小学五年生 (文春文庫 し 38-8)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2989
感想 : 181
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167669089

感想・レビュー・書評

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  • 懐かしさもあるが生々しい。

    重松さんは五年生当時のことを、日記をつけ、保存しているのかな。正確過ぎる。

    四年生では幼く、六年生では大人になりかけていて•••。

    そんな微細な感性を持つ、約50年前の五年生にスポットを当てている。

    好きな作品ではない。

    子どもとはいえ、僕も当時は当時で必死で毎日を送っていて、(もちろん、厳しい国々の人々とは比べものにならないが)今では封印しようとしている、自分の中の身勝手さや残酷さ、自己厭悪に陥りそうな自意識が、炙り出されているような短編集なので。

    特に胸に刺さるのが⑦、どれだけ僕は、無責任な言葉と、相手の心を思いやらない子ども時代を送ってきたことか•••。

    そんなことが思い出されてしまう。

    そして⑯、小学五年生のとき、隣に住むでっかいおばちゃんに、

    「ほれっ!、あんたにも」

    といってバレンタインデーのチョコレートを渡され、屈辱のあまり号泣したのを覚えている。

    これだけは懐かしい思い出かな。

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    ①葉桜
    ②おとうと
    ③友だちの友だち
    ④カンダさん
    ⑤雨やどり
    ⑥もこちん
    ⑦南小、フォーエバー
    ⑧プラネタリウム
    ⑨ケンタのたそがれ
    ⑩バスに乗って
    ⑪ライギョ
    ⑫すねぼんさん
    ⑬川湯にて
    ⑭おこた
    ⑮正
    ⑯どきどき
    ⑰タオル

  • 再読。小学五年生の男の子を主人公にした17話の短編集。あとがきに重松清さんが「どうやら僕の中には小学五年生の少年がいるようだ」と書いている通り、小学五年生の少年の揺れ動く微妙な心情が描かれていて、読み終えた後ほのぼのとした気持ちになった。また、かつて小学五年生だった時のことを思い出してなつかしい気持ちにもなった。「プラネタリウム」「バスに乗って」「どきどき」が心に残った。

  • 色々な小学5年生の物語。
    いいね

  • とても勇気付けられる本。
    子供がいじめにあったときに読ませました。
    みんながこの本を読めばいじめなんてなくなるのにと思いました

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      いるかさん
      子ども達が伸びやかに遊べる世の中にしましょう!
      なりますように!!
      いるかさん
      子ども達が伸びやかに遊べる世の中にしましょう!
      なりますように!!
      2020/10/23
    • いるかさん
      猫丸さん
      本当にそう思います。
      これからもよろしくお願いいたします。
      猫丸さん
      本当にそう思います。
      これからもよろしくお願いいたします。
      2020/10/24
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      いるかさん
      Good!
      いるかさん
      Good!
      2020/10/24
  • 男の子にこんな葛藤や複雑な気持ちがあるなんて……改めて強く感じました。
    私も異性が気になり始めたところはあるけれど、こんなに上手に文章にできるなんて、すごいなと思いました。気持ちが自分のことのように伝わってきて、読む手が止まらないです。
    ポニーテールという本を友達から借りて読み始めたので、またそれも感想を書きたいと思います。

  • 息子が小学5年生になった今、読んで良かったなあと感じる。

  • 重松さんの短編集、安定の読みやすさ。
    少年達の心理がこんなにもリアルに書けるなんて、重松さん自身がきっと、ずっと少年の心を持っているんだと思う。
    恋、転校、親との死別、離婚、思春期、いじめ、
    色々なことを経験して成長していく。

    5年生、大人ではないけどもう子どもでもない。
    身体、心が成長していく子ども達を理解して、余裕をもって見守ってあげたい。

  • 中学受験に出題される事が多いと知り(娘が中学受験生)、図書館で借りて読んだ。
    短編小説で読みやすかった。
    すべて小学5年生が主役の物語。読みながら、自分もこんなことを考えてたなぁと当時を思い出す事もあった。
    是非、子どもにも読んでもらいたい一冊です。

  • 小学五年生が主人公の短編集。転校、いじめ、父親の死、母親の病気、弟の病気などなどちょっとつらいお話から、バレンタインとか思春期に入りかけの少年の淡い思いが描かれています。プールに入るとどうしてぴょんぴょん飛びはねたくなるのだろう・・・というくだりがありますが、確かにその通りで、よくまあそんなこと思いついて小説に書くなあとちょっとうれしくなります。さて、著作権の問題もあるのか、よくこの短編集からの出題が中学入試国語にはあります。模試などにも使われることが多いのですが、一度試験監督中に、それを読んでいて泣きそうになったことがあります。あまり感情移入しすぎると問題は解けなくなるのですよね。個人的には学級委員の選挙のお話なんかが好きでした。冬休み中に図書館で借りて読みました。

  • 小学五年生が主人公の話ばかりを集めた短編集。どれもとても詠みやすいし、5年生って確かにこんな感じだったな、特に男子、とかいろいろ思う一方、基本的に子どもが主人公の話というか、学校生活がメインの話が、自分はあまり好きではないんだな、と別の気づきもあったり。ピュアな気持ちで読める人に読んでいただきたい。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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