- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167773984
感想・レビュー・書評
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内田先生と武術研究者の甲野先生の対談
たがいに褒め合いになるところも多かったけれど、やはり面白い。甲野先生が桑田投手のリハビリに一役買っていたことは知らなかった。
身体のメカニズムはなかなか深遠だと改めて思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思想家の内田樹と、古武術家の甲野善紀の対談です。
サブタイトルに「武術的立場」とあるように、武術そのものについて語られているというよりも、武術において最大限に発揮されるような、精神と身体が一体となったしなやかな知性に基づいて、教育や政治などさまざまなテーマについて語られています。
内田樹や養老孟司といった論者は、これまで多くの著書を通して、悟性的な知の支配に対して、身体知という突破口からの批判をおこなっており、私自身もそこから多くのことを学んできました。しかし、身体知が単なる批判原理にとどまらず、身体知から帰結する思想の具体的内容がベタに語られているのを見ると、どことなく危うさを感じてしまいます。 -
武術と並行的に仕事・教育・勉学・暮らしについて論及していく対談本。
内田先生の著作はけっこう好きでして、単著・鼎談モノ含め数冊読んでいます。
本書は本当に面白い。武道・武術に通じた両氏が対談をする。その構図だけでもうわくわくしますね。
本の「帯」に“ふたりの達人から人生の基本を学ぶ”と銘打たれています。このお二人からのメッセージは、基本なんて無いに等しいですよということ。本当にそれって基本なのかな?と一旦疑うこと、その知的態度こそが基本なのかもしれない。月並みな表現を使えば「鵜呑みはやめましょうね」ってことだろうか。
武術・武道なるものがなぜ生まれ、なぜ営まれるかについても感じ取ることができた気がするなあ。体感・体得するには実践しないとならないのだろうけど。
規矩を見直す。常識だと信じ切っているその自分の常識を疑う。そういうことって、本当に利口な人の習慣なんじゃないかな。周囲にもそういう尊敬すべき人がいますなあ。そして、凡人には思い描くことすらできないことを考えそして、実践している人が達人だったり、更にその上の人(そういう人をどのように表現するか分からないが)なのだろうなあ。 -
甲野氏との対談での内田氏がいつも以上の鋭い切り口が見られ、対談相手によって響きが変わってくるのが顕著に見られた.
甲野氏の武術のみにとらわれない愚直な探求の姿勢には驚かされる.
甲野氏の話を聞いていると、武術が世界に繋がっておりどのような分野のことでも突き詰めれば世界を語る普遍性を見いだせるのだなと思った.(同じ事は本書で甲野氏も述べている) -
頭で記憶するだけでなく、身体を使う、単純に考えてみる、疑問に思う感覚が大切だとあらためて考えさせられました。どちらかの二者択一ではなく、両方のバランス感覚をうまく使うことが実は自然だったり、と考えています。
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頭をもみほぐした感じ。
学ぶとは別人になること、
体を使って考えることの大切さは、私は養老孟司先生から学んだが、
同じ考え方が随分書かれていた。
体で学ぶことや、体に耳を傾けることが何なのかについてのヒントが
散りばめられていて、また次のステップのキッカケになるだろう本。
これからも続いていく過程の本だったなぁ。 -
身体で考える2人の興味深い対談。
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2010.12月読了。