- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167914455
作品紹介・あらすじ
〈声無き死体のミステリー。この謎が解けますか?〉町はずれの一軒家が火事になった。焼け跡から、頸や顔が焼け焦げた2人の死体が発見された。この家に住む母と子で、一見して「焼死体」と判断される状況。だが、監察医であった著者は、警察の検視官に見せられたある写真に注目する。「これは、絞め殺されている!」――焼死ではない、「絞殺死」だと断定した根拠とは、一体なにか?死斑の色に、まぶたの裏に、頭蓋骨の奥底に、本当の死因は隠されている。捜査機関から絶大な信頼を得た元監察医が、2万体を超す検死実績から導き出した、死体の声無き声を聴く「上野法医学」、決定版。
感想・レビュー・書評
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死体の特徴について色々書いてあってとても勉強になった。上野先生の豊富な知識や経験にはとても驚いた。生きている間だけではなく、死後も名医にかかるべしというのがとても印象に残った。法医の人手不足の中で名医にかかるかどうかは運だと思うし、人材育成も難しいとは思うけれど、せめて殺人犯が野放しにされないような社会であって欲しいと思った。
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「死後も名医にかかるべし」。死体は嘘をつかない、死体は語るとして、監察医であった著者が実際に担当した検死をベースに様々な遺体の状態から法医学を繙く。どんなに証拠隠滅を図ろうとも、そこに遺体がある限り、犯罪は全て露呈する。まさしく「死体は語る」のだ。終盤に記された尊厳死、安楽死については考えさせられる。如何にして死ぬか。患者側は勿論、医療者も一緒に考える時代になったのだと思うと死は生の一部であることを強く感じる。また元気な人の突然死(腹上死)についても真面目に研究したとあって興味深く読みました。
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普通に面白かった。
素人にも分かりやすい、法医学の入門書。
刑事ドラマが好きな身には興味のある内容。 -
死体解剖保存法第8条に基づき、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸の5大都市において施行されている(監察医)制度。と、『死体は語る』の感想に私が引用記載していたが、本書『死体は語る2』のあとがきでは、横浜が廃止され、全国4都市のみで施行されているとあった。法医学専攻する医師不足と予算配分の影響とのこと。残念な状況である。
東京都23区内で発生した変死者は、警察に届けられ、遺体は警察官立会いで監察医が検死する。検死で死因が不明な場合行政解剖して死因を明らかにする。
これが、監察医制度で監察医は地方公務員にあたるとのこと。
本書には、死因を特定する医学的知見とともに、一見事故に思えるものでも、検死や行政解剖で別の原因で死亡したことが明らかになることがあることを、包み隠さず記されている。
殺人事件を扱う作家必読の書といえるのかもしれない。
こうした監察医制度がない道府県の悩みについては、『焼かれる前に語れ』という本をお勧めする。司法解剖医であり千葉大学大学院教授である岩瀬博太郎さんの著書。
監察医制度がないところでは、死因が特定されずに火葬されることが多い実態がわかる。2007年9月に出版されているものなので、環境は変わっているかもしれない。岩瀬さんの著書もう一冊『法医学者、死者と語る』2010年8月初版もお勧め。不審死の90%が法医解剖されていないことが記載されている。
できることならば、監察医、司法解剖医のお世話にならない死に方をしたいものである。
医師になる人の動機の多くは、人命救助であろう。法医学医の担い手となる人は少ないことも心情的に理解できるが、法医学医は社会秩序を担保するため重要な役割を担うもの。この制度が今後どのように推移していくか、注視していきたい。 -
法医学者で監察医の著者が、警察官向けの雑誌への連載の文庫化作品。
やはり、一般向けの他の著書に比べてやや専門的か。 -
簡潔な文体、わかりやすい内容、深まる知識。
イラストも適切。
読了60分 -
司法解剖の詳細が載っています。なるほど、こうやって犯人逮捕に至るのか…と感動しつつ読みました。やっぱり罪(殺人罪)からは逃げられないと実感させられる素晴らしい本です。
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ためになる。
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1冊目より詳しく症状の説明があり、事件の内容はさらっと書いていた印象。ちょいちょい筆者の自己主張のような承認欲求のようなものを感じる文章だった…
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11月新着
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