- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784195793213
感想・レビュー・書評
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横田順弥さんが明治時代の冒険小説家押川春浪のファンということで、同じく春浪ファンの会津信吾さんとともに生涯をまとめた1冊。
押川春浪の本名は押川方存(まさあり)。
父の押川方義(まさよし)はクリスチャン宣教師だが、武士道精神を持ち合わせ、堕落坊主が討ってしまった寺院の別館にキリスト教教会を作るなどの皮肉さも持ち合わせていた。
春浪は多くの大学を渡り歩き、あっちこっちで大騒動。
本人はスポーツは下手だったようだが、春浪の弟清が早稲田大学野球部で活躍したり、
日本初のスポーツグラウンドを作ったり(ここで日本初のオリンピック選考会が行われた)、
スポーツおよび応援集団天狗倶楽部の中心人物だったり…当時の名物男だった様子。
冒険小説化になってからも新聞や雑誌でも多くの投稿を行っているが、SFでありながら理路整然とした考え方をもっていたということ。
しかし敵を作ったり、勝手に名前を使われたり、あまりうまく立ち回ったりはしない人物だった様子。
そしてしあまりに無茶苦茶な酒の接種により38歳で死亡。
横田潤弥さんは春浪を日本最初のSF作家位置づけ、研究本を出したり、小説に登場させたりしています。実際の出来事や人物を虚実入り混じれての話となっております。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本SF大賞受賞作。
明治時代の作家の伝記。
天狗倶楽部の中心人物。
38歳で亡くなるのは早いわな。
お酒は恐ろしい。 -
日本のSF・冒険小説の先駆けである押川春浪の評伝。
にとどまらず、キリスト教受容の歴史(初期民俗学とキリスト教は興味深いテーマ)や野球(野球害毒論に反駁した論者!)史などともリンクして、刺激的な本でした。