光とともに・・・: 自閉症児を抱えて (8)

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253104555

感想・レビュー・書評

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  •  自閉症の光君が5年生の後半を生きています。6年生への進級,そして一年後に迎える中学校への進学を前にして,小学校入学当時のことをふり返るお母さん。辛かったけれども,父と協力し,まわりの人に助けられてここまで来れたことに感謝しています。
     学校内では,相変わらず無理解な保護者もいますが…。それでも前向きに生きようとする母親の姿は心を打ちます。
     一方,ネグレクトや養護施設でのいじめも問題として取り上げています。さもありなん,暴力の連鎖が怖いです。
     『光とともに…』は,いよいよ最終となりました。小学校6年生を描いて終わりなのかな。それとも,中学校進学までの話になるのでしょうか。大人になった光に会えるのかな。楽しみです。

  • 2006年7月18日
    図書室(図書館の小さい版)で見つけて、早速借りてきました。

    自閉症児をそだてるお母さんと家族のマンガ。

    超感動モノです。

  • 光くんが自立登校にチャレンジするシーンから始まる8巻。
    5年生も終わりになってきて、自立登校ができるようになったり
    郡司先生も7巻で発達検査をしてくれた心理士からアドバイスを受けて
    光くんや美羽ちゃんとの関わり方、授業の進め方も
    ふたりに合わせたものになってきたり
    いい方向へとものごとが展開していく巻だった。

    それでもやはり問題提起を忘れないのがこのシリーズ。
    沖くんという以前登場した、両親からネグレクトされて
    施設に行くことになった男の子が再登場する。
    光くんが寄り道して帰りにクリスマスツリーを眺めていたら
    沖くんはそっと光くんの側に現れた。
    幸子が、光くんの帰りが遅いとそこにかけつけたとき
    沖くんとも再会するが、どうも様子がおかしいので、病院へ連れていく。
    すると、入所先で、年上の男の子たちから暴力を受けているため
    肋骨にヒビが入っていることがわかった。
    でも、報復が怖い沖くんは、住所もでたらめを書いて
    そっと病院から逃げて帰ってしまった。
    それをきいた雅人は、仕事の合間におそらくここに沖くんがいるであろうと
    見当をつけた施設を訪問する。
    そして、沖くんは暴力を受けていることを頑張って告白し
    児童相談所の職員を雅人は呼び、沖くんは入院することになった。

    沖くんが去ったあと、施設では現場を最も取り仕切っている男性職員が
    沖くんに暴力をふるっていた男の子を金属バットで殴るという
    虐待を行っていた。
    それを見ていた他の女性職員が児相に内部通告して
    施設は立ち入り調査が入ることになる。

    他はほのぼのとした話が多かったかな。
    海七太くんが急に転校することになり、落ちこむ太田さん。
    それでも、最後の荷物をとりにきた海七太くんと少し話ができて
    ちょっとだけスッキリしたみたいでよかった。

    沖くんたちの気持ち、読んでいて本当につらくなった。
    なんで自分を産んだのか、こんなにつらいのは自分が悪い子だからなのか。
    子どもだから、余計に自分を責めるしか方法がなくなるのだよね。

  • 5年生後半。光くん自身のことよりも、むしろ同級生たちや親同士の交流が中心になった巻。かつて光くんの大遠征につきあってくれた沖くんとの再会と彼の苦境から、集団内での弱い者いじめや施設内などでの虐待などの問題を描き、6年生が近づき、進路もそれなりにばらけてくるなかでの子どもたちの成長や繊細な気持ちを描く。
    光くんは親子は基本的にともだち関係に恵まれているけれど、それは運や一朝一夕のことではなく、幼い時から光くんとつきあっていくなかでよき隣人として成長できたという面もあるんだよね。見守り支えてくれる仲間を少しずつ増やしながら居場所をひろげていくことがだいじなんだなあ。

  • 追いかけているマンガ、図書館で借りた。

    自閉症と知的障害を合わせ持つ、東光、小学校高学年編。
    性の問題のはじまり?、児童養護施設でのいじめ、初々しい恋。
    巻末「発達障害者支援法」。

    お母さんが、駅や派出所に光の写真入りの迷子予防ポスターの掲示をお願いしたり、光の寄り道する場所に帰宅を促すサインを渡す場面があった。
    これは、地域ぐるみで発達障害者を支えることのお手本のようだ。
    巻末の法律を読み、国民の責務が定められていることを知った。
    「第四条 国民は、発達障害者の福祉について理解を深めるとともに、社会連帯の理念に基づき、発達障害者が社会経済活動に参加しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。」
    とはいっても、発達障害などについて、私は高校までの授業で習った覚えがない。
    見た目ではわからない障害について、知識がなければ、とっさの対応は難しいだろう。
    それに、その人が発達障害であり、時に支援と理解を要することを、どのように知ればよいのだろう?
    このマンガでは、お母さんがきめ細やかに学校や地域に働きかけている。
    そのような諸々の懸念事項などをほぐしていくための、法律なんだろうか。
    これまで光を支えてきた沖くんや石田くんが少し登場して、よかった。

  • 親同士の、いがみ合いというか。
    役員の押し付け合い。
    そこでも光のお母さんは笑顔で対応して、できる限りのことをしようとする。
    子を思う母の気持ちは本当に強い。

  • 沖くんとの再開。
    施設で虐待を受け傷ついていた沖くんを救う一助になった光くんのお父さんとお母さん。
    海七太くんの引っ越し。
    中学生になった石田くんに会いご挨拶。
    光くんの将来を考え始める。

  • 施設に行った沖君の痛ましい虐待事件、お父さんかっこいい。田中君の引越しとか、周りの問題も描かれていて子育てって本当にこういう風にみんなで関わっていけたらいいのに、と思ってしまう話ばかり。

  • 虐待の問題は根深いな…
    負の連鎖が続くだけなのに。

    2010.4購入¥450  /  2010.4.10読了

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