グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198634063

感想・レビュー・書評

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  • 韓国経済について知ることが出来たのはよかった。
    日本経済については...
    分析・解説の背景にある経済学のベースをよりしっかりしたものになっていればとは思う。

  • 2013/10/08:読了
    なぜ、韓国は、はまり込んでしまったのだろうか

  • 2012年 民主党野田政権時に書かれた本です。
    「韓流ブーム」と言われている状況と大きく印象の異なる韓国経済の悲惨な状況とそこに至った経緯、また日本がどのようにすべきか、納得のいく内容でした。

    ただ、いろんな事象に対しての考察の行きつく先が同じためか、「日本は韓国を反面教師とするべき」「ここでグローバリズムはNG」といった結論が何度も出てきてくどく感じました。

    本書に従って、韓国の悲惨な経済の成り立ちの経緯について簡単にまとめてみると、
    ・韓国がデフォルトに陥ったとき、IMFあるいは世界銀行が問題を片づけるために融資をするそのときに各種の条件を突きつけた。(「ワシントン・コンセンサス」)
    ・そのうち、直接貿易の受け入れ促進 が、グローバリズム(資本移動の自由化)に拍車をかけた。
    ・外国人労働者が入って来るので人件費は下がる(→国民の所得が減る)。
    ・輸出入貿易は成長し、GDPは増える(ただし外国資本)。経済成長により物価は上がる。
    ・物価は上がるが国民の所得は減る。(→スタグフレーション)
     (自殺者比率が世界一の理由と考えられる。)
    こんな感じでしょうかね。

    そもそも日本と韓国では経済モデルが異なる ということや、「グローバル資本」の存在について意識するきっかけになったかと思います。

  • サムスン電子に代表される、「グローバル市場を席巻する」韓国企業。
    日本企業の多くも、そのような韓国企業を見習うべし!と、研究と模倣に取り組んでいますね。
    そんな韓国の経済が実は「大変な状態」であり、日本は見習うべきではない、というのが、本著のアウトラインです。
    きっかけは1997年の通貨危機。
    IMFの管理下となった韓国は、経済構造の大きな転換を求められます。
    その代表が、産業ごとの寡占企業化。
    体力を強くした韓国企業は、グローバル市場に進出し、成功を収めます。
    しかしその企業の株主の多くは、海外の投資家。
    さらに、グローバル市場での競争力を高めるため、韓国企業の従業員は賃金を低く、抑えられています。
    企業の利益が国民に還元されない仕組み。
    これが、著者の言う「グローバル経済に殺される韓国」という意味なのだなと、理解しました。
    そんな韓国の政策、韓国企業の取り組みを見習おうとする日本国、日本企業は間違っていると、著者の主張は展開していきます。
    僕は特に、前半の韓国経済状況の分析の部分が参考になりました。
    この本を読むと、韓国の経済が今後どのように進むか、興味が沸きますね。
    いたずらに真似するだけでなく、その背景と構造を理解する。
    韓国、中国の経済関連の本については今後も、読んでいきたいと思います。

  • 本当に、「国債発行 -> 日銀による買取 -> 財政出動 -> 公共投資 -> デフレ脱却」となるのかな。けど、もう他に手立てがないのか?大前研一やユニクロの柳井社長のコメントに違和感を感じていた理由が分かった。米韓FTAについてマスコミはそのメリット・デメリットを報道すべきだと思うけど、何も報道がないのはなぜ?

  • 日本と韓国の経済の状態、国民の暮らしといったことがわかりやすく比較されています。

  •  相変わらず著者はとんがった意見を堂々と展開するが、現在の世界経済が混迷から抜け出せない現状においては、この内容はそれなりの説得力を持つ。
     世界が狭くなっている現在において、「グローバル経済」を全否定することはもはや不可能であるとは思うが、全く規制もなく参加することには危うさもつきまとうと思う人々は多いのではないか。
     そもそも「グローバル経済」の姿自体がイメージで語られていることが多いが、本書は、「韓国経済」の分析を通して「グローバル経済」の姿を具体的に語っており、明らかにされたその内容は衝撃的でもある。
     もちろん筆者一流のデフォルメされた表現はあるものの、「グローバル株主資本主義」という「実態」を、敵対する「敵役」のように堂々と論難している点は興味深い。
     政治的には「右」、経済的には「左」という本書のスタンスは、今後の日本のメインストリームとなるのだろうか。次の日本の政権は、安倍晋三政権になる可能性が高いと思えるが、安倍政権の方向性は本書のスタンスに近いのではないか。
     しかし、日本の経済界の志向とだいぶ違うこの方向性は日本の進路にどのような影響を及ぼすのか、実に興味津々という思いで本書を読んだ。
     本書は、普段マスコミでは取り上げない「TPP」における「ISD条項」や「ラチェット規定」についても解説するなど、真面目な内容なのだが、全体のトーンは扇動書のようにも見える。
     これは著者のキャラクターなのだろうが、この点だけは、あまりいただけないとも思えた。

  • 氏の本は2冊目。ただし前回の本は韓国ではなく中国についての本。

    エレクトロニクスや半導体業界で仕事をしていれば当然韓国,特にサムスンの勢い、グローバル化を感じない日はない。彼らの成功については多くの本が出版され日本のガラパゴス化と比較して褒め称えられることが多い。アジア通貨危機、その後のIMF管理を機に財閥が解体された韓国では、それぞの分野で寡占化が進んだ。李明博の打ち出したウォン安制約により、円高によるコスト高に苦しむ日本企業等を尻目に世界を圧巻し、さらに海外市場で稼いだ金を次世代の開発投資に注ぐことで技術力の差を広げる好循環。日本のマスコミもサムスン、韓国をグローバリゼーションの成功事例として褒め称える。

    しかし、この本は正面から韓国経済をぶった切る。グローバリゼーションを進めれば、賃金は世界の最低水準と競わなければならない。コスト競争力は上がるが、特種な能力を必要としない労働力は自国ではなく世界最低賃金の国へとシフトしていき、国内は空洞化するか、同レベルの賃金で働かざるを得なくなる。つまり韓国国内で潤うのはサムスンの中の一部のエリートだけであり、それ以外は者はより貧しくなっていく。国内の社員は給料は下がる一方で、消費に悪影響を及ぼす。会社がグローバリゼーションされ、結局潤ったのは、韓国国外の資本家なのである。企業は誰のためのものなのか。 資本家のためのものなのか、それとも従業員、国民のためのものなのか? 

    日本はこれを見習う必要は全くない。深刻なデフレにある今の日本には、供給を増大させ物の値段を下げさせてしまうグローバリゼーションはデフレを煽るだけで正しくなく、まずはデフレ対策が先というのが筆者の意見。国債を発行し、日銀が買取り、代金とした新たに通貨を発行し、そのお金で政府が公共事業を行い、民間の投資を喚起することで、仕事が増え、給料が増え、消費が増えるというサイクルでデフレを脱却する。こうすることで日本の会社も日本をターゲティング出来るようになる。

    会社にとって、貧しくなる日本をほおっておいて世界で勝ち、経営者と投資家だけが富むことが重要なのか、それとも日本国内を潤すことが重要なのか。大変興味深い一冊。氏の本に興味をもった。数冊読んでみたい。

  • 痛快!
    米韓FTAによる韓国経済グローバル化によってもたらされるもの、韓国国民の陽と陰が明らかにされています。
    日本もTPP参加については慎重に議論しないといけないですし、グローバル化している韓国の悪い見本で誤った道を進まないようにしないといけません。今後の日本経済に対する対処、道筋に光を見せてくれる本で、良書でした。

  • 反TPPということで筆者の意見にブレなし。韓国の経済について、今後もウオッチしていきたい

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著者プロフィール

東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業、NEC、日本IBMなどを経て2008年に中小企業診断士として独立、09年に株式会社三橋貴明事務所を設立した。
2007年、インターネット上の公表データから韓国経済の実態を分析し、内容をまとめた『本当はヤバい!韓国経済』(彩図社)がベストセラーとなる。その後も意欲的に新著を発表している。単行本執筆と同時に、雑誌への連載・寄稿、テレビ・ラジオ番組への出演、全国各地での講演などに活躍している。また、 当人のブログ「新世紀のビッグブラザーへ」の1日のアクセスユーザー数は7万人、推定ユーザー数は21万人に達している。2012年1月現在、人気ブログランキングの「政治部門」1位、総合ランキング2位(参加ブログ総数は約90万件)である。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
主な著書に『国民の教養』(扶桑社)、『疑惑の報道』(飛鳥新社)、『2012年大恐慌に沈む世界 蘇る日本』(徳間書店)、『増税のウソ』(青春出版社)、
『三橋貴明の「日本経済」の真実がよく分かる本』(PHP研究所)などがある。

「2012年 『ユーロ崩壊!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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