大人のトラウマを診るということ: こころの病の背景にある傷みに気づく
- 医学書院 (2021年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260045773
作品紹介・あらすじ
幼少期の虐待やいじめの経験など、精神科患者はトラウマを抱えているケースが多い。本書はそんなトラウマへの気づき方や対応のコツなどを解説する一冊。精神科医が日常の外来で遭遇するような症例を取り上げながら、明日の臨床から参考にできるコツを披露する。発達障害とトラウマの関係についても詳述しており、まさに今日の精神科臨床で必要とされる知識が盛り込まれた内容となっている。
感想・レビュー・書評
-
症例集という感じ。
いじめ、虐待、DV、パワハラなど継続的に人を追い込むことがどれほど長きにわたり人を損ない続ける最悪の行いであるかがよくわかる。
人と上手く付き合えないとか仕事が長続きしないという人はよくいるけど、なぜそうなってしまったのかを考えた事がなかった。想像力が足りなかった。彼らはもう既にたくさん傷ついていて、そして現在も生活をうまく乗りこなせないことでずっと傷付き続けていたんだと思う。
患者への先生のアプローチは暖かく、一人一人に寄り添いその人がどうなることが回復への道なのかをいつも探っている。画一的な答えがない。
症例集の半分ほどがまあ最悪の状態は抜け出した程度、4割が安定して社会生活が送れている、あとは通院が途絶えている、というのがすごくリアル。精神の病は完治というのが難しく、折り合いを付けながら生きていくしかないんだな。
あと寛解への手段で人との関わりを増やすというのが結構多い。人につけられた傷は人でしか癒せないということか…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
精神の専門家の視点で書かれているのですが、たくさん「職場」や「働く人」が出てきて、産業医の立場で読んでも面白かったです。
「気づくことは、支えること」という帯にかかれていることばは、医師全てに必要な視点かもしれませんね。 -
2階書架 : WM170/AOK : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167461
-
手に取った感じが優しい本でした。症例の中の、ネグレクトに近い感じで育った子の話が、とても近くに感じました。(本の世界に逃げる事が、1つの解離だったというような話でした)
-
B区図書館
-
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00599023 -
5月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003556906