ナイルパーチの女子会 (文春文庫 ゆ 9-3)

著者 :
  • 文藝春秋
3.62
  • (159)
  • (320)
  • (280)
  • (76)
  • (18)
本棚登録 : 4032
感想 : 338
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910129

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 表紙のイラストに描かれている可憐な女性達のさぞや楽しい女子会の物語かと思いきや蓋を開けたらかなりハードな女性たちが描かれ読んでいる間中、息苦しくなる程、濃い内容でした。

    怖いエピソードがてんこもりですが、それぞれの女性たちに自分自身を重ね合わせ近い事があったんじゃないかと感じたり考えさせられたり女性の深層心理に迫った内容はかなり強烈でした。

    読んでいる間中、怖くて辛い、けれど途中で閉じる事が出来ない。

    まるで深い海の中でもがいている様な錯覚に陥った作品でした。

  • キャリアウーマンで実家くらしの栄利子と、主婦でずぼら主婦で人気のブロガー翔子が、読者とブロガーという立ち位置から、友達になり、そして徐々に破綻していく。
    『女友達』に焦点をあてている作品ですが、とにかく読み進める手が後半はとまらなかったです。

    柚木麻子さんの作品は何冊か読んでいたのですが、いまのところ一番ドロドロしている作品かも、、
    最後に、重松清さんが未読の人、既読の人にむけた素敵な解説が載っています野で、気になった人はまずはそこから読んでほしいです。

    この作品につながっていくかもしれない『BUTTER』を次よんでみようとおもいます。

  • 正直、ゾッとした。
    自分自身も他への行いを振り返った。

    タイトルだけではどんな内容か想像できなかったが、読み進めるうちに手が止まらなくなる内容だった。

  • 水川あさみさんでドラマ化されてたな、と気になっていてやっと読めました。なかなか長いですが一気に読了。
    村田さやかさんの地球星人を読んだあとだったので、爽やかなラストに感じましたが、これはこれでなかなかどろどろした話です。
    女同士のドロドロで片付けたらいけない位、共感できる部分があり苦しいシーンがありました。平和ボケした普通に育ってきた私でさえ。

    えりこにも、しょうこにも、私の断片がいるし、他の女性もそうではないかと、、、

  • 柚木麻子にハマるきっかけになった一冊。わたしはどちらかといえばエリコ寄りの人間だなあと思いながら読み進めた。そう思うたびにエリコの気持ちがよくわかるのだけど、やりたかった「友達ごっこ」もかけてほしかった「親友からの言葉」もどんどん狂気じみていって、何故かギクりとするような胸くそ悪さがあった。私はここまでではないよな?というような。でも誰しもこういう思いはあるんじゃないかなあ、というのが、終盤のショウコのノリへの依存を経て感じることだった。
    虚しくなるくらい悲しかった関係が変わってしまった2人の2人乗りの場面、2人の気持ちの違いに目を背けられないシーン。友達は結局のところ他人であってその深いところはやっぱり知り得ない部分。悲しいけどある程度の距離感は受け入れて知らないふりをして、笑い合えるからこそうまくいく。真織も友達へのいきすぎた執着があってそれが決して良いだけとはいえない。「友達」に対する概念を色々と考えさせられた。しかし面白かった!

  • こんなに序盤でこんなに怖くなっちゃって良いの?と思って読み始めた。最後までずっと怖かった。

  • 最初は女の嫌な部分上手く書けてるでしょ〜〜っていう作者の思惑を感じて苦手かもと思ったのですが、読み進めていくうちにそれだけではない話ということが分かりました。
    丁度人間関係で色々あったときに読んでしまったので読むのが苦しかったです。自分も無意識に栄利子みたいになってないか、怖くなりました…。
    色々名言があったとは思うのですが今の自分に受け止め切れる情報量ではありませんでした…。
    真織のキャラが良いです。

  • 自分自身の歪さに
    気づこうとしないのも
    向き合おうとしないのも
    開き直って取り繕うのも
    見上げたものじゃない。
    ただ、誰がそれを非難出来るか?

    自分以外の他が圧倒的に多いこの世の中で、他人を求めることは自分の為。生きる為に必要なこと。
    ただ、他人を求めることが全てじゃない。

    「友情を育む」という行為自体に無理がある。
    無理してる時点で友達なのか?

    内容が刺さり過ぎる。

  • 女性間の友情を通して、自分の足りないところ、根本的に間違っているところ、でも最初からそういう人間でしかないから今更どうにもならなそうなところ・・・
    気づかずにいたら幸せだったと思える劣等感や絶望感をガリガリと鋭くえぐってくる。
    いやーキツい。
    キツいけど面白かった。

  • 題名にも「女子会」とあるので女性間の
    人間関係に主眼が置かれた内容と思って
    しまいますが、男性にも当てはまるので
    す。

    テーマは「他人との距離感」だからです。

    ただ主人公は女性なので、女性同士の難
    しい人間関係の描写は非常に巧みなせい
    か、恐ろしくもあるのですが、こと「他
    人との距離感」というのは誰もがその難
    しさを感じたことはあると思います。

    「友達」と呼べる間柄の距離ってどのく
    らいなの?と考えてしまう一冊です。

著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
柚木 麻子
米澤 穂信
朝井 リョウ
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×