アンの娘リラ (文春文庫 モ 4-8)

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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167921507

作品紹介・あらすじ

日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ完結の第8巻!アン48歳、第一次大戦が始まり息子3人が兵隊として欧州の戦場へ。出征を見送り、激戦が報じられる不安な日々、赤十字の活動をして、家族の無事を祈る。そして悲劇、感涙の復員。アンの娘リラの視点で描く戦争と銃後の暮らし、リラの成長と甘い恋。日本初の全文訳・訳註付アン・シリーズ完結の第8巻。地図、写真、年表入り。●特徴1──日本初の全文訳第一次大戦の戦没兵をたたえる詩「若き騎士たち」に始まる日本初の全文訳。従来訳で省略・改変された記述をモンゴメリの原書通りに翻訳。●特徴2──巻末訳註で、作中の約590項目を解説作中でアンの一家が語る第一次大戦の戦場、参戦国の皇帝・軍人・政治家、戦況、引用される英文学と聖書を巻末の訳註でわかりやすく解説。●特徴3──口絵写真10点と地図2点カナダと欧州で訳者が撮影した本作ゆかりの写真10点。モンゴメリが本作を献辞で捧げたフレデリカ・キャンベルの実家、プリンス・エドワード島にある第一次大戦戦没兵慰霊碑、アンの次男ウォルターが出征する港の記念碑、ドイツと英国の議事堂など。第一次大戦の欧州参戦国と西部戦線の地図2点。●特徴4──あとがき……小説をより深く味わうために一、作品の概要二、第一次世界大戦と西部戦線について三、カナダと第一次大戦、銃後の暮らしと女性たち四、アンの息子たちの出征、正義の戦争への信念五、ウォルターの詩のモデルとなった戦争詩「フランドルの野に」六、戦争と恋で成長していくリラ七、モンゴメリの小説技法、対比の劇的な効果八、第一次大戦中のモンゴメリ、大戦後のモンゴメリ九、ウォルターの詩「笛吹き」、モンゴメリの戦争観の変化十、『赤毛のアン』シリーズに関連する短編集三冊十一、『赤毛のアン』シリーズ全八巻の翻訳を終えて●特徴5──付録の年表本作『アンの娘リラ』で語られる第一次大戦の年表を収載。

感想・レビュー・書評

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  • 「赤毛のアン」シリーズ、日本初の全文訳完結 寄稿 出雲市出身の作家・翻訳家・松本侑子さん 少女から銃後の母、重厚に描く | 山陰中央新報デジタル(2024/1/12 会員記事)
    https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/511729

    ~新訳『赤毛のアン』シリーズ全8巻(文春文庫)の世界~
    松本侑子ホームページ
    http://office-matsumoto.world.coocan.jp/1-agg.htm

    文春文庫『赤毛のアン』L・M・モンゴメリ 松本侑子 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167913243

    文春文庫『アンの娘リラ』L・M・モンゴメリ 松本侑子 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167921507

  • がっつり戦時文学で、読むのに気合いが必要だった
    出征、戦没の描写が辛すぎる
    豊かな心理描写・情景描写がアンシリーズの読みどころだと思うけれど、その豊かな描写で描き出されるリラやウォルターの感情がとても辛かった

    日本の第二次大戦中を舞台にした物語では避けられない、食糧・物量の恐ろしいほどの欠乏、いつ来るとも知れない空襲への恐れが無いぶんだけダメージは小さいが、それでもやはり戦争はしんどい

  • 第一次世界大戦 世界中が戦っている時代を過ごす、リラや家族そして周りの人たちの心を読む。

    戦場にならなかった場所にも出征する人たちはいた。亡くなった人もいれば、残された悲しい家族もいる。

    ウクライナでガザで戦っている人たち。モスクワでテロを起こした人たち。戦っている人や亡くなった人を想うととても悲しい。複雑な言葉を使える人間がお互いを理解しあうことも出来ないのか……

  • アンシリーズ最終巻。やったー完走した!訳者の松本侑子さんに感謝!
    お話は、第一次世界大戦のカナダ。主人公はタイトル通り、アンの娘のリラ。
    アンシリーズを初めから追ってた読者の立場からすると、アンは娘時代の時、すごく素敵な日々を過ごしてたのに、リラはホントに忍耐の日々で、戦争はそういう意味でもやはり残酷だと思った。
    食糧事情、最後の方は少し制限してたくらいだけど、日本の戦争末期とはえらい違いだと思った。
    まぁアメリカはたらふく食ってたけどさ。
    オーストリアが始めて、巻き込まれた形のドイツなのに、ドイツがヘイト一身に集めててなんか草。オーストリアの空気っぷりがすごい。

    個人的にはスーザンが前作と変わらないスーザンで良かった。
    サブタイトルちょっとだけ見て「え?スーザン結婚しちゃうの?」「月に頬髯みたいなビミョーに女見下してるヤツと結婚するのか!?」とヤキモキしたけど、熱々のなべを振りかざして頬髯を撃退してて、何かスッとした(笑)

    反戦の方に話が進みそうだなと思ってたけど、そうはならず、ギリギリのバランスを保っているのは流石だな、と思った。

  • まだ風柳荘のアンを読み終わってないですが、先に全巻あつめてしまいました。

  • ため息の出るような、うっとりする風景描写、心に迫る心理描写が素晴らしい。訳者である松本さんの力量は敬服に値する。

    リラの兄ウォルターが第一次大戦でなくなり、家族の悲しみが記された描写には涙が出てきた。出征したジェムの帰りを何年も待ち続ける、犬のマンディに対しても同様であった。

    戦時中の苦しい中であっても、純粋で健気なリラに心が洗われた。リラの心の成長も読みどころだ。

    「肉体は段階をおってゆっくり成長していくが、心はひっと飛びで成熟する。一時間で、すっかり成長をとげることもある。」この表現がぐっと心にきた。真実だと思う。

    生きる勇気を与えてくれる、アン・シリーズは大好きだ。何度も読み返したい。

  • 【日本初の全文訳アンシリーズ、ついに完結!】第一次大戦が始まり、アンの息子3人は兵隊として欧州の戦場へ。アンの娘リラの視点で描く戦争と銃後の暮らし、リラの成長と甘い恋。

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