- Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025421
感想・レビュー・書評
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10代の時に感じていた性への疑問を益田ミリが女性目線からマンガで、武田砂鉄が男性目線から文章で描く。
子どもならではの理屈を無視した妄想が繰り広げられていて、「あー、こんなこと考えていたな」と懐かしみながら笑って楽しめる。
大人とは違う、かわいいレベルの下ネタなのだが、人によっては下品に感じるかもしれないので、本書を読むのもこの先のレビューを読むのも注意。
1ページ目から、「突然ですが金玉の話です」と始まって驚く。
「その名の通り金色の玉であるのは間違いない」とか、
クリスマスツリーのオーナメントのように「中が空洞なのではないか?」と女子中学生は考えていたらしい。
冷静に考えればおかしいし、人によるだろうとは思うが、女子中学生には男子の身体のことなんてわからない。
というか実際、男性の私も小学生の頃は「皮膚に隠れているだけで、中には金色の玉があるんだ」と思っていた。
他にも、「男性器には尿道と射精用の穴があるんだろうけど、縦並びなのか横並びなのか」とか、「皮がむけるって脱皮みたいなものなんじゃないか」とか、現実からかけ離れたところで納得していてかわいらしい。
私も小学生の時に見たアダルト雑誌で、自分とはかけ離れた姿かたちと機能を目の当たりにして、もしかして「エロ本というのは大人が楽しむためのファンタジーなんじゃないか?」と思っていた。
ファンタジー、という点に関してはあながち間違っていなかったことが大人になってわかるのだが。
大人からすると馬鹿らしく思えるかもしれないが、大人の女性でも知らない男の習性って結構あると思う。
「トイレで小便器に立つとき、なるべく人と隣り合わないようにする」とか、「居眠りした後は諸事情で立ち上がりづらい」とか。
男から見た女性の身体も似たようなもので、「女性にはおしっこの穴とおしりの穴があって、子どもはお尻から出て来る」と考えていた人は多いのではないだろうか。
「経血が出て来るときってわかるのかどうか」とか、ほとんどの男は大人になっても知らない。
睾丸をぶつけた時の痛みとか、生理の痛みとか、互いに絶対理解できないこともある。
だから、想像で補うしかない。
でも、友達と集まってAVを見た女子たちが、全員経験がないにもかかわらず、「女の人演技だね」「うん」「演技」と断定できてしまうのはなんだか残酷さを感じてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ほんっっっと男子中高生ってバカだなぁ〜とクスクス笑いつつ、自分の思春期を思い出してはあぁ私もあんまり変わらないか…と苦い思い出を思い出しながら読了。
益田ミリさんの漫画と武田砂鉄さんのコラムが交互に読めて楽しい一冊。 -
ミリさんと砂鉄さん、ちょっと珍しい組み合わせではないだろうか。テーマもこのお二人が扱うにしては珍しい気がする。ミリさんは漫画で、砂鉄さんは文章で、異性の体や性の何たるかもわからなかった時分の思い出を語る。
漫画と文章という違いかもしれないけど、ミリさんのほうが赤裸々的に突き抜けてる。男子の金玉とか、大きく硬くなるってどんなことだろうとか、知らないなりに女友だちの間でまとまった仮説で納得してみたり。女子が相手にはそうとは見せずに男子の体に興味深々だったことがわかる。
対して砂鉄さん、いつもの世相を切るようなさっぱり感がない。ミリさんの思い出からは「私」の思い出って感じがするけど、砂鉄さんは僕たち・おれたち・男子たちといった一般論的な話に終わっている感じがする。男子にとって性ってそのくらいのものなのかもしれないし、そういうふうにしか向き合えないから男女間に軋轢が生まれるのかもしれない。ちょっと砂鉄さんの書いた思い出にがっかり。 -
漫画かわいかった~!わかるようでわからんでもない話。理想論とか目覚める前の話だから夢物語っぽくて、そんな時期もみんなにあったのか~って感じ。私自身なんかいろいろ悟るの早かった方だと思うので。笑
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さらりと読めた。
性に目覚める年ごろの男子・女子の妄想。経験なし、なんだけどもどこからか知識だけは集まってきて、どんどん妄想をふくらませていく様がオモシロイ…。
益田ミリさんのマンガの女子(うさぎちゃん)がする妄想はちょっと可愛すぎる気もするなあ。
武田さんのエッセイの男子たちはといえば、その意識過剰っぷりがいかにも「愛すべきお馬鹿」(失礼!)という感じで、ほほえましい。
がしかし、どちらも若干ステレオタイプすぎるかなー。
日本の学校では、今でも「性教育」は男女別に行われているのだろうか。思えば、男子校、女子校、というようなものがこの国には今だに多く存在しているのも、不思議といえば不思議だけど。個人的には、「性教育」はやはり男女一緒に行うこと、相手の身体のことについても、自分の身体のことと同じように学ぶのが良いのじゃないかな、と思う。 -
男女双方の立場で、思春期の性に対する視点を語っている。とても読みやすかった。
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ミリさんの漫画に、あの頃を思い出してクスッと笑ったり、恥ずかしくなったり。砂鉄さんのコラムは中高生の男の子達にはありがちだけど、今見るとフェミニズムに引っかかることばかり。曖昧な知識と、ぐらぐら揺れ動く価値観の時期から、知識や経験を蓄えて、取捨選択を繰り返して大人になった時に何を持っているか。砂鉄さんは「マチズモを削り取れ」なんて著書を出すようになったけど、他の男の子達は、女の子達はどう育っていったんだろうな。
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武田さんの著作であれば読みたいっていうのと、性教育本の一種かなという考えの下、手にした本。これはでも、あのころ特有のバカバカしい妄想を笑い飛ばそう、っていうのが主旨だから、性教育的な要素は皆無。でも『分かる、わかる』みたいな感覚が楽しい。女性の観点からも描かれているのがまた、ある種味わい深い。
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自分の子供には、性教育、しっかりやらなくちゃなと思った。生理のことも、女子トイレにある箱のことも、なんのためにあるのかということも。
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初めは全てミリさんのエッセイかと思っていたら、あら男目線?と気付き、エッセイは男性の武田さん、マンガはミリさんでした。
個人的にはすべてミリさんのマンガかエッセイが良かった。男性の思春期の性的なオモシロ話よりも、同年代の女性の思春期がどうだったかが知りたい。 -
コミックエッセイと普通に文章のエッセイが交互に書かれている。
コミックエッセイでは著名な方だが、絵の好き好きは様々だろう...。個人的には余り好みではないが、ともすると生々しい話題なので軽過ぎるくらいの現実味の乏しい線画がバランス的に良いのかも知れない。
女性・男性の交互のエッセイという点でも面白い。特に女性視点は自分には未知なので、「へえ~、そうなんだ!」と思わされる何気ない描写もあったり。
決して子供向けではなく、大人だからこそ振り返ってみて他人の視点での絵や文章になったものを味わえるのだと思った次第。 -
「突然ですが、金玉の話です」から始まる。
情報が枯渇していると、
そのスキマを埋めるのは圧倒的な想像力だ。
想像力は探索力を上回る。
当時、頭をフルに働かせたそのイマジネーション力は
今現在何かの役に立っているような気がする。
それが何かはわからないけど。
検索ですぐにエロ画像やエロ動画に辿り着いてしまう現代では、
代わりにどうやってその力を育むのだろう。不思議だ。
ウサギを女子学生のキャラクターに使っているのは、
「性的好奇心が強い」というメタファーなのだろうか。 -
自由かつ大胆不敵な性の知識を持っていた10代の頃、同じ教室にいた男子は、女子は、何を考えていたのだろう? 益田ミリが漫画で、武田砂鉄がコラムで、女と男それぞれの立場から妄想と憧れの日々を描く。
妄想は面白いものだ。 -
人生
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恋愛?まぁ、違うか。経験する前の、男女間に関する疑問や妄想が、男女・それぞれの視線で書かれている。残念なのは、女性が1969年生まれ、男性が1982年生まれ、と、13歳の年齢差がある事。それだけ違えば、性に関する一般常識も違い、背景が違っているんじゃないかな?と。温度差も、少し感じた。
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●女の子たちが考えた男子のからだは無限大でしょうが、/男の子たちが考えた女子のからだもまた楽しそうなのでした
●金玉は金色ではありませんでした -
くすりと笑える、真面目な性について。
あー中学生の頃、そうだったかも!的な。
すっかり大人になって忘れてたけど、、
あの頃の気持ちや疑問を再現できる益田さん、すごい。 -
中高生の頃の性への関心や妄想、想像にかかれた共著。
益田さんということもあり手に取りました。
個人的にはあまり得意ではないのですが…
性について妄想を繰り返し、現実に直面し、大人に近づくことへの、中高生の女の子の心細さみたいなものが、益田さんらしさが出ていて良かったです。