国境のインテリジェンス

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198635756

作品紹介・あらすじ

中国、北朝鮮、韓国、ロシア、アメリカ、そしてTPP。アベノミクスに浮かれるこの国が、「新・帝国主義化」する国際社会と渡り合うために、今、本当に必要な議論をしよう-。「ニッポン有事」を斬る、全国民必読の最新作。

感想・レビュー・書評

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  • これだけならず者国家が近くにあり、隣国との付き合い方を考えないといけない、日本としては著者の言うとおりインテリジェンスへの意識を高める必要があると思う

  • 朴大統領は父が親日家だったから、内政的配慮から日本に対して厳しい姿勢を取ることを余儀なくされている。
    安倍政権は政治主導で、対中国包囲網の形成にも取り掛かり始めている。これは良いこと。
    ロシア人は陣地を超える力を恐れる。隕石爆発事故が、神がプーチンに与えた警告という受け止め方をしているロシア人が多い。隕石爆発の政治問題化をロシア政府は本気で心配している。
    国境のインテリジェンスを構築するためには地政学的視座が不可欠。島国である日本が海洋国家であることから、世界最強の海洋国家であるアメリカと衝突する可能性がある。結局は日米同盟を深化させていくしかない。

  • 下ネタも多いが、勉強になる本。外務省の話と沖縄の話は一読の価値あり。前原氏への高評価が興味深かった。

  • 著者の情報収集能力、分析力はそれなりの力量を認めるが、「アサヒ芸能」(の要請もあるのかも?)での連載記事とあって、元同僚や上司への罵詈雑言、下ネタやスキャンダルが多い。
    この著者の他の書籍ではこういう問題はグッと抑圧して書いているので、そのことが返って格調の高さに繋がっていて魅力的なのだが、この内容では、三流の週刊誌記者が書いたゴシップ記事の域を出ないものになっているのが残念。

  • 『アサヒ芸能』に連載中の佐藤優氏の時事エッセイ『ニッポン有事!』を書籍化第3弾です。国境問題。沖縄。外務省及び外務官僚。永田町。霞ヶ関。政治や外交をテーマに下世話な話も交えつつ鋭く切り込んでいきます。

    週刊『アサヒ芸能』にて絶賛連載中の佐藤優氏の時事エッセイ、「ニッポン有事!」著作化第3弾です。相変わらず佐藤先生の筆は冴え渡っているなと再認識しました。実を言うと僕はこの時事評論と西村賢太氏のエッセイのおかげでいまやアサヒ芸能の熱心な読者になってしまいました。こうなると日々『オッサン街道』を驀進していることにいやおうなく気づかされます。やはり、掲載している雑誌の性質上、同じ時事を語るでもものすごく下品なテイストが満載で、その辺もまた、僕の好みに合致しております。

    しかし、語られている事象の内容は他の掲載論文に比べても一切クオリティの劣化は認められず、その辺はさすがだなと思っております。「3.11」以降、弱体化した日本の『国境』をめぐってロシアのメドヴェージェフ首相が北方領土に、韓国では竹島に李明博大統領(当時)が上陸したときの『裏事情』はこういう風になっているのかと思い、どこでこうした情報を取っているのかと、さらには佐藤氏の『分析力』が相変わらず冴え渡っていることを実感しました。

    やはり、ここでの最大の『特色』は今や不倶戴天の敵同士となったかつての古巣であり、かつての同僚であった外務官僚の『実態』特に下半身をめぐるスキャンダルの暴露はここでも開陳されており、外務省に一度も女性を知らないで入省したキャリア官僚がロシアで結婚した女性がこれまたとんでもない人間で…。件のキャリア官僚がとった『規格外』の行動とそれを『表に出ない形』で「オネェ言葉」を話す公使と『解決』へと向かった話は思わず大笑いしてしまいました。

    そんな話も交えつつ、沖縄の問題が以下に深刻化していることや、政権再交代の現況となったかつての民主党の閣僚、特に外務大臣であった玄葉光一郎氏に対する『筆誅』は人を散々にこき下ろすレトリックの豊富さに感心しつつ、当時の民主党政権の執り行っていた外交がどのような姿だったのかを詳細に解説していて、今読むとつくづく『なるほどなぁ』と感じ入ってしまうのでした。雑誌で読むのは気が引けるという方は、単行本を是非、手にとっていただけたらなとそんなことを願ってやみません。

  • 相変わらずの情報量と分析力は、痛快でもあり、ますます健在。アサヒ芸能連載のせいか、適当な下品さもあり、親父向きか。

  •  本誌は著者が「週刊アサヒ芸能」の連載コラムに、書き下ろしを添えた単行本である。マスコミの事情により、メジャーな著作に載らない価値のある情報が詰まっている。このシリーズは佐藤優の「穴場」として、欠かせないのである。

  • 佐藤優を人がなぜ読むか?彼の文体の魅力である。そして、彼の文体はゴシップにも格式を与えるわけだ。外務省のうちわネタ。それが正しいのかどうかはよくわからんけど、文体という下部構造が上部構造を規定してるんじゃないかって気になる。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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