- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198945916
作品紹介・あらすじ
瞠目の医療ミステリー
下村敦史はあくまでもミステリの枠内に留まり、濃厚な謎解きの味わいと〈どんでん返し〉を盛った上で、死を真正面からテーマにしてみせた。構築の美に感動さえ覚える。
作家・有栖川有栖
読み終わったとき、思わず胸に手を当てずにはいられなかった。
東京慈恵会医科大学 教授・嘉糠洋陸
移植手術を巡り葛藤する新米医師――「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊悩する家族――「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題――「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃の医療ミステリー。注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めいたします。
(解説・有栖川有栖)
感想・レビュー・書評
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全てが繋がった時、少し行き先が垣間見えて、読むスピードが止まったのですが、最後まで読まなかったら、突きつけられた問いを、また曖昧にやり過ごしてしまうところでした。
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なるほどー。
短編集かと思いきや、最後に繋がる。。 -
移植手術、安楽死、動物愛護……“生命”の現場を舞台にしたミステリー。あなたは必ず騙される――『闇に香る嘘』を超える驚愕!(e-honより)
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帯に『あなたは5回騙される』とあったけど、確かにその通り。別々のストーリーの4つの短編でそれぞれ騙されて、最後の『究極の選択』で大どんでん返し。こんな騙され方があるんだ!という感じ。
終盤はパズルのピースが次々とはまっていくように、全ての疑問が思わぬ形で見事にはまっていくのはとても気持ちよかった。
ミステリーだけど、殺人も死体も出てこないのも新鮮。どちらかというと命を救うことに関連したミステリー……それって珍しい。
テーマはとても重くて考えさせられる。『人間の命は動物の命より重いのか』『動物の臓器を移植したら、人間ではなくなるのか』医学が進歩し死ぬはずの命も助かるようになって、人間はもっともっとと欲張って長生きする方法を求めていくようになってしまった。考えるだけでなくて技術の進歩で実現できるようになって、人間の長生きへの渇望はエスカレートしている。
昔なら仕方ない…と諦めていた状態でも、それが違法で倫理違反であっても助かる方法があるばかりに、患者や家族は悩まされることになるのだなぁと思った。 -
本筋とはあまり関係ないけれど、中盤に少し登場の天童教授が魅力的でした。
「本来、無知は罪ではない。90パーセントの一般人が答えられる常識問題を間違ってしまった人でも、90パーセントの一般人が答えられない非常識問題の答えを知っているかもしれない。
誰もが知っている知識を知らなかったからといってその人を馬鹿にした言葉は、いずれ自分に帰ってくる。どんな人も自分にはない何かしらの知識を持っている、という当たり前の事実を理解していたら、おいそれと他人を見下せない。とはいえ、無知ゆえに人を追及し、名誉を貶め、苦しめたとしたら、それは罪よ。」 -
すごく好きな作家さん。
短編集と思って読んでおり
今回はどの話もぐいぐい読ませるけど
落ちが弱いというかゆるいなーと思っていたが
最後の話を読み始めてふるえた
やっぱり好きだなー -
3.8