皇后雅子さま物語 (文春文庫 と 22-2)

著者 :
  • 文藝春秋
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 29
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167913236

作品紹介・あらすじ

仕事と結婚、ご出産への重圧、公務と育児、「人格否定」と「適応障害」――苦しまれた日々を超えて。『ザ・プリンセス 雅子妃物語』を増補・改題した傑作ノンフィクション!令和を迎えて――文庫のための前書き【序 章】幸せの黄色いワンピース1993年1月19日、喜び溢れる皇太子と、黄色のワンピースに身を包んだ雅子さんの婚約会見で、笑顔が弾けた。だが、そこには将来の苦難を予感させる何かがあった──。【第1章】帰国子女の憂鬱1歳でソ連へ、4歳でアメリカへ──。日本に帰国した時には7歳。外交官の娘として、出会いと別れを繰り返し、田園調布雙葉学園に小学校3年で編入した雅子さん。のんびりした校風が合ったのか、次第に動物好き、スポーツ好きの個性を発揮する。【第2章】「根無し草にはなりたくない」8年ぶりの米国、飛び級で高校2年に編入。忘れてしまった英語、積極性が求められる授業―不安は小さくなかった。猛勉強のかいあってハーバード大を優秀な成績で卒業したとき、その胸に湧いたのは「日本人として、日本で働きたい」という思いだった。【第3章】新人外交官の悩み、お妃候補への戸惑いハーバード大卒の美人外交官、しかも父親は条約局長──そんな情報から皇太子のお妃候補に推されたことなど知らず、雅子さんはスペイン王女の歓迎パーティのため東宮御所に向かった。きっと外交官としての将来に役立つに違いないと思いながら―。【第4章】皇太子妃選定「極秘プロジェクト」皇太子の思いを受け、宮内庁の〝小和田雅子さんプロジェクト〟が始動した。父への仲介役から、しだいに説得の輪が広がっていく。度重なる皇太子からの電話にとまどう小和田家。しかし皇太子の真摯な人柄が、次第に雅子さんの心を動かしていく。【第5章】ご成婚――雅子さんのいちばん長い日ついに来たその日。雨模様のなか「結婚の儀」を終え、パレードに出発すると、雲間から光がさした。天までも祝福しているようだった。実家を出るときにも見せなかった涙が、雅子妃の頬を伝った瞬間とは──。【第6章】「新皇太子妃」に差す影子どもを切に望みながら授かれないことへの悲しみは、皇太子妃とてかわりない。「ご懐妊説」を繰り返す報道への戸惑い、阪神大震災直後にうしろ髪を引かれつつ旅立った中東訪問への批判、海外メディアの「雅子妃は籠の鳥」報道──新皇太子妃は困惑していた。【第7章】長官が尋ねた「お身体のこと」「ご懐妊への自覚」がないという誤解のなか長官が雅子妃にかけた言葉とは。極秘裏に治療を始められ、ようやくみえた懐妊の兆候。宮内庁と医師の判断に従い、ベルギーに出発されたが──。流産の悲しみが癒えない雅子妃に、「厳しい叱責」が浴びせられた。【第8章】愛子さまご誕生までの全舞台裏ご夫妻は誕生まで男子か女子か決して知ろうとはされなかった。わが子の誕生は、何にも代えがたい人生の喜びだ。長く望んで努力されてきたなら一層の感激だろう。だが女子が生まれた次の瞬間から「第二子を」と求める声に晒されれば──。【第9章】涙が止まらない8年ぶりの外国訪問のかげで、雅子妃のお身体には今までにない「お疲れ」が。わが子への思い、皇太子妃としての自分を否定されるかのような宮中晩餐会の出来事。雅子妃の心は疲れ果てていた。そんな時に追い打ちをかけるような長官の「第三子発言」が。【第10章】「人格否定発言」初めて語られる真相「雅子のキャリアや人格を否定するような動きがあったことも事実です」衝撃的な発言の真実を徹底取材で検証する。秋篠宮から、天皇から、相次ぐ皇太子への苦言。事態の収拾に躍起となる宮内庁。雅子妃の病気に批判的な声は高まっていく。【第11章】ようやく治療がはじまった皇太子の衝撃的な発言がきっかけで、ようやく専門の医師がついた。私的外出から公務へ、できることから少しずつという日々のなか、オランダ王室からの招きで実現した海外静養。だが父の転勤で、外交官として、日常だった外国へのフライトが大きな試練でさえあった。【第12章】悠仁さまご誕生――急転する皇室の運命男子誕生――皇室に大きな吉事が訪れ、公私の新たなバランスを模索する皇太子ご夫妻。だが雅子妃の活動が広がるにつれ誹謗のターゲットになった。さらに「お言葉を大切にしていただきたい」とあえて会見の場で皇太子への苦言を繰り返す宮内庁幹部。その真意は。【第13章】愛子さまが学校に行けなくなった日乱暴な児童の存在で登校を怖がるようになった愛子さま。いま手を尽くさなければ、二度と学校へ行けなくなってしまうかもしれない――雅子妃の登校お付き添いにかけた思いは理解されず、いわれなき中傷が広まる。そして、東日本大震災が日本を襲った。【第14章】ご成婚二十年――雅子妃はお幸せだったのか聡明なひとりの女性が、愛情あふれる結婚をした。しかしいつの間にか、彼女の微笑みは消えてしまった―。だが雅子妃は一歩ずつ、オランダ国王即位式、東北三県の被災地訪問へと歩みだした。そして愛子さまの成長を見つめるその目に涙が――。【終 章】令和の皇后として愛子さまの「令和」の手習いを壁に張り、雅子妃は新皇后としての準備に自らを奮い立たせていた。即位の日、あの笑顔が甦った。一般参賀では、幸せの黄色いワンピースを彷彿とさせるお姿が――。人びとを癒しながら癒される、新皇后の公務が始まる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 詳細な取材にもとづいて、雅子さまの人となりをできるだけ客観的に書き、なぜ病気(適応障害)になってしまったのか、雅子さまは結婚して幸せだったのか、多くの国民がモヤモヤとしているところを突っ込んで書いたルポ。いや、ルポじゃないかな?取材記録、みたいな感じかな。ほぼ時系列で、事実を書き連ねている感じです。
    こういうのを買って読む時点で、私もゴシップ好きな大衆の一人か?と思うけど、つい買ってしまいました。
    結論としては、やっぱりマスコミが悪いんじゃないの?著者は偉そうに書いてるけど、そういうマスコミの一人じゃないの?と思った。あと、一般の人にはわかりにくいけど、「宮内庁」と「東宮」との対立みたいなものもある、ということがわかった。
    基本的には雅子さまに好意的に書いてあります。私は国民の一人として、そして女性として、雅子さまが心身ともに健康でお幸せでいてほしいと心から願います。
    皇位継承について、一人の女性の肩に日本の未来が全部のしかかってしまうような事態は最初から避けなければならなかったと思う。男児を生むことがそんなに大事なら(そのこと自体が間違っているけれども、日本の制度上仕方のないことなら)、最初からもうちょっとオープンに不妊治療について話し合ったり、プライベートなことに首を突っ込んで本当に申し訳ないけど避けては通れないことだから、と、女性の医師なり侍従なりが寄り添って相談に乗るべきだったんだろうなと思う。
    一人の女性をここまでの悲しみに陥れたのが、日本の立憲君主制に起因することだと考えると、なんだかなぁと思う。
    ただ、書籍としては、結局ゴシップ的な週刊誌記事の延長線以上のものではないと思ったので★3つ。

全3件中 1 - 3件を表示

友納尚子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×