暇と退屈の倫理学

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  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255006130

感想・レビュー・書評

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  • 18年3月頃?拾い読み。非常に平易な生きる目的の指南。エッセンスは3点。①目的合理性の放棄。パスカル思考を止め人生は暇つぶしとの割り切りをするべきだ。②空虚な体験を楽しむための視点の多様化・深化。面白がるだけの教養があれば物事は面白く見える。③自己目的化。体験へののめり込み、没頭。視野の開拓は②につながる。
    本書の考え方は私自身にはマッチしているかつ実践している内容である。しかし他人への適用において、本書の記号消費への批判は本書で述べている「のめり込み」の奨励と矛盾しないか。なぜ記号消費への没頭で満足しないと想定しているのか。本書で述べる態度で満足した人生を送れるというのは、思索好きのインテリの視点に偏っていないか。おそらく本書での教養の習得は多くの人にとって魅力的でないか、ハードルが高い。酒・ギャンブル、その他依存性のある活動か、宗教のほうが「のめり込み」としてはずっとたやすい

  • 評判だったので刊行まもないときに購入。著者は人は暇と退屈を感じるものという前提で論を進めていくが、小生、著者のいう「暇と退屈」を感じたことがないタイプの人間であり、閉口。p.229暇あり退屈なしは「暇を楽しそうに過ごしている」「有閑階級もこの分類」とかね。暇と退屈の根元的考察が省かれており、小生には有益ではなかった。世代差かな。

  • 雑誌「CREA」のガクモンは楽しい!特集で紹介されてたのが読むきっかけに。

    印象に残ったところをメモ。
    ・一般にいう趣味とは、趣味により成される結果を欲するものではなく、負担となる過程を経て退屈を埋めている行為でしかない。(うさぎ狩りを趣味とするひとにうさぎを与えても満足しない)
    ・一万年前、人類の生活様式が定住化したことにより退屈と向き合わなければならなくなった。

  • この本は倫理学関連の本としてはとても読みやすいようだが、自分的には難しかった。ハイデッガーが、倫理学の大きな転換点の鍵を握っていたのは判った。

  • 豊かになった後に世界に残るものは一体何なのか、とても本質的な問題提起で、本当の豊かさを追求するノマド達の間でも話題。
    問題提起はとても面白いが、研究結果たる結論が「ここまで読めば分かる」という身も蓋もない形となっており、最後にガッカリ。

著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科准教授

「2020年 『責任の生成 中動態と当事者研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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