その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫 よ 31-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167813031

作品紹介・あらすじ

コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第2弾。

    なんだろな、すっきりしない感じ。読み始めたら読み切るつもりだけど、これまで読んだ食堂系のお話とちょっと毛色が違うから?

    今回は怪しい不動産詐欺的な話がうっすら漂っていた。決着するまでの約1年。草さんのお店のライバル店が出現、商売のやり方が微妙。障がいを持った子どもをもつお父さん。など

  • 76歳の老婆が主人公。
    些細な事が重なって身の回りで事件(今回は放火と店前に産廃廃棄)が起こる。ま、でも真相っぽいところには届くが解決するわけでもなく、その後どうなったかは不明のまま終わる。とりとめないなあ、と思いながら何となく読んでしまう。


    作品紹介・あらすじ
    コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…。

  • '23年5月27日、Amazon Audibleで、聴き終えました。シリーズ二作目。

    僕には、前作よりも良かったです。一編一編は個別に結末があり、最後の章への繋がりにもなって…と、連作短編集によくある演出でしたが、一つ一つがとても優しさに溢れた、良いお話でした。

    どれも良かったですが、中でも第三章の「水無月、揺れる緑の」が、印象に残りました。当時の女学生達の幸せをささやかに願う草おばあちゃんに、心が温まりました。素敵な短編だと、思いました。

  • 紅雲町珈琲屋こよみシリーズ第二弾。
    大分前に1冊目を読んで2冊目3冊目を買い放置してしまっていたもの。
    1冊目よりも2冊目の方が主人公のお草さんの人柄がよくわかり面白かった。
    成り行きで人の弱みにつけ込み商売する輩と対峙することになってしまったり過去の後悔を思い起こしてしまったり…それでも最善の終わり方をしてよかった…と、ほっとするのでした。

  • 2011年5月文藝春秋刊。書下ろし。2012年11月文春文庫化。シリーズ2作目。事件を取り巻く状況が緻密で、はっとするような謎が、明かされる、ご近所もののコージミステリー。草さんがアクションシーンに巻き込まれるところがあったりする、一年間の出来事を綴ったこの話が、現8作中で、今のところ、いちばん好きです。

  • お草さんのシリーズ2冊目。
    連作短編で、次第に事件が絡み合っていきます。

    北関東の紅雲町。
    「小蔵屋」というコーヒーと和雑貨の店を出して10年になる杉浦草は、76歳で独身。若い頃に離婚し、地道に働き続けてきた。
    若いが頼りになる店員の久実と一緒に、コーヒーの試飲もさせる店をやっている。
    近くに安い雑貨店「つづら」が出来て、露骨な営業妨害をしてくるようになった。

    アパートの前で捨てられた人形を見つけたお草さん。
    その持ち主らしい子どもの荒れた様子に驚く。
    かって幼い我が子を失っているお草さんは、困っている子どもを放ってはおけない。
    けれど、これは虐待というのではなく…
    叔父の田村は30歳ぐらいの誠実そうな男で、理由を説明するのだった。
    久実は田村に好意を抱いたようで、店にもよく来るようになった子タケルを皆で可愛がるが‥?

    福祉作業所のたんぽぽで作っているキャンドルを売ってくれないかと頼まれるが、特徴のない品なのに高すぎると筋を通す。
    「つづら」では福祉に協力するために販売していると評判になり、しかも小蔵屋では断ったと広められる。
    ところが「つづら」では、おまけとして配っていた。
    別な販売方法を工夫する草。

    展覧会に出かけたお草さんは、久しぶりの知人に出会う。
    彫刻家の須之内ナオミは、まだ草が40歳の頃、呉服店の手伝いに通っていた頃の知り合いで、当時は高校生だった。
    ナオミがアメリカに行く前にあった出来事について意見を聞かれ、当時の知り合いに電話してみた所…?

    カレー屋を経営する香菜という女性と知り合い、不動産取り引きの問題を聞く。
    呉服のマルフジが高利貸しにも手を広げ、不動産屋と組んであくどい手を使った疑いが。
    マルフジの社長とは、かって縁談が起きた間柄だった。
    この件には、田村にも意外な関わりが‥?!

    表紙イラストのほのぼのしたイメージを期待しすぎると違うかも。
    日常の謎系ではありますが。
    和装で髪を髷にまとめているので、おばあさんという感じだけど、そうでなければまだ、おばさんでというか初老で通るかも?
    現役の働く女性で、健康だと、いまどき。
    とはいえ、長く生きているとこんな経験もする、という印象はありますね。

    40年も前なのにと自分でも思いつつ、幼い息子を失ったことを悲しむ草。
    普段は淡々と暮らしていても、時にはその思いがあふれ出すように。
    40年前に終わったことではなく、40年も続いた悲しみなのでしょう。
    力のこもった書きぶりです。

  • 祝文庫化!今朝から一冊目を読み始めました。。。

    文藝春秋のPR
    「ヒット作『萩を揺らす雨』続編、待望の文庫化!
    北関東の紅雲町でコーヒーと和食器の店を営むお草。詐欺まがいの不動産取引について調べ始めると、因縁の男の影が。シリーズ第2弾」

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    「小蔵屋を営む老女・お草は、最近くさくさしている。近所に安さと豊富な品揃えが売りの和雑貨店・つづらが開店し、露骨な営業妨害を仕掛けてくるからだ。しかもつづら出店の裏には詐欺まがいの不動産売買の噂があって、草はほうっておけなくなるが…。コーヒー豆と和食器の店を舞台に、老女が街で起きるもめ事を解決するコージー・ミステリー。 」

  • シリーズ2作目。
    今回は展開が大きくて重たかった。
    家族の関係って難しい。
    そして誰かと誰かが繋がってる、田舎あるある。
    少しごちゃごちゃ感があって読みづらかった印象。

  • *コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…人気シリーズ第二弾*

    人に勧められて手に取りましたが、端正な文章も含め、とても凛とした作品です。よくある、善人のおばあちゃんのお節介物語ではないところがとてもいい。寂しさとやるせなさを抱えつつ、静かに、時には厳しく物事を見守る。いろいろな事情を抱えた登場人物に、控えめに手を差し伸べる。キャンドルの灯のような、さりげない優しさと寂しさが心に沁み入ります。

  • 「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ第2弾。
    杉浦草は紅雲町で和食器とコーヒー豆の店「小蔵屋」を営む。
    70代の草は和服を粋に着こなし、髪をお団子にまとめ、蝙蝠傘は杖代わり。
    これまでの人生、辛いこと、後悔することが多かった分、人として魅力的なのだろう。
    だが、時として草の優しさは受取り手の思いとのズレを生じさせてしまう。
    言い訳をせぬ姿勢は言葉足らずと感じられることもある。
    見返りなど決して求めないのが本当の優しさだとは思うが、平穏でいられないのが人の心。
    前半はひきつけられて読んだのですが、後半は…
    ちょっとペースダウン。

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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