ただいま神様当番 (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299028853

感想・レビュー・書評

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  • 毎朝同じバス停から乗る人達。ひょんな事から神様に取りつかれるという不思議な体験をする。いつもの顔ぶれの5人が次々と神様によって変化していく5つの短編になっているがとても穏やかな優しい気持ちになれる。しかしお話が進むうち、少しずつなのだけれど気持ちがトーンダウンしてしまったことは否めない。

  • ある日、目を覚ますと腕に「神様当番」という文字が!!
    現れた神様のお願いを叶えないと文字は消えないようで、、
    シリーズ4弾目。今回もとても面白く、ホッコリでした。
    神様が子供みたく、可愛いです。

  • 7時23分発の坂下バス停から乗る5人の乗客が、順番に神様当番になって、神様のお願いを叶えるという名目の下、自身の幸せに気づいていくお話。

    安定の青山美智子作品。見事な短編連作集です。当番以外でも物語上のつながりがあって、楽しめます。

    どの話も自由気ままなお爺さん=神様に振り回されながらも大切なことやものに気づいていく、温かくてハートフルな作品です。最初と最後に出てきた葵さん、好きですね。彼女は主役じゃないですが。

  • その話の主人公にまつわる落とし物を拾う事がトリガーになって神様当番になる。落とし物は、それを拾って自分の物にしてしまう心の隙間がある人を助ける為の神様の化身なんだろう…と思って読んでいたけど、心の隙間ではなく、登場人物たちのやりたい事だったんだな、と読み進めるうちに私の視点も変わった。

    ならば私なら何を拾って、神様が登場する時は何がしたいって言ってくれるんだろう。

    内容は、4番のリチャード・ブランソンの話が印象深い。スピークではなくトークで、拙い言葉でも想いを乗せて話せば必ず伝わる。
    人と話す時気をつけないといけないな。
    気持ちの入っていない言葉ほど人を傷つける気がするので。

    青山美智子さんの作品は人の心の変化によって、価値観が変わっていくという事を本当にうまく伝えてくれる。好きな作家さん。

    しかし、左手の中におじいさんが入ったとき「うわっ」となったのもまた事実…笑

    巻末に田中達也さんとの対談がある。
    これで5作目となる著者の作品でようやく装丁に目を向けることができた。

    今までちゃんと見ずにごめんなさい…

    • ゆきみだいふくさん
      感想と本棚にいいね、ありがとうございます❢
      koujisan941さんの本棚、私の好みと似ています(⁠^⁠^⁠)
      参考にさせていただきます。
      感想と本棚にいいね、ありがとうございます❢
      koujisan941さんの本棚、私の好みと似ています(⁠^⁠^⁠)
      参考にさせていただきます。
      2024/04/12
    • koujisan941さん
      >ゆきみだいふくさん

      コメントありがとうございます。
      ミステリーをこれからどんどん読んでいきたいので、本棚参考にさせていただきます。
      ブッ...
      >ゆきみだいふくさん

      コメントありがとうございます。
      ミステリーをこれからどんどん読んでいきたいので、本棚参考にさせていただきます。
      ブックリストもたくさん作っていらっしゃって、そちらも参考にさせてください。
      フォローさせていただきますね。
      よろしくお願いします(^^)
      2024/04/12
    • ゆきみだいふくさん
      koujisan941さん
      ありがとうございます。
      よろしくお願いします。
      koujisan941さん
      ありがとうございます。
      よろしくお願いします。
      2024/04/14
  • 青山美智子さんは本作が初読みの作家さん。
    肩の力を抜いて読める優しい文体で、癒しと笑いと希望がぎっしり詰まった全5編の短編集

    装丁デザインがとっても素敵で惹かれる方も多いと思う。青山さんがこだわった訳も納得の仕上がりで相乗効果をもたらしているようだ。ご担当は巻末特典で対談が組まれている田中達也さん。
    見開きの「神様当番表」では掃除当番表を思い出した。エモいなぁ〜。
    あっ、リックが首を傾げそう笑


    ある朝目覚めると、腕にデカデカと「神様当番」の文字が!突然目の前に現れた神様の願いを叶えないと、この文字は消えないらしい・・・
    なんとも面白い設定で現実には有り得ないが、
    その辺の詳しい解釈は読み手に委ねてある。
    まず、この神様の風貌が滑稽だ。裏表紙のそのお姿を見て確信した!ジャージの色が違うだけで、これは吉本新喜劇の辻本茂雄やないか!笑
    (って巻末でモデルが本当にそうだと分かり、
    ビックリ!勝手に親近感♪)

    「神様当番」を託された面々は、それぞれに神様の願いを叶えようとする。時々、神様がサポートしてくれたり勝手にリードするんだけど、最終的には自分に大切な「気付き」をみつけて自らの意志で行動して変わっていく。その様子はとても微笑ましくて温かくて少し泣けてしまった。

    不平不満をもらしたり、自分を偽って無理したり、驕り高ぶった態度をとってしまったり、そんな自分に自暴自棄になったり・・・
    誰しも多かれ少なかれそんな時があると思う。

    本作では神様が当番というキッカケを与えてくれていたが、何も神パワーを使った訳ではない。
    ちょっとした気付き次第で、みえ方もみえる世界も変えることが出来るんだと、神様は教えてくれたのだろう。ふと気付けば、それらが全て「自分次第」というのにも勇気づけられた。
    いやぁ、なんてあたたかいメッセージなんだ。
    これは前向きになれない時に再読したい。

    青山美智子さんの作品はどうりで人気なわけだ。これは是非他の作品も読んでみようと思う。

  • 人には憧れるものや理想がある。けど本当にしたい事、大事な事はまた別の事だったりして難しい。
    楽しめているかが1番大切な事なのかな。
    その姿を見てまた誰かが楽しめる事を見つけられれば皆が幸せになれるかな。
    楽しい、好きは憧れや理想を超えるのかも。

  • お当番さんになったら厄介だし生活しづらそうではあるけど、現状打破できるのなら、なってみたい気もする。
    うざ可愛い神様、推せる。

  • いつもの青山美智子さんのスタイルの短編集。
    共感できる部分も多く勇気を貰えたような気がします。
    神様がらんま1/2の八宝斎を連想してしまったのは僕だけでしょうか。

  • 5話収録の短編集。

    落とし物を拾うと、腕に大きな神様当番という文字が表れる。神様のお願いが叶わないと消えないらしい。

    以前読んだ、ちょっと違うけど、夢をかなえるゾウに出てくるガネーシャと神様が重なったように感じた。

    どの話もほんわかするあたたかい物語。

    本当の自分を見つけられる、それを神様が導いてくれている。でも最後はちゃんと自分自身の力で本当の自分を見つけていっている。いい話でした。

  • 読書備忘録779号。
    ★★★★★。

    図書館予約本が届かない時の青山さん。
    それでも★5つ。大満足です。笑

    今回の連作長篇のテーマは神様。
    神様って、普通に考えたら願いを叶えてくれる有り難い存在。しかし、青山さんの神様はそんなステレオタイプの神様ではない!それでは★5つの物語にはならない!

    先に言っちゃいますが、青山さんの神様は確かに願いを叶えてくれる。ただでは叶えてくれない。
    神様が主人公の身体に憑依して、腕にデカデカと「神様当番」という文字が浮き出て「これを消したければほにゃららしてちょうだい!」と課題を言い渡す。
    主人公はがむしゃらにその課題解決に取り組む!という連作長篇。笑

    主人公は5人。みんな「坂下」というバス停から朝7:23発のバスに乗る連中。これがまた青山さんらしい。笑

    「水原咲良(OL)」
    性格は奥手、受け身。自分の世界が広がらない。このまま自分の人生は終わるんだろうか・・・。
    神様憑依して、神様当番に!
    神様は一言。「かみさまを楽しませてぇ~!楽しませてくれないと出ていかないからね。」
    どうしたら神様は楽しんでくれるのだろうか。
    いろいろイベント的なものに参加してみた。あら?私に積極性が・・・。笑

    「松坂千帆(小学生)」
    鼻くそを食う弟。サイテー。なんたらを擦った指を嗅ぐとゲロの匂いがすると嬉しそうに報告する弟。サイテー。友達の兄弟、姉妹とかサイコーに見える。なんで私の弟だけこんなにサイテーなの!
    神様憑依して、神様当番に!
    神様は一言。「素晴らしい弟が欲しい!弟を手に入れてくれないと出ていかないからね。」
    自分の弟はサイテー。だから、他人の年下のイケてる男の子と仲良くなってみた。それでも神様は出てってくれない。
    自分の弟は素晴らしくないし・・・。あれ?そうじゃない・・・。自分の目は節穴か?

    「新島直樹(高校生)」
    男子校。ずっと親が携帯を持たせてくれなかった。やっと高校生になってスマホを持てた。でも使い方は良くわからん。SNSとか何をやっても中途半端。
    神様憑依して、神様当番に!
    神様は一言。「リア充したい!リア充にならないと出ていかないからね。」
    いろいろSNSでリア充っぽいことをやってみた。
    むなしい。神様は出ていかない。リア充ってなによ!
    リアルに充実?そういうこと???

    「リチャード・ブランソン(大学非常勤講師)」
    イギリス出身。イギリスでは日本語が得意でネイティブレベルともてはやされた。
    日本に来て大学の英語の非常勤講師に。
    日本社会に溢れかえっている日本語。ネットスラング、ネット会話、ついていけない!日本語の奥の深さに唖然。学生はふざけている。スマホ翻訳ソフトで英語なんて事足りると。自分も授業にも身が入らない。
    神様憑依して、神様当番に!
    神様は一言。「美しい言葉で会話がしたい!じゃないと出ていかないからね。」
    美しい言葉?正しいことば?違う違う。わらかん!
    学生とぶつかった。本音で。
    郷に入っては郷に従えって言葉があるよね。そういうことだったのか!

    「福永武志(零細企業社長)」
    零細工事会社の社長。
    いちから会社を立ち上げて大きくしてきた。その為に無理もしてきた。社員に無理をさせてきた。
    ある日。社員が全員消えた。やってられないと退職してしまった。
    残ったのは自分と事務の女子だけ。さて困った。
    神様憑依して、神様当番に!
    神様は一言。「えらくなりたい!えらくなれないと出ていかないからね。」
    神様?こっちはそれどころじゃない!明日からどうしたら良いんだ。
    請け負ってしまっている仕事は自分がやるしかない。事務女子も手伝いたいと大張り切り!
    工事してお礼を言われ、修理して有り難がられ、ついでに他のところも直し感謝され・・・。あれ。楽しいぞ。
    本来の仕事ってこういうものでは?えらいってどういうこと?なるほど!

    そして神様は「坂下」の5人の願いを叶えて、うんちくを垂れ去っていく。「坂下、7時23分。楽しかったわい。次はどこにいこうかの」と。

    深いですね。青山さん。神様のうんちくが凄い。
    そして、例によって各話の脇役がきちんと他の話にも出てきて重要な役割を果たす。
    この構造が素晴らしいの一言です。

    さて、残りの過去作は猫のお告げだけ。
    予約本の来ない時の為に大切にとっておきます。

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著者プロフィール

1970年愛知県生まれ。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国し、上京。出版社で雑誌編集者を経て、執筆活動に入る。第28回「パレットノベル大賞」佳作を受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が、第1回「宮崎本大賞」を受賞する。『お探し物は図書室まで』で2021年「本屋大賞」2位に、『赤と青とエスキース』で2022年「本屋大賞」2位に選ばれる。他の著書に、『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』(U-ku氏との共著)『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』等がある。

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