空ばかり見ていた (文春文庫 よ 28-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753290

感想・レビュー・書評

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  • 旅のことを思う時、ワクワクと寂しさが同居する。
    終わりがあるから旅なわけで、ずっと旅を続けるって悲しいことなんじゃないかと思う。
    時にとどまり、時に放浪し、出会って別れて。
    忘れて、思い出して、自分の居場所はどこなんだろう。

  • エッセイのような小説、そんな感じがします。吉田篤弘ワールド。ほんわかしたムードです。好きな人は好きと思いますw。波長が合わない人もいるかも・・・。私は嫌いではないです!「空ばかり見ていた」、2006.1発行、連作短編12話。店を持たない理髪師、放浪する床屋、ホクトさん(くん)をはじめ、さなざまな人物が登場、不思議な世界を醸し出しています。

  • 良い空気のお話でした。好きです。
    特別なことは起きないけど(一話、ファンタジーなのあったけど)、なんだか不思議で素敵な暮らし。
    読書好きなので、「彼女の冬の読書」のアヤトリさんの生き方に憧れました。春夏秋はがんばって働いて蓄えて、秋の終わりに本を買い込んで、冬は本を読むだけのぬくぬくした生活。ここまで思い切ったことは到底出来ませんが、とってもいいな。
    「冬眠」ではなく「冬読」。ブランケットと毛布と本を買い込みたくなりました。
    「永い水曜日の休息」も素敵なタイトルとお話。「曇り空」読んでみたくなります。
    「醜いと思ったら、何もかも醜く見えますし、それがまた美しく見える時もあるしーーー」これはしみじみとわかります。面白い、面白くないも同じ。素敵だと思ったら素敵なものばかり目につくだろうし。そんな生き方していこうと思いました。
    髪も切りたくなりました。

  • 20181112

  • 連作短編集。いや、主人公「ホクト」が出てくることには変わりないのだけど、それぞれの短編は全く味わいの違う作品。このあたりは同じ作者の「<a href=\"http://mediamarker.net/u/shojicyt/?asin=4094083391\" target=\"_blank\">78</a>」と似ている。
    「78」よりは読みやすいけれどもね。

    そういえば流浪するところもなんだか似ているぞ!

    散髪をするとなんだか頭が軽くなるだけではなく気分まで軽くなる(俺だけ?)様に、「ホクト」はバサリバサリと(それぞれの短編の)語り手の「心の重荷」を体から切り離していく。
    もちろん読後の読者の気分まで軽くなっていく。

    この短編集を読んでいて作者の仕掛けた謎かけに全く気がつかなかった。
    後書きで解説されていて、ようやく理解。
    まさか自分が大好きな<span style=\"color:#ffffff;\">荻原朔太郎</span>の「<span style=\"color:#ffffff;\">猫町</span>」が一つのモチーフになっているとはねぇ

    シモキタ....散歩行こうかな....

  • お店を持たない流しの床屋「ホクト」の物語。と、聞くとどこどこへ行った時の主人公ホクトのお話となりそうだが、全く違う。もちろん、床屋「ホクト」はそれぞれのお話に名前もしくは、そんなようなものが登場する。でも、登場は主人公だったりもするし、主人公の読んでいる本の中だったりもするし、主人公が翻訳している物語の中だったりもする、床屋だったりもするけど、猫だったり、時代も国も世界も自由自在。あ~、そうそう、こんな自由なお話が読みたかったんだよ、今。悲しい時、弱っている時、こういうお話はいつだってそっと寄り添ってくれるんだよね。

  • 流れの床屋のホクトさん。が現実と想像とででてくる短編集。
    あとがきのエッセイをさきによんだほうがすんなり入る。
    あの商店街でてきた。

    C0193

  • P124~

    p243~

  • 放浪の床屋・ホクトの物語。旅先でのふれあいやちょっとした冒険を通して彼の優しさが伝わってくる温かい作品。

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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