- Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167902735
感想・レビュー・書評
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「意味などない。そんなものは後から僕が作るのだ」
――榎木津礼次郎詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
合わない人にはくどく読みにくいと思うが僕には心地良い。 作者の感性と言うか物事に対する捉え方が成程と思ってしまう。 文章もとても洗練されていて内容以前に文章の奇麗さに惹きつけられるのはこの人と藤沢周平ぐらい。 文量も結構あるのでお得な安定した内容。
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★3.5
「百鬼夜行-陰」の続編で、全10編が収録された短編集。京極堂シリーズに登場した人たちの前日譚や後日譚が綴られ、シリーズ作の奥行きがさらに広がる作り。私的には、少し前に再読した「邪魅の雫」の登場人物、大鷹と江藤、赤木のエピソードが身近に感じた。しかも、三人揃って既に亡き人、というのがまたまた憎い。が、本作で一番気になったのは、やっぱり榎木津視点で綴られる「目競」。榎木津の特殊能力は戦争以降だと思っていたけれど、なるほど、そんな歴史があったのか。何はともあれ、早くシリーズ最終巻「鵺の碑」が読みたい! -
短編10話。青行燈:青に染まる冥い部屋、幽霊にもう一度逢うこと願う老人と雰囲気抜群。青鷺火:人は死んだら鳥になる云々の話がかなり好き。他にも大鷹くんがヤバイ話、榎さんの過去話とどれも面白い。しかし鵺の碑の登場人物チラ見せからのいつまでも出さない放置プレイはやめてくれ!
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悪や嫉妬や無知や恥。
それらを形にすると、ヒトには見えない、妖のようなものになるのではあるまいか。
そんな風に読めました。
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人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登場する者たちの闇と因果を綴る怪異譚。
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かつて読んだ本のリストをチェックしているうちに京極夏彦
の「百鬼夜行シリーズ」が懐かしく思い出された。またあの
世界に浸りたいなぁと思ったのだが、ご存じの通り読み出す
と途轍もなく長い(苦笑)。映画や漫画でお茶を濁すのも少し
違うと思ったので、シリーズ中まだ読んでいなかった短編集
の本書と中禅寺敦子が主役の今昔百鬼拾遺三冊を読んでみる
ことにした。
で、この「陽」である。長編を読んでいない人にも楽しめる
ように書かれているとのことだが、やはりこの本は長編を
楽しんだ人向けのボーナストラックのようなものだろう。
すっかり忘れていることも多く、ネットであれこれ検索し
ながらの読書だったが、楽しく読むことが出来た。特にここ
最近古本市・古本屋巡りが趣味と化している当方にとっては
初っぱなの京極堂の古本講義がとても面白かった。 -
京極堂シリーズの短編集。レギュラーメンバーが直接的に登場するのは2作だけだけど、それぞれの世界観や語り口は共通。短編とはいえ、それぞれ普通なら1冊にできるようなボリュームで読み応えあり。
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夢中になって読んだ「京極堂シリーズ」ですが、現時点で最新作の「邪魅の雫」が出版されてからかなりの歳月が経過し、すっかり記憶も薄れてしまいました。
とはいえ、好きなキャラクターの一人であるセツちゃんの登場は嬉しく、中々出版されない次回作につながる話もあるようで期待感。
とりあえず本編読み直してから出直します。