アキラとあきら (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
4.19
  • (805)
  • (898)
  • (333)
  • (27)
  • (6)
本棚登録 : 6491
感想 : 684
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198942304

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アキラさんとあきらさんはもっとギスギスしたライバル的なものを想像して読み始めましたか、そーではなかったようで...
    それぞれ生い立ちが違う中での苦悩を抱えてさー大変。
    銀行を辞めて家業を立て直すために社長になったアキラさん、人のためにお金を貸す理想を実践したい銀行員あきらさん、協力して逆転なるか⁉︎
    おじさま2人嫌な感じッスね

    池井戸さんのお話は読後感が幸せな気持ちになれて楽しいです(*´ω`*)

  • 同じ年に生まれ、同じ大学に入り、同じ銀行に入行した瑛と彬の2人の物語です。

    やがて彬は銀行を退職し、父の会社を継ぐことになりますが、古びた社内体制やグループ会社が新規事業に失敗したこともあり、いつ船が沈むか分からないほどのボロボロの状態。

    彬は経営者として、どのような判断をすべきなのか。
    そして瑛はバンカーとして、会社に何をしてやれるのか。

    経営者の苦悩や銀行の役割など、池井戸作品お馴染みのテーマが盛り込んであり、非常に読み応えがあります。


    それにしても経営者になるって、、、どれほど勇気のいることなんでしょう。
    社員たちを乗せた「会社」という大きな船を、
    景気がどうなるか、事業が成功するか、何が起こるか分からない不確かな未来へと自らが導いていかなければならない。
    銀行から融資を受けることも、いわば借金をしているのと同じことで、自分一人では到底抱えきれないほどの借金を常に背負っていると思うと、私だったら怖くて怖くてたまらないです。
    テレビで見るような大企業の社長さんたちは、いったいどれほどの精神力の持ち主なんだろう。。同じ人間とは思えないです(笑)

  • 池井戸さんの小説は、
    理不尽に耐えて耐えて耐え抜いた末に
    一発逆転!(すっきり)・・・的な展開が多いため
    この分厚い文庫本を前に、
    ストレス溜まったらやだな~、、、と
    ついつい弱気になってしまいました(笑)

    しかしその心配も読み始めたら
    瞬く間にどこかへ吹っ飛んでしまい
    グイグイ物語の展開に引き込まれていきました。
    ちなみに心配していたストレス度は低いです。
    理不尽な出来事もたびたび登場しますが、
    その都度解消されていくので、大爆発は起こりません^^

    大企業であっても、小さな町工場であっても
    従業員を抱えて会社を続けていく苦労は、
    いつの世も同じなのでしょう。
    会社を経営する者の苦悩がヒシヒシと胸に迫ってきます。
    『金は人のために貸す』そんなバンカー達の活躍をまた読んでみたいなと思うのでした。

  • アキラ(瑛)とあきら(彬)、小学生時代に初めの顔だけの出逢いをした2人が長じて優秀なバンカーとなるが....
    片や町工場の伜、片や大企業の御曹司と言う180度違う境遇の二人だがバンカーの道を選択したのはそれぞれの意志があったという半分 人情話めいた伏線がある。いつもの慣れ親しんだ池井戸流とは少し違う路線だから読み手もちょっとはぐらかされた感はある。でもそれなりのエンターテインメントになっていますよ♪

  • 池井戸さんの本ってほんとによく出来てますよねーww⇽誰目線買って笑

    同じ名前で生き方や環境が違うってだけで、何故なんだよ!って感じることってありませんか?
    まさにそれ。
    でも、池井戸さんのストーリーって、しっかり抑揚があって最後は必ずスカッとさせてくれる。
    人との繋がりに温かさを感じる。そう思える本でした。

  • 2人の瑛と彬を主人公とする池井戸作品としては、新しいタイプの作品。
    静岡の小さい工場の息子として生まれた瑛と、海運業の御曹司として生まれた彬の二人の30年に渡る物語。
    池井戸作品は現代を舞台にした作品が多いので、60年代ぐらいの話から始まっていることに気づくまで、若干の違和感。
    そして、半沢が在籍する産業中央銀行、赤字リゾートホテルの再建などなど…一つ一つのエピソードにデジャブを感じる。
    それが池井戸作品のいいところどりとして楽しめると言えば、楽しめるけれど、全体的なプロットが新しい分、細かいところが残念と言うか、微妙な感じで読み終えたが、あとがきを読んで納得。初出は2006年。たくさんのヒット作より前に描かれたとのこと。と言うことは、自分が思い描いている池井戸作品の原点でもあった作品なのだろう。ここから、たくさんの物語が枝分かれしていったと思うと、なかなか興味深い作品。

  • 再読。
    個人的に本書の一番のピークは中盤、まだ瑛が銀行員若手時代井口ファクトリーとのロザリオの八章。倒産した取引先を逃し、行員を辞めるか干されるかと思ったが逆だった。会社ではなく人にお金を貸す瑛が出来始めた頃。幼少期に可愛がってくれたヤスさんに、瑛の成長が伝わって涙した。

    後半は光が見えたと思えば閉ざされの繰り返し。

    遂に行員の瑛が彬の東海郵船の稟議を書いた時には漸く池井戸潤が来たと思ったし、それが実行され郵船と商会、観光を復活させた事はさすがだと思った。ただ私は根が素直ではないので、あの赤字続きのホテルがアドバイザ一つでそこまで一気に回復した事には少し物足りなさを感じた。もう一押し説得力のある物語が欲しかった。

    タイトルから予想されるアキラとあきらが戦うのではなく、全く違う環境で生まれ育った少年二人が長い年月をかけ切磋琢磨した話。

  • 池井戸作品らしい、銀行を主な舞台とする小説。
    ふたりのあきらがどう、相対するのか楽しみに読んだが…。
    あきらとアキラそれぞれの幼少期からの話は良いと思う。大学で2人の人生が交錯開始となるわけだが、ここでは特に何もなく、銀行に入行後の研修での対決でいよいよ面白くなるかな?と期待させる。
    だが、2人が絡んでの話は、赤字のリゾートホテルによる会社の危機を、どう切り抜けるかという部分になる。

    だか、後半の、赤字リゾートホテルの話は、いまいち小粒で盛り上がりに欠ける。
    悪役として、2人の叔父が登場するが、なんだかつまらない設定と感じた。

    タイトルから、私は、2人のアキラの対決、攻防を期待してしまったので、読んで肩透かしであった。

    池井戸作品には、やはりもっとスカッとするようなカタルシスを求めてしまう。

  • 映画化されたものがおもしろかったので、原作も読んでみないと!

    どちらかというと階堂アキラのほうがメインで描かれていた

    前半に山崎アキラの話があったけど、チビのところを読んでもう読むのをやめようかと思ってしまった!犬猫大好きな自分からすると、どんな理由があろうともチビへの仕打ちがひどすぎるとガッカリした。。でもちゃんと安心できるストリートになっていたのでホッとした!

  • 読んでいて、周りの人間の甘さや、どうしてそんな考えになるんだよ。と言う、自分さえ良ければ良いって考えにとにかく腹が立つ。
    こんなんどうやって解決するんだよ。と、先が見えなかったりと、先が知りたくって、どんどん読み進めてしまいます。

  • なんかよくわかんなかったよ…面白かったはずなのになんでだろ
    エンタメとわりきって読んだ方がいいのはもちろんだけど、わりきって読んでも私はもう少し文学的なのでないときついのかもな〜
    あまりにもドラマすぎる

    仕事って本当に責任ありすぎて…海外の人とかこれ読んだらこれ面白いの日本人だけだろって思うのかな

  • 銀行絡みの話ではあるものの人間の人生について書いてあって興味が持てた。やっぱり男らしい感じの話だけど、感情的ではない書き方だからかな。
    お金持ちのアキラと父親の廃業によってどん底を見たことのあるアキラ。二人の育ち方に興味が湧いた。

  • 大企業の御曹司・階堂彬と、町工場の息子・山崎瑛。それぞれの経験を経て、歩んだ道のりとは。
    賢者と愚者がはっきりしてて、安定の展開。ボリュームのわりに、サクサク読める。後半はお得意の銀行もので、面白かった。
    タイトルのわりに、後半は瑛の影が薄く、彬と東海郵船がメインという印象。

  • 同じ銀行から見た企業経営でもいつも池井戸潤とは視点が違い面白かった。ビジネスの根底にハートがないといけないということを改めて認識。主人公の幼少期のエピソードもよかった。こういう池井戸潤もいいね!

  • 映画先行。
    長かった…
    私には映画くらいコンパクトになってる方が読みやすかったかもしれない。
    映画見てたから把握しやすいところはあったけど、
    映画と結構内容違ってたなー。
    時間かかったけど読んで良かった。

  • 文庫で700ページ超。かなり読み応えはあった。銀行知識がない自分にも読みやすかった。しかし、後半へと進むにつれて内容が難しくなったり、登場人物が多くて誰が誰かよくわからなかったりした。とにかく、途中までは面白かった。

  • 池井戸作品は好きなものが多いけど、これは何となくタイトルの先入観でつまらなそうだと勝手に思っていたんだけど、結構評判良かったので読んでみたらなるほどなかなか面白かった。
    ただ主人公2人のあきらの幼少期から描かれているため、本丸の話に辿り着くまでとにかく長い!まあその幼少期からのプロセスがあってのラストなので致し方無い部分はあるけどね。

    いつもの池井戸さんの作品ほど悪人は出てこないし大どんでん返しもそれほどなく、淡々した印象はあるけどヒューマンドラマとしてはなかなか良作だと思います。

  • 面白かった!!
    サスガ池井戸さん!
    ちょっと難しいところもあったけど、仕事に向かいあうきもちとか勉強になりながら、楽しく読めました。

  • 同じ「あきら」という名の二人(一方は倒産会社の息子、他方は一流企業の息子)がそれぞれの境遇を経て、同じ銀行のバンカーとして交わり、危機に瀕する一流企業を救う話。
    池井戸潤作品らしく読みやすい基本「勧善懲悪」劇で、途中までは思わず爽快感や感動で涙するところもあるが、最後はあまりに難しい逆境の克服が尻切れとんぼのような感じでさらっと終わっており、えっ、えっ、これで終わり?という感じ。
    ちょっと残念だった。

  • 社長御曹司と、倒産した中小企業の息子。
    対立すると思いきや、人生が交錯。
    協力して困難に立ち向かう姿が良かった。

  • 長くて疲れた。バンカーの理想を描いたような作品です。懲悪要素がいつもより薄いのは好感持てますね

  • 2019.02.06

  • 読み応えあり!
    連載モノとのことで、説明がややクドイ部分もあるけどその分、あれ?どうだっけ?とページを戻らなくて済んだかも。
    ふたりの生い立ちにページを割いてる割に、学生の時に知り合った経緯とか銀行で働きだしてからの絡みが少なく、その辺も読みたかったなぁ。

    でも、このふたり同じ名前な必要あるかな…読んでて混乱するw

  • 良い意味でのマンネリで、いつもの池井戸作品。古巣の銀行融資がメインなので、なかなか読み応えはある。

  • かなりの分厚さだったが、文章は読みやすくすんなり世界観に飛び込めた。ただ、初めから3分の1くらいまでは退屈で最後まで読み通せるか不安に…池井戸さんの本なので、絶対面白くなると信じて…。
    後半からやっと「らしく」なってきたが、無能な経営者にイライラさせられながら、なんとか読み終えたという感じ。

  • よい考え方などに出会えます。
    登場人物の絡み方は、ぎこちないかも

  • 生い立ちってその後の人生にも影響する、のかもね。
    あなたにはこれが向いていると指南してくれる人がいれば、あれこれ悩まずに済むのかもしれないけれど、あれこれ悩むのがまた人生なんだろうしね〜。

  • 銀行物。話のテンポが良くて良かった。
    でも題名で期待するような「アキラとあきら」してなかった気がします。

  • 図書館で。
    日本版カインとアベルみたいだなぁなんて思いながら読み始めました。二人が対立するのかなぁと思ったらそういう構図にはならなかったのが面白かったです。
    相当の厚みのある本ですが、出来れば二人の大学時代なんかも読みたかったかなぁなんて思いました。出会いと互いの能力を認める辺りも興味あったな~
    途中からは金持ちアキラ君の方の親族との色々がメインとなりましたが…。

    どんな仕事でもやりがいがあるだろうし、励めば楽しいんだろうなぁなんて思いながら読みました。でも日本人ってあまり経営者に向かなそうだなぁ…とも思ったり。技術があっても人の上に立ったり、全体を引っ張って行く統率力とかに欠けている人が多そう。まあ昔から、和をもって尊しとする、出る釘は打たれる社会だったからむべなるかなって感じですが。

  • 図書館で借りた本。
    中小企業の社長の息子瑛と、海運会社の社長の息子彬。二人のアキラが主人公。瑛は、小学生の時に父親の会社が倒産し、就職した父の会社も危ない状態になるが、苦労して大学を出て銀行員になった。同じ銀行に長男でありながら家業を継がなかった彬も就職し、二人は出会った。

著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池井戸潤の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×