- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198633677
作品紹介・あらすじ
『津波と原発』『あんぽん孫正義伝』で東日本大震災とこの国の人心を活写したノンフィクションの巨人と、『詩の礫』三部作で福島のいまを伝え続ける現代詩人が語り合った日本人の寄る辺-。
感想・レビュー・書評
-
コメント0件をすべて表示
-
資料番号:011459831
請求記号:369.3/サ -
自分はここまで言葉について真剣に考えているか、
軽く言葉を発しているのではないか、など、
自問しながら読み進めました。
「日本ではなし崩し的に物事が始まり物事が再開されてしまう」
「我と我が身をもって、自分の行動を恥ずかしいか、これが何か
もとることなかりしか、みたいなことを絶えず考えながら
やって行くこと以外、ないんじゃないかな。」
「廉恥心を持っていれば、そんなことできない、ということに
なりますよ」(佐野)
「悲しみを、絶望を、はかなさを、だからこそ、希望を生きる」
「福島に生きる、福島を生きる」
「いままでの歴史の何たるかも乗り越えていない。乗り越えずに
来た国家なんです。だから今回のことが起きたんじゃないかと。
この部分を解消しない限り、これからも同様のことは
起きると思います。間違いなく。」
(和合)
私は、言葉の持つ力を信じたい。 -
あれから一年と二ヶ月が経ちました。あの時から僕らはどのように考え、行動してきたでしょうか。
時として、言葉というのは無力であり、時として、暴力であり、時として、傷つける。
また、癒しにもなり、守るものであり、原動力にもなる。
本書では、言葉の力をノンフィクション作家の和田氏と詩人の和合氏の対談から読み取れます。
決意の言葉であり、言葉の強さというものを再認識できる本であると思います。
きれいごとでは語れない政治やマスコミについての怒りも。
なんのためのものなのかということを考えさせられます。
最後に登場する和合氏の詩は胸を打たれます。
「 この時代を、悲しみを、絶望を、はかなさを、 だからこそ、希望を生きる。 」 -
和合亮一さんと佐野眞一さんの対談。
言葉の重みについて、お二人が力説している。
佐野さんはちょっと過激な発言が多いけど、和合さんの言葉にはいい意味で覚悟と重みがある。
震災を受けた人たちの気持ちは簡単にはわからないからこそ、そんなにすぐには結論じみたことを言うことはしてはいけないし、本当に「想像力」が試されているのだと思う。
和合さんの本がもっと読みたいと思いました。