花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫 よ 31-8)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 333
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912925

作品紹介・あらすじ

北関東の小さな町で、珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」を営むおばあさん、お草さん。彼女の周囲にあたたかく描かれる人間の営み、日常にふと顔をのぞかせる闇が読む者を引き込む大人気シリーズ第6弾。秋のある日、草のもとに旧友の初之輔から小包が届く。中身は彼の書いた短い小説に、絵を添えたものだった。これをきっかけに初之輔と再会した草は、彼のために短編を活版印刷による小本に仕立て贈ることにした。そんな中、本作りを頼んだ印刷会社が個人データ流出事件に巻き込まれ、行き詰まる印刷会社を助けることに。その過程で、お草は印刷会社周辺の人々の過去に触れ、ある女性の死にまつわる〝不可解〟を解きほぐすことに……。「一つほぐれると、また一つほぐれてゆくものよ」―-逃した機会、すれ違い、あきらめた思い――長い人生、うまくいくほうがまれだったけど、丁寧に暮らすのが大切。お草さんの想いと行動が心に染みる珠玉の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本で再読(^^)最初に読んだ時は「サムサムサンド食いてぇなぁ( ̄¬ ̄)」とお気楽な感じだったんだけれど、雪かき疲れのせいか今回は「あぁ…久実ちゃんが居てくれたら、雪かき手伝ってくれるのに…(-。-;)」と話と全然関係ない事を考えてた(--;)

  • 今回特にミステリーの要素が強いお話でした。お草さんのお店に行ってみたいけど、いつも荷物が多い私は器とか割っちゃって大騒ぎしそうだ。

  • 友人は何年経っても友人なのだな、と。

    サンドイッチが食べたくなる

  • 一幅の巻物から始まる今回の物語。
    それは草さんを過去に誘いながらも、新しい謎へも繋がる切符。

  • お草さんシリーズ第6弾。
    初めて(か、久々に?)お草さんのお節介を大きなお世話でしたと受け止めた人がいたな…と思いました。基本的に、最終的にはこれで良かったみたいにはなるんだろうけど、スパッと切り替えられる人もいれば時間がかかる人もいるのは人なので仕方ないです。
    久実ちゃんも萬田さんも良い人だ。咲紀子さんもだけど。今後も3人仲良くしてそうな気がします。どんなに仲良さげなキャラでも以降出てこなくなるのがお草さんシリーズではあるのでそこは寂しい。
    お草さん、バクサンさん、ご友人の初之輔さんが思い出の場所で撮った写真をお草さんが「あの世みたい」って言い表すの、年取るとこういうのサラッと出てくるようになってしまうんだろうなと思いました。

  • お草さんのもとに若い頃芸術活動をしていた旧友から絵巻物が届く。懐かしむ余り旧友が書き上げた短編小説を自費出版するため萬來印刷に依頼するが、大手印刷会社の個人情報流失に巻き込まれるなど一騒動が起きる。また、小蔵屋の従業員の久実さんと萬來印刷の社長との微妙な関係にも気を揉むお草さん。そして、ある女性の死についても調べ悲しくも切ない真相に辿り着く。いろんな出来事や廻りの人々と関わりを持ちながら気丈夫で暮らすお草さんが頼もしい。友人の由紀乃さんの存在も心の支えになっている。活字を一つ一つ拾う活版印刷を改めて知る。

  • 2018年2月文藝春秋刊。書き下ろし。シリーズ6作目。2019年6月文春文庫化。データ流出事件や自殺で片付けられていたことに関わる草。真相に迫る過程に気をもみましたが、話の展開の中での草と登場人物たちのはからいにホッと胸をなでおろすことしきりでした。読み応えのあるお話です。

  • 読み終えて、じわじわと温かなものが胸にこみ上げた。苛まれた過去も、ふと出会い直した時には慰めてくれるものに変わったりする。今だからこそ、今が在るからこそ受け取れるものがある。

  • 若かりしお草さんの思い出とともに進む、小蔵屋の秋から冬。
    賑やかな脇役、久実ちゃんにもスポットが当たる。
    活版印刷と美味しそうな焼き豚レタスサンドイッチが個人的にツボでした。
    今回も色々な話が少しずつ絡み合ってるけれど、データ流出の顛末がイマイチよくわからなかった。

  • あなどれない
    日常を描くこの作品
    トラブルや何気なエピソードが
    最終章に編み込まれ、一つの柄が見えてくる
    ミステリだよね?
    気持ち良い

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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