アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198617059

作品紹介・あらすじ

1958年『白蛇伝』Panda and Magic Serpentから2001年『千と千尋の神隠し』Spirited Awayまで、43年間にアメリカに輸出された、日本のアニメーション約170本の運命!年代記・米国の和製アニメ。

感想・レビュー・書評

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  • 非常に面白く精密に分析された本だった。
    漫画やアニメの海外展開が加速している今、誤解や間違った主張をなくすためにも読んでおきたい一冊。

  • 日本で語られるアニメの話題からは想像できてなかったアメリカでのアニメの姿が書かれていた。現実ってこうなんだと認識。デフォルメ化した情報にしか接していないから、もっとなんの障壁もなくそのままのアニメが展開されていると思ったていたけど現実はかなり複雑だったし、アメリカはやはり相容れない気がした。でも日本に入ってくるアメリカのアニメとか逆はまた違うのかな。アニメについて新しいことが知れてすごく楽しく読めた。

  • 鉄腕アトムがAstro Boyなのは、Atomは英語でおならの意味だから。

  • 日本アニメがいかにしてアメリカに渡り、浸透して行ったか(多分に追い返された)をAstro boy(鉄腕アトム)から千と千尋のアカデミー受賞までの歴史を双方の関係者や向こうの視聴者などの言葉を引用しながら紐解いていく本。
    初期作品の無残なローカライズやリミテッド・アニメーション(枚数を節約した動かないアニメ)による安価な制作が可能にしたアメリカ進出と日本産アニメの振興、現代のアニメーターにまで及ぶ悲惨な労働環境の原因の変遷がすとんと腑に落ちるわかりやすい本だった。

    おもちゃとの抱き合わせによる子供を標的とした資本主義マーケティング、あんな銃ぶっ放しまくってシリアルキラーの輩出が激しい、差別大国に暴力暴力、ヘンタイと言われる意味がいまいち解らなかったけれど、なるほど確かに日本のアニメには戦闘モノが多いし、チャンバラ等昔から暴力に寛容だったのかも、とはたと気付く。そうじゃないものは日本的過ぎて売れないから必然的に暴力イメージがつくのもうなづける。見ている限り日本で世に出るアニメ番組の総量に対して極端に少ない中で向こうでウケたアニメに衝撃の触手モノがあったこととか、運の悪い部分も。
    受け入れられないのは文化の違いがもたらす土壌への配慮の大小なんだな、とグローバルなんて言っても全然理解しあえてないし、し合えなかったことが原因で後々面白いビジネスチャンスが産まれたり(弁当箱とか)、ほんと異文化交流って面白いなと改めて感じた。
    映像大国のハリウッドとの関りも面白かったけど、他の国々との考察や現状も気になる。
    思ったとおりマスコミが盛大にバカ騒ぎするほどにはアメリカ市場で盛り上がってはいないなという印象は否めなかったけど、確かに日本アニメは一定の評価を受けていることはわかった。

  • 11月6日読了。手塚治虫の「鉄腕アトム」のアメリカ進出から千と千尋の神隠しがアカデミー長編アニメーション映画賞を受けるまでの、日本の映画がアメリカでどう扱われたかを詳述した本。アメリカで放映されるアニメがテレビ・映画に関わらず妙な具合に改題され、登場人物もアメリカ名に解明されるのをいつの間にか当たり前だと思っているが、考えてみると不思議なことだ・・・。日本のアニメが持つ無国籍性、アメリカ人から見ると過剰に見えるらしい性と暴力などが相まって、現在の状況を必然的に生み出しているということなのだろうか。日米の多くの識者の発言を引いてはいるが、著者はそこに答えを出していないし、出そうともしていないようだ。今後も日本のアニメは魅力と競争力を保ち続けるのだろうか?興味深い。

  • 日本が唯一世界中から認められている文化、アニメ。
    この世界に誇れる文化がいかにして海外から脚光を浴びることになったのか、その経緯が時系列順に書かれた本。
    海外進出初期には日本の文化が認められる一方、諸外国の事情によりその伝承が必ずしも作り手や本家日本人にとって満足いくものでなかったり、国の風土やビジネス事情に合わせて不可解な作品の歪曲を余儀なくされる背景(例:ロボテックなど)など、日本製アニメを輸出する際に陥るよく知られたジレンマから、現在のインターネットの普及により、日本アニメの真実を知ることとなった海外マニアの「反響」ぶりまで、内容は濃い。

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