自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋 (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299008206

作品紹介・あらすじ

『ホンマでっか!?TV』でおなじみの生物学者・池田清彦氏が放つ痛快エッセイ。自粛警察という同調圧力、感染者は徹底的にゼロを求めるゼロでリスクゼロ幻想、なんとなく多数派にのる政府と国民……コロナ禍で明らかになったのは日本の過剰な「ことなかれ主義」だった。他人にも自らにも過剰に「自粛」を求める結果が、現在の日本社会の閉塞感とも言える。日本という国が「後進国」になってしまった原因はここにある。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが挑発的で僕の好み。
    書いてあることもごもっとも。
    文字も小さくなく、ページ数も少ないのですぐ読める。

    ・リスクゼロなんて無理。なのに、しかも、何も考えていないのに、日本人はそれを求める。

    ・強い相手には口をつぐむけど、石田純一とか、いじめても良さそうなやつをターゲットにして徹底的に叩きまくる。それが日本人の国民性。
    コロナだけでなく、芸能人の不倫みたいなどうでもいいことについてもそう。

    ・反対をすると言う態度にはすごくエネルギーが必要で、バッシングもされるが、マジョリティである限りは自分の心の平穏を保っていられる。

    ・マジョリティにはマイノリティにも配慮する寛容さが必要だが、今の日本社会からはどんどん失われている。

    なるほど。

    ところで、著者は、「日本人は絶望的に民度が低い」といい、9割の国民が財布の自粛要請に従ったのは「みんな一緒で安心」だからであり、つくづく「自粛バカ」だという。

    皆さんはどう思いますか?

  • 生物学者池田清彦先生によるコロナ禍の日本人の言動についてを中心とした考察。
    自分の頭を使わず、国に言われたからと皆で同じことをやる国民を自粛バカとばっさり。

    折しも10年の節目を迎えようとしている東日本大震災での津波の際、(立地にもよるものの)学校の避難方法、その時の個人の判断によって生存率に大きな差が出たことや、コロナ発生初期に厚労省が37.5度以上が4日間続く場合には病院で診察と示し犠牲者が出たこと(後に国は「誤解があった」と述べるに留まり誤りは認めなかった)などが例に挙げられていた。それと、筆者によると健康診断も企業が人間ドックなど1年ごとに義務づけてるのは日本だけの由(背景にお金儲け)、検診での体の負担の方が大きく、無症状ならやる必要はないそうだ...!

    賛否両論あり、どれにも正解/不正解はないけれど、わたしは本書の内容に概ね賛成だ(ちょっと過激な点はあるが)。
    日本では答えがひとつだけある問題を解ける子が学校で優等生と言われるが、社会に出たら正解の無い課題の方が圧倒的に多いのだからむしろ柔軟で創造力のある人の方が強い。
    体制はずっと不変ということはないので、時代によってマジョリティーは異なる。何も考えず多数派に乗っからない、同調圧力で少数派をいじめのように叩かない。

    やはりどんなに当たり前のようになっていることでも必ずしも正しいわけではなく(会社ごとの風土だってそうだろう)、常に批判的思考をすることが大事なのだと思った。国やマスコミ等が常に正しい情報を提供してくるわけではなく、都合よく相手の不安をかきたて扇動するようなこともあるのだから、どんな情報も鵜呑みにせず距離を置いて一旦考える姿勢を身につけたい。そして自分が適切だと思う行動を実際取っていきたい。

  • 新型コロナウイルスのパンデミックで炙り出された日本人の本性を喝破する

    ・安心と安全は別物なのに、日本人は安心で動いてしまう

    ・あまりにひどい出来事が起きると、日本人は「自然現象だから」とあきらめてしまう

    ・確固たる考えがないやつがマジョリティにつき、マイノリティを攻撃している

    ・人為的地球温暖化は根拠に乏しいお話だが、信じて疑わない人は驚くほど多い

    ・健康診断は意味がなく完全に医療利権となっているが、健康を持ち出されると簡単にコントロールされてしまう

    歯に衣着せぬ物言いで政治家からネトウヨまでをこきおろす刺激的な一冊

    副題は「リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋」

    著者は生物学者、早稲田大学名誉教授
    「ホンマでっか!? TV」にレギュラー出演する一方、Twitterやメールマガジンで「言ってはいけない本当のこと」を精力的に発信している

  • #自粛バカ
    #池田清彦
    #宝島社新書
    家畜になるな。考えて生きろと、そういうメッセージを受け取った。マジョリティは実は考えを持っていないことが多くマイノリティのほうが根拠や考えを持つ必要性に迫られる。勉強になった。若い時にもっとこういう本を読んでおきたかった。いや、きっとまだ遅くない!

  • 賛同できるとことでけへんとこある。みんなが言うこと聞いてくれたら、このコロナ禍での緊急事態宣言も不要やけど、国民みんなが言うこと聞くと思うぅ❓って聞きたい。

  • 自分は、国や政府政策に全く興味がないし、マジョリティもあまり好きではないが、だからといってマイノリティを主張して、反発して他を困らせるようなことが良いとは考えられない。家畜になっていると言われるのは耳の痛い話だが、ウイルスについて何もわからない状態で、他者に感染させるってのもどうかと思う。やっとウイルスについてもわかってきた後だから言えるのでは。
    自分はGOTOなんとかにも興味ないし、自粛しているというつもりもないが、未だに全然外出してない。それはそれでマイノリティかもw

  • マジョリティが
    必ずしも正しいとは限らない。
    その事を再認識出来た本。
    みんな言ってるとか、
    みんなやってるとか、
    そんな事は関係ない。
    自分がどう思うかが
    最も重要な事。

  • 自分が日々思っていることをほとんど言ってくれている。

    すべて「自然現象」で納めてしまう。すぐに空気を読んで(読もうと?)してしまう。自分のそうですが。
    変えたいですよね。自分も世の中も・・・

    「家畜化」いや~厳しい言葉ですね

  • 悶々としていたことを分かりやすく解説していただいてスッキリした。一つの見方として自分の中に入ってきた。内田樹さんとの相性も良くて嬉しい。

  • 池田先生の言うことには全面的に納得させられます。
    これって、自分では何も考えていないってこと?

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著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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