- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198656409
作品紹介・あらすじ
夏の初め、6年生の佳斗は、おばあちゃんの住んでいた家に引越してきた。
おばあちゃんは冬に亡くなって、もういない。
でも、おばあちゃんのネコのテンちゃんがなついてくれたので、
佳斗はうれしかった。
ところが、テンちゃんは急に、家に帰ってこなくなった。
佳斗は、はり紙やチラシを作って、
「ネコさがし」を始める。
「ネコさがし」の途中で出会った、
同い年のちょっと変わった少年、蘭が、
「手伝ってやる」と言ってくれた。
蘭は、よくおばあちゃんを車椅子で散歩させているから、
町にいるネコにくわしいのだという。
二人でネコをさがすうちに、佳斗はこの町について、
自分と蘭の家族について、
さまざまな発見をして…?
喪失から立ち直り、
自分の世界を広げていく十二歳の少年を
みずみずしく描いた、心に残る物語。
『ハルと歩いた』の西田俊也が贈る、
感動の1冊。
感想・レビュー・書評
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夏休みに六年生の佳斗は、亡くなったおばあちゃんの住んでいた家に引っ越してきた。
おばあちゃんがかわいがっていた外ネコのテンちゃんが、やっとなついてくれたとおもった矢先、来なくなってしまう。
馴染みのない住宅地を探しているうちに近隣のおばあちゃん世代の人たちとの交流や蘭という少年とも知り合う。
蘭のおばあちゃんが迷子になったことがきっかけで蘭と知り合って一緒にネコを探すことになる。
ネコには縄張りがあることや遠くへいくことはあまりないなど蘭から教えてもらうこともあったり、チラシにテンちゃんの特徴を捉えた絵を描いてもらったりと助けてもらいながら探し続ける。
蘭とともに探すことによって、住宅地のことを知り周りの大人たちのことを知り、ネコに対する考え方も人によっては違うことや優しさや温かさも感じる。
引っ越してきたときは、心の中はさびしい気持ちや言葉にできない不安だらけだったけどネコのテンちゃんを探すことによって思い出深い夏休みになったことが感じられた。
二学期からの新しい学校への不安もなくなったのではないだろうか。
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亡くなったおばあちゃんの住んでいた家に引っ越してきた少年のひと夏の話。児童文学ながらなかなか心にしみる。
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夏休み、なくなった祖母の家に引っ越して家族3人で暮らしはじめた6年生の佳斗(けいと)
祖母(=ナツばあ)がかわいがっていた外ネコのテンちゃんがせっかくなついてくれたのもつかのま、姿が見えなくなってしまう
ネコをさがして町の中を歩く佳斗
この町にはナツばあとの思い出が、あちこちにある。
テンちゃんをさがしながら、ナツばあの思い出を見つけているみたいだ。
そんな佳斗が出会ったのが、同じ6年生で風変りな蘭という少年
蘭は住宅街のネコにくわしく、いっしょにさがしてくれるという
さがしはじめて1週間、テンちゃんを見たかもしれないという情報が入り……
ネコをさがしてまわる少年たちとそれぞれがかかえる悩み
町で出会うさまざまなお年寄りたちとの交流
なかなか足取りがつかめないテンちゃんの行方
少年の喪失と再発見をみずみずしく、ていねいに描いた静かな感動作、2023年5月刊
6年生の男の子にくわえ、ネコの表情が印象的なカバーイラストはスカイエマ
《『ハルと歩いた』の西田俊也が贈る、心に残る夏の物語》──カバー袖の紹介文
視点は三人称、主人公の佳斗の内面も対象化して読むことができる
5、6年生に読んでほしい、読めてほしい一冊