊目です。最近コレばっかり読んでます。この本では、ジュニア世代(?)の活躍が始まりました。メンバーの名前と個性が、なかなか覚えられません・・・。馴染みの脇役や、これまでの関係者たちが、この本でもじつに巧みな役回りで、いい味出してます。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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