- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309029139
感想・レビュー・書評
-
【静大OPACへのリンクはこちら】
https://opac.lib.shizuoka.ac.jp/opacid/BC02611590詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
家庭生活での満たされない思いがや家族の暴力が,ある日傷ついた子供たちを追い詰める.行き場のない心がさまよう悲劇と成長と昇華あるいは救済の物語.始めは信じられないくらい危うい登場人物に呆れながら,最後は再生を祈ってました.
-
とても読みやすくわかりやすいので、すらすらと読めました。
感情の表現が巧みで面白かった、この作者の他の作品も読みたいので、又書いて頂きたいと思います。 -
教育にも色々あるけどいき過ぎた学力重視の教育は駄目だし放任主義も駄目だと感じた。大切なのは子を尊重し、きちんと向き合うことが重要だとこれを読んで思った。
-
Amazonより
「今度こそ、大切な人を守りたい―あの夏、逃避行の果てに、流花は自ら命を絶った。そして十三年後、生き写しの瑠花が現れる。破滅に向かう瑠花と同級生の武命。千尋は、中学時代の十字架を乗りこえて二人を教えるか。戦慄の決行日は二学期の始業式。命を懸けた、ひと夏の闘いが始まる。」
表紙から察するにラノベ?ミステリー?どんな物語か想像がつかなかったのですが、読んでみると中盤までは群像劇でした。登場人物の視点が変わるがわる変わっていくのですが、自分自身の視点と他人から見た自分の印象が違うため、最初何かトリックがあるのでは?と思ってしまいました。
爽やか路線かと思いきや、出会い系掲示板やパパ活など割とディープなことが散りばめられていて、どう展開していくのか最後まで予測不能でした。
中盤から、サスペンスの要素が加わるため、一気に色彩が変わりました。人間の感情を余すことなく表現されていくため、今まで見られなかった登場人物の一面を楽しむことができました。といっても明るめではなく、どっちかというと暗めで重め路線なので、気持ちもどんどん沈んでいきました。
読み終わった後は、読んだ量がボリューミーであることや内容が壮絶であったため、どっと疲れました。
「〇〇だからこうなった」や「〇〇じゃなければ・・・」と言ったところで過去は変えられません。大事なのは、「今」や「この先」をどう変えていくのか、自分がどう行動していくのかが読み手側に問われているようで、深く心に刺さりました。他人の全てを知ることはなかなか難しいということを突きつけられました。
全体として、ストーリーがよく計算されているなと思うくらい、登場人物同士の繋がりが張り巡らされていました。この繋がりは、ある意味感動でもあり、世間は狭いなと思わせてくれました。
初めて、カンザキイオリさんの作品を読んだのですが、文章が特徴的で、印象に残りやすかったです。特に言葉を何回も繰り返すことで、その人の心情の不安定さを物語っていて、
グイグイと読み手側も惹きこむものがありました。
初めてとは思えない文章力にぜひ別の作品も手がけて欲しいなと思いました。