龍時 03-04 (文春文庫 の 12-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167687038

作品紹介・あらすじ

スペインでのプロ生活にも慣れたリュウジはアテネ五輪代表に招集される。彼を選んだ監督の意図は何か?谷間の世代と言われながらも予選を突破したリュウジたちは、世界各国の代表らと熱き闘いを繰り広げていく-。大好きなサッカーをテーマに著者が魂をこめて書き続けたシリーズ、遺作とも言うべき最終巻。

感想・レビュー・書評

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  • 選手の心情、ボールを扱う足の使い方、シュートシーン一つ取ってもこと細かい描写を
    細部まで研究に研究を尽くした表現は映像を見ていなくてもわかるくらいの描き方。
    筆者の熱狂的とも言えるほどのサッカーファン熱が文章からも伝わってきた。
    フィクションでありながら日本が強豪国と戦って勝って行っていく試合のエピソードの数々。
    そしてあのリュウジのラストシーン。小生はキャプテン翼の翼くんのワンシーンをすぐさま想像した。
    サッカー経験者の実体験をもとにした監修も含め、たぐい稀なる貴重なサッカー小説を
    見つけることができた感動。ありがたいです。

    03-04で続編はもうないのですが、今後の話としてはケガやリハビリについて描く予定だったそうで、
    もしそうだったとしたら楽しみだったのですが
    それが読めなく遺作となってしまったことが残念で仕方がありません。

  • 普段小説はあまり読まない。
    それもこういった現代的な、といったら失礼だが、身近なテーマを扱ったものはあまり読んでこなかった。

    この本も、もともと自分がサッカーが好きで、かつスペインに旅行に行くことを知った友人が勧めてくれたものだ。
    疑い半分で読み始めたがみるみる吸い込まれた。

    3巻まで読み終え、この続きが読めないことを本当に残念に思う。ご冥福をお祈りします。

  • 私的サッカー小説の1番です。
    スポーツ小説の中でも1番です。
    これを超えるものはもうないと思っています。

    なのに…、もう続きが読めないなんて…。
    悲しすぎる…。

    私が初めてこの本に出会ったのは、すでに野沢尚さんが亡くなった後でした。
    読み終わって、興奮冷めやらぬまま続編を探そうとしてその事を知りました。
    その時の衝撃たるや…。

    • hs19501112さん
      私的サッカー小説の1番です。
      なのに…、もう続きが読めないなんて…。

      の2文に、全面的に共感します。
      主人公の成長を、もっともっ...
      私的サッカー小説の1番です。
      なのに…、もう続きが読めないなんて…。

      の2文に、全面的に共感します。
      主人公の成長を、もっともっと見守っていきたかった。
      野沢さんの描くサッカー描写を、もっともっと味わいたかったです。

      ちなみに・・・
      サッカー“小説”ではないけれど、サッカーの描写が秀逸なノンフィクション
      木村元彦「オシムの言葉」
      もおすすめします。



      自分の中での「スポーツ小説№1」
      堂場瞬一「チーム」
      も、面白さは保証します。いやでなければ、読んでみてくださいませ。
      2014/12/14
    • hs19501112さん
      「チーム」へのコメント、感謝です。

      スポーツ小説・・・。同様に、おすすめをいくつか。

      堂場瞬一「ラストダンス」(プロ野球)
      誉...
      「チーム」へのコメント、感謝です。

      スポーツ小説・・・。同様に、おすすめをいくつか。

      堂場瞬一「ラストダンス」(プロ野球)
      誉田哲也「武士道シックスティーン」(剣道)
      佐藤多佳子「一瞬の風になれ」(陸上)

      2015/03/07
  • 続きが読めない、ということがこんなにも辛いものだとは思わなかった

  • 日本代表としてオリンピックに挑む話。
    今回はチームメイトではなく監督との関係性に悩む。
    代表に呼ばれてみたものの、役割がわからない、監督の考えていることがわからない、そんな中でオリンピックの試合ら続いて行く。
    一方で、監督についてはスポーツライターである主人公の父親が追う。が、この辺りは必要なのかが腹落ちしない。かなりの枚数を割いてるけど。結局、監督の過去が今の監督に及ぼしてあることはなんなのか、そしてそれが監督としての采配にどう影響しているのかはイマイチ読み取れなかった。
    もっと主人公のスペインでの活躍を見たかった。

  • レッドカード。

  • 日本のサッカーはキャプテン翼から始まったけど、これは小説版の先駆けですね。

  • サッカー少年龍時も19歳。アテネ五輪代表としてピッチに立つ。実際にはアテネで予選リーグ敗退をしたことを私たちは知っていますが、この本では、地元ギリシャに勝つことにより、予選突破というシチュエーション。そしてトーナメントでは、スペイン、韓国を破りブラジルとの決勝戦。ロナウド、ロベカルら最高のイレブンにズタズタにされながら食らいついていく日本。ブラジルもスペインも予選敗退しているので、全てが虚構の世界ですが、完璧なストーリーに思わず、本当の決勝戦を見る思いで応援している自分を感じます。それも田中達也、大久保嘉人、高松、平山相太、石川直宏、阿部勇樹、松井、トゥーリオ、鈴木啓太、根本、茂庭、そしてオーバーエイジの明神、曾ケ端、田中誠らの姿が現実そのものと重なってくるからだと思います。その中に虚構のリョウジと梶の2人が完璧にマッチしています。(そのためか、不動のレギュラー・ボランチ今野の名前は全く登場しません)今回も、著者の巧みな試合場面の描写に関心した次第です。そして山本監督ならぬ平義監督とその奥さんの悲しい隠された過去が絡み合いながら、謎解きのような監督の心の動きの描写が彩をつけています。著者が自殺したことを知っている私としては複雑な心境です。

  • 日本の若きサッカー選手が単身スペインに渡り活躍する様を描いたサッカー好きにはなかなか楽しめる内容となっています。作者様が亡くなってしまったためこの巻で最終巻になってしまうのが残念です。

  • 傑作。
    前にも書きましたが、私はサッカーをあまり見ませんが、それでも十分。
    サッカーシーンに描かれた、監督とリュウジの気持ちが交錯し、監督の家庭が描かれる。
    そんな言葉では語りつくせない世界があります。

    今はただ、野沢氏の急逝が残念でならず、ひたすら悼むのみです。

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