- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167920098
作品紹介・あらすじ
大人気シリーズ「陰陽師」のアンソロジー。
夢枕獏による「陰陽師」短編2本と、「オール讀物」の「陰陽師」特集に掲載された新進気鋭の作家4名による短編を収録しています。舞台は平安時代にとどまらず、室町時代・戦国時代の陰陽師まで登場。時と場所が変わっても色褪せない、「陰陽師」の魅力が詰まった一冊です。(解説・細谷正充)
収録作品
・露子姫が見つけた不思議な烏毛虫は、食べれば食べるほど大きくなり…(夢枕獏「むしめづる姫」)
・信子姫に仕える、耳のいい女房。彼女は右耳には虫が棲んでいて…(蝉谷めぐ実「耳穴の虫」)
・鳥辺野で騒ぎを起こす少年は、博雅の腕を欲していた。その理由は?(谷津矢車「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」)
・足利義教の時代。法師陰陽師の兄弟が、蘆屋道満の式神に出会う(上田早夕里「井戸と、一つ火」)
・戦国大名・細川幽斎とキリシタン陰陽師が、「連歌」をもって妖に挑む(武川佑「遠輪廻」)
・晴明たちが出会った不思議な少年は、唐の国からやってきた「哪吒」だった(夢枕獏「哪吒太子」)
感想・レビュー・書評
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陰陽師短編集の一冊。
5人の作家さんが紡ぐ6篇の物語。
夢枕獏さんは本家本元、安倍晴明と源博雅が彩る世界。
ついつい目の前に拡がるような幻想的な世界を味わえたのが良かった。
その夢枕陰陽師にサンドされた4人の作家さんの世界もなかなか。
上田早夕里さんは既読なれど、またあきつ鬼に会えたのが懐かしさを運ぶ。
一番好みは谷津矢車さん。
源博雅の左腕を執拗に求める少年のおどろおどろしさとミステリアスさのバランスが良かった。
笛の音も淋しさ誘うのが良い。
一つのテーマに絞ったアンソロは作家さんの独創性をたっぷり味わえるのが良いね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オール讀物2001年6月号夢枕獏むしめづる姫、2019年2月号上田早夕里井戸と,一つ火、2022年8月号蝉谷めぐ実耳穴の虫、谷津矢車博雅,鳥辺野で葉二を奏でること、武川佑遠輪廻、9,10月合併号夢枕獏哪吒太子、の6つの短編を2023年3月文春文庫刊。露子が登場するむしめづる姫、哪吒太子が面白い。特に哪吒太子は新しいのにかつての獏さんの作品のようで、楽しかった。蝉谷さん、谷津矢車さんは獏さんの作品かと見紛う程の世界観で驚いた。上田早夕里さんの播磨国妖綺譚からの参加は、獏さんとは別枠のように見える。
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様々な陰陽師の読むことが出来る満足感のある1冊だった。
個人的にはキリシタン陰陽師の物語が良かった。 -
タイトルの通り、「陰陽師(夢枕獏著)」の基軸に、夢枕先生をはじめとするさまざまな作家の短編がまとまったトリビュート小説集。
過去作もありつつも、話や時系列が整っていて、初めて「陰陽師」の世界を読む人でも入りやすい内容になっている。
各作家の作品が、平安時代を飛び出したり、メインの晴明や博雅が出つつも、第三者の視点であったり、出なかったりと、意外な新鮮さがあって面白かった。
5作家・6作品の中では「遠輪廻(武川佑著)」が印象的かつ好きな内容だった。
「陰陽師」の世界の時間軸より時を経た舞台であるにもかかわらず、「陰陽師」の世界としっかり結びついており、作品内の美しい儚い描写に読み入ってしまうものがあった。
歌や桜で結びつく縁というところも良いし、鬼を退治することを目的としない対峙の仕方も興味深かった。 -
晴明と博雅は出てきませんw いや、最初と最後には出てくるか。
『陰陽師』の世界をベースにさまざまな時代を舞台にした作品集です。
何より、新たな作家さんとの出会いがありました。
上田早夕里さんのは、続きを読むために本屋へ走りました。
蝉谷めぐ実さん、圧巻です。 -
2023年第1刷、文藝春秋の文春文庫。6編。同じような題材を基にしてもここまで異なる作品ができるのか。夢枕以外の作品は短編作品としては登場人物がごちゃごちゃしているような気がする。短編連作の1品もあるようだから、仕方がない面はあるかもしれないが。夢枕の少ない登場人物で陰陽師の世界を作るのは結構すごいことなのかもしれない。
掲載作:『むしめづる姫』夢枕獏、『耳穴の虫』蟬谷めぐ実、『博雅、鳥辺野で葉二を奏でること』谷津矢車、『井戸と、一つ火』上田早夕里、『遠輪廻』武川佑、『哪咤太子』夢枕獏、解説:「解説」細谷正充(文芸評論家)、初出:すべて「オール讀物」、「むしめづる姫」2001年6月号、「耳穴の虫」2022年8月号、「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」2022年8月号、「井戸と、一つ火」2019年2月号、「遠輪廻」2022年8月号、「哪咤太子」2022年9・10月合併号、
転載:『むしめづる姫』は2005年刊行の文庫「陰陽師 竜笛ノ笛」から、『井戸と、一つ火』は2021年刊行の単行本「播磨国妖綺譚」から、 -
本家シリーズ読んだことないのだけど、本家もトリビュート作品も面白かった。一押しはキャラも歌という小道具も効いてた「遠輪廻」。
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表紙に惹かれ読んでみた。
安倍晴明で思い出すのは
野村萬斎さんの映画版。
夢枕獏さんの小説、
なんか読みにくそうと思ってたけど
読みやすくて本編にも手を出したいと思った。
他の作家が書いた妖怪も本編読んでたら
アイツか!って分かったのかな?