ミッドナイトイーグル (文春文庫 た 50-2)

著者 :
  • 文藝春秋
3.68
  • (67)
  • (110)
  • (143)
  • (13)
  • (2)
本棚登録 : 882
感想 : 91
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656607

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 話が壮大すぎて最後までついていけなかったし
    なんか読みにくかった。
    風景がずっと同じなので中盤から飽きてきた。

  • 山岳ミステリーに国家間を股に掛けたサスペンス要素を加えた作品。
    登山シーン周りのお話は中々だが、サスペンスパートの展開が荒唐無稽過ぎる。
    加えてやや唐突かつ単純な家族愛の描写など、残念なとこが多い

  • この夏、北アルプスに登る機会があったので手に取った本。登山小説というよりホワイトアウト系の冒険小説だったけど、どちらも好物なので最後まで一気に消化してしまった。かつての敏腕報道で、現在はアル中寸前の報道カメラマン西崎が冬山で目撃した光から、国家規模の事件に巻き込まれていく。
    結構前の作品だが、もうすぐ映画化されるらしい。ラブストーリーありの山岳アクションサスペンスという稀代の煽りに惹かれた!

  • 瞼を閉じると、見たこともないくせに西崎の、陽灼けした笑顔が浮かぶ気がする。

    核爆弾を守るため、自分の愛する世界を守るため、極寒の天狗原の雪原で、西崎は静かに決断する。
    多数の敵もろともに、自分を消し去ってほしいと。


    不注意から幼い長女を死なせてしまった西崎は、その瞬間に無意識にカメラを探る自分に恐れ傷つく。
    そしてそれを目にした妻・慶子はその西崎の姿に凍り付く。
    その日からまっすぐな二人はお互いを合わせ鏡のように映しあい、刺だらけのお互いをぶつけあって傷ついた。相手を、そして自分を責めて攻撃しつづけ、いつしかすっかり消耗していた。そしてその諍いを幼い瞳に映し続けた息子・優は、ゆっくりと心を閉ざしてゆく。

    相手に認められて、受け入れられない限り、その相手をしっかりと認識して乗り越えない限り、
    失った自分が手に入らないのは、多分二人とも同じだったんだと思う。
    忘れていた自分の、足りなかったなにか。
    それを埋めていないのは、埋めたくてもがいていた、乾ききった二人。

    守るもののために自分を犠牲にした男はしかし、最後に家族の絆を手繰り寄せた。

    西崎は最後には、後悔でなく誇りを胸に、満足して目を閉じたに違いない。
    いや、それとも最後まで、自分の命を奪おうとするミサイルに向かい、シャッターを切りつづけたのかもしれない。最後の相棒、伍島の姿をカメラに収めたのかもしれない。

    ただ少なくともきっと、最後に西崎の胸に去来したものは満足と誇りだったに違いない。
    だからもう、彼にかける言葉など、私にはない。


    でも、もしも祈ることが出来るのならば神様、
    どうか西崎に、慶子に、優に、せめて甘い、甘い夢を。


    いい男、そんな言葉さえ軽すぎる程に、西崎の生き様と最後は私たちに迫る。
    私たち女にできることそれは、ただ祈り、胸を焦がすことだけなのだ。

  • 映画アルマゲドンを思い出した。

  • とても映画的。で、2007年の映画は見たことない。ストーリーは壮大でスピード感あり。北アルプスと東京の同時進行が交互に描かれる。やや無茶なところもあるが全体的に楽しめた。雪山で生き抜くのは寒い、辛い、厳しい。

  • 読んだ

    映画でも公開された本格的なサスペンス物。
    正直期待せずに古本で買ったらまさかの大当たり

    映画にするとえらい重く、話の密度の濃いものが作れるんだろうな
    というストーリ。米軍の核燃料をステルス機が北アルプスに墜落。
    存在そのものが消されていたステルス機の墜落を思わぬ形で
    見てしまった新聞記者。官邸ですら知らぬ存ぜぬの中、信じれるのは
    自分の目のみ。新聞記者が真相を確認するためアルプスに入り
    最後に直面した真実とは?

  • “米空軍のステルス爆撃機が北アルプスに墜落!その搭載物をめぐって男たちの死闘が始まった。報道カメラマン西崎勇次もその渦中に…。かたや週刊誌記者の松永慶子は、横田基地に侵入・逃走した北朝鮮の工作員に接触する。吹雪の北アルプスと東京。二つの場所で、男と女は絆を取り戻せるのか。渾身の国際謀略サスペンス。”―裏表紙より。

     プロローグ
     第一章 火球
     第二章 山行
     第三章 雪崩
     第四章 戦闘
     第五章 洞窟
     第六章 真夜中の鷲
     第七章 夜明け
     エピローグ


    珊瑚堂文庫より借読。

    普段読まないジャンルなので、読み慣れるまでペースが掴めなかったけど、1/3過ぎたあたりから、先の展開が気になって…。文庫で500P以上あったけど、ワタシとしてはかなりのハイペースで読了。

    雪山にいるカメラマンの夫と、都内にいるジャーナリストの妻。双方の視点から交互に語られているストーリーが、だんだんと近付いてくるにつれて、緊迫感も高まってくる。

    途中、山中のシーンでは、展開が都合よすぎる印象も受けたけど、雪山登山の厳しさは十分伝わってきたし、戦闘描写も、軍事的知識のないワタシにもわかりやすかった。
    そして、アルマゲドン的なラストは予想外でした。

    猛暑の夏よりも、冬場に読むことをオススメします。

    大沢たかお、竹内結子出演の映画版も観てみたいけど、設定がかなり原作と異なる模様。
    人物相関や職業が違うと、感情もだいぶ違ってくるんじゃないのかなぁ?

  • よかった
    東北での震災から約一年。
    絆をかんじた。

  • やっぱり男性作家は心理描写が弱いな…。それ以外の部分のエンターテイメント性とかはとてもよいと思いますが。

全91件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高嶋哲夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×