永い言い訳 (文春文庫 に 20-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906702

感想・レビュー・書評

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  • 描写が頭に浮かびやすく、読みやすかった。映画のキャスティングも最高そうなので観たい。

  • 幸夫、陽一、子供たち、どの登場人物の気持ちにも共感できた。
    妻を亡くした者同士、まるで本当の家族になっていく様。
    優子の存在によって、それが崩れていく様。
    陽一の鈍さ、幸夫の繊細さ、すごく上手く書かれていた。

  • 人間ってこんなにも悲しいなあとしみじみと実感。

    陽一さんでなく津村さんに感情移入してしまう自分に嫌悪感を感じるものの、この本が評価されてることを思うと人間(読んでる人)みんなこんな感じなのかなとも思って安心する。

    どうしようもない感じというか、根本的に解決してるわけではないのに、なんだかんだ気持ちよく話が終わっていることになんだか不思議な気持ちになる。 

    結論よかったみたいにはなるけど、結局津村さんは夏子さんが死ななかったら変わらなかったわけだし、そこは仕方ないような、残念な気がする。

    あと、真平くんにいった津村さんの言葉はやはり上っ面に見えて、真平君に染みてる分には、彼はまだ真っ直ぐだなと思えたけど、彼の、取り繕う人間性みたいなのは変わらないなと残念に思ったりもした。

  • 映画を観たんだけど、幸夫くんは結局、夏子に対してどう思うようになったのかが、わからなかったので、原作を読むことにした。本を読んで、ようやくしっくり感じることができた。
    失ったから、わかったんだなぁ。
    夏子はきっと、天国で、もう今さらどうでもいいよ~、いい作品書いてね~、さよなら~と思ってると思うなぁ。幸夫くんへの想いは、幸夫くんからの仕打ちによって、少しずつ少しずつ削られて、ひとかけらも無くなったんだもの。

  • 人気作家の津村啓こと衣笠幸夫と妻の夏子の間は、冷めきっていた。
    妻がどこに出掛けようと、その先すら知ろうとしなかった。
    そんな旅先で妻は親友と事故で亡くなった。
    幸夫はその連絡を受けても、妻の遺体に対面しても泣かなかった。泣けなかった…
    その後、幸夫はそれまで付き合いがなかったが、同じくして亡くなった夏子の親友家族との交流が始まる。
    親友の家族には子供が2人いて、旦那はトラックの運転手のため、夜間に家を空けることもあり、幸夫か協力することになったのだ。
    そこから、子供たちとの関わりを通じて、幸夫にさ様々な感情が湧き始める。
    妻とのお互いの気持ちのすれ違いに後悔しつつ、自分の気持ちに向き合い始める。
    人は色々な人や感情に支えられて生きているんだなぁとあらためて感じる作品。

    2021.4.7

  • 小説を読んで感動して、すぐに映画館に走りましたw全体的には小説の方がよかったけど、髪の使い方はリアルにビジュアルのある映画がよかった

  • 終盤に差し掛かるまで、主人公のキャラクターにあまり共感が持てずに読み進んだが、終盤にグッと気持ちに迫るものをかんじた。

  • 色んな人の立場からの描写があって、全部に共感できた。家族ってなんなんだろう。

  • 大切な人を失ってから気づく、当たり前の価値。残された者は、残された時間を作り出して生きていくしかない。

  • わたしはこれは映画よりも本の方が好き

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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